彼女たちはそのみかんの価値をしらない
昨日の夜、飲み会から夫がいい袋を持ち帰ってきた。
いいじゃないか!「TAKANO」の印字があるじゃないか!!
おリボンのかかった包装紙に包まれた長方形の箱が神々しい。
中身は何か!!!
ゼリーかな、フルーツポンチにしては軽いような。
贈り物のリボンをほどくのってなんていい気分なんだ。
中からは、大きな柿とラフランスとみかん。
みかんとは意外だ!
しかし、フルーツそのものが入っていてとても満たされる。
わたしは果物が好きだ。
今日の朝食に、そのみかんを出した。
子どもたちが寝た後に夫が帰宅したので、彼女たちはそのみかんの価値をしらない。
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今、とっても大好きな古賀及子さんが新刊をだされるというお知らせがSNSで流れてきた。ホットだ。
タイトルが「好きな食べ物がみつからない」
、、、?
探し物のお話?と思ったけれど、ご本人の紹介文言に「『好きな食べ物はなんですか?』 実情と大喜利とセルフブランディング、そして瞬発力が求められるこの質問にずっと悩んできました。(以下略)」とあるではないか!
わかる、わかりすぎる…!!
さすが生活の古賀及子氏、この日常に潜む平凡な顔をしながらもいろんなことが見透かされてしまうこの質問。
先日も自分のSNSのプロフィール欄に「プロフィールと言えば好きな食べ物だよな」と思って悩みながら記載したばかり。
わたしは果物が好きだから、「好きな食べ物はフルーツです」というのが本音ではあるが、なんなんだフルーツって。カテゴリーの広さに何も伝わらなくてびっくりする。でも、何の果物が好きかなんて、そのシーズンごとはおろか、週替わりで変わってしまうくらい、つぎつぎとフルーツの美味しさは押し寄せてくる。もちろん、普遍的にということであれば桃とか梨とかイチゴとかマンゴーとかあるけれど、その日に食べた柿の美味しさなんて格別じゃないか。
中学生くらいの時に読んだ椎名誠さんの岳物語のなかで今でも時々思い出すエピソードがある。子どもに好きな食べ物を問うとその日の夕食に食べたものを必ず答えるというのがあり、それだ。
果物に順位はつけられないが、しいて言えば、今すぐ食べられるように切ったり洗ったりしてあって(できれば一口サイズよりちょっとおおきめをほおばりたい)山盛りになっているのがいい。
でも、そんな注文票をプロフィールに書くのもおかしいし、もしかしたら読んだ誰かがうっかりプレゼントしてくれるかもという下心も含めて贈り物にしやすくイメージしやすい「フルーツポンチ」と書いた。実際、好きだ。
好きな食べ物の質問に対する答えって、その人となりが見えてくるのかもな、おもしろい。
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みかんを朝ご飯に食べている娘たちに「そのみかん、どう?」と聞くと「めっちゃおいしい」とそりゃそうだろうという答え。
リボンに包まれた箱に入っていたいいみかんだと伝えると「ぱくぱく食べちゃったよ!」と。それでいいのだよ。
やっぱり高級なみかんはおいしいねといって豊かさを享受したが、みかんって特別高くなくても時にとってもおいしいみかんに出会えることがあっていい果物だよな。とも思った。
TAKANOのみかんは素晴らしくおいしかった。
好きな食べ物は、みかんです。