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色を選ぶということ
先日、オンライン講座「色彩を纏うもの」が始まりました。
この講座では、編み物を通して様々な事柄を見つめていく1年間となりますが、当然、材料となる毛糸が必要なのです!
今回が3期目ですが、変更した講座名からもわかるように、「色彩」ということに重きを置くということが一つの特徴となっています。何かをつくるときに、材料の色を選ぶといったことが想像できるでしょう。しかし、ただ好きな色を選ぶのではなく、どのように色彩を体験するのか、時間をかけてそれに向き合うことを大切にしていきます。
そのために、まずは面談をするところから始まりました。
一人一人と会い、これから編むものの話しながら一緒に色を思い浮かべていきました。
実際に編むことにしているルームシューズを例に挙げると、ルームシューズは足を包むもの、足を守り、毛糸で編むこともあり暖かく保ちます。
また、地面をしっかり踏み締めるものでもあります。そのルームシューズは誰がどのような場所で、どんなふうに過ごしている時に履くものなのかを想像します。そして、底の部分、甲の部分、踵の部分、足が出たり入ったりする入り口の部分にどのような働きを感じるか想像するのです。
そうするうちに、自分が欲する色というより、次第にルームシューズが保持する色彩の質のイメージが浮かんでくるのです。
このプロセスを通して、「選ぶ」ということにおいて全く別の観点へと導くのです。ものと人、人の動作や行い、また周りのものやありようとの関わりへと、視界が広がっていくのでしょう。
そんな世界へと誘う中で、聞こえてきた色や伝わってくることからイメージする色に向き合い、たくさんの毛糸を染めました。
こんなふうにして、草木染の毛糸を準備するのはもちろん大仕事ですが、尊い出会いがそこにあることを心の底から感じています。思わぬ色が待っていたり、想像以上の色と出会えたり、、、、きっと私は色彩の海を泳ぐように、これから集う人々と既に交流していたのでしょう。
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編んでものへとつくられていく中で、生まれてくる色があるのです。これこそが、さらに高められた色であり、講座の中でそのような多くの色彩と出会えることを楽しみにしています。