もう見せてしまったのだからあとは身を任せるしかない。
あー、これはね、もうだめだ。降参です。
朝5時27分、娘のお弁当を作りながらスマホの画面を開き、歯科クリニックの予約。いやー、予約埋まってたら仕方ないよね、当日予約だしと思っていたがしっかり空きがあり、この早朝にテクノロジーの進化によって自分の歯が守られることに感謝。
ずっと左下一番奥の歯とその手前の歯の間に食べ物が詰まるのが気になっていてというか食事のたびに痛くてストレスだったが放置していた。近頃耳にするセルフネグレクトか。
歯医者さんに嫌な思いをさせられた明確な記憶は残っていないのに、どうにもこうにも苦手だ。でももう予約したのだからこっちのもんだ。
子どもたち、夫を送り出しあとはもう歯医者までは平静を装って過ごす。というつもりだったが、そこは大人なので別に全然平気で時間になって出かける。
歯医者が苦手になるタイミングは、「次は3か月後くらいに検診にきてくださいね」というのを突破したら、だ。そのあとは「こんなになるまでほっといて」言われるのではないか、そうでなくとも思われてるに違いないという妄想がはかどる。ちなみに今まで言われたことはない。子どもの頃のことは覚えていないけれど、大人になってから見てもらった歯医者さんに嫌なこと言われたことはないしみんな優しかったのに。あ、思い出した。検診だけ受けたときに「こんなのは治療とは言えないね」といっていた老年の歯科医が一人いたけれどそれは別に私は傷ついてないのでいい。
さらに、子どものころから虫歯ができやすく小さな虫歯がすぐに見つかるし治療した跡だってある。口の中を見られたら生活習慣の悪さまで見透かされてしまうようでいたたまれないのだ。
子どもたちが最近通い始めた歯医者の先生がとてもやさしく、付き添いで見ていたわたしも勇気づけられたのでその先生に診てもらうことにした。子どもたちはわたしと違って虫歯と縁遠く頼もしい。
つつがなく受付を済ませ、最大の緊張の口の中をお初でお見せするという時間が終わったらもう見せてしまったのだからあとは身を任せるしかない。
子どもたちの太鼓判の通り全然大丈夫で終わった。
診察台に座った時から「実は苦手で~」と打ち明けていたので、とても親切に状況を説明してくれたし、Phの話や歯の根っこの話など面白かった。ここでいう面白いは古文でいう「をかし」だし英語でいう「interesting」であり、言葉を勉強してきてよかった。
親知らずを抜くことを前向きに検討。歯周病より虫歯になりやすい口腔内環境のようだとのこと。
ママというジャンルの人たちは子どもとお菓子を食べる機会が多いので虫歯が多いというお話があり、思い当たる節しかない。先生があわてて「食べてもいいです!そのあとうがいなどしてくださいね。お菓子、食べてください!!」と言ってくれたので「歯医者が苦手」という先制攻撃が効きすぎてしまったのかと振り返る。
先生は実におしゃれでたくさんピアスがついていたりカラコンをしていたり髪にハイライトを入れていたりするのだが、今日はまつ毛にカラーエクステをしていてかっこよかった。
長女に、歯医者に行ってきたから褒めてくれと言ったら「あの先生いかついけどめちゃくちゃ優しいよね」と先生を褒めていた。完全に同意。
また来週も行くが、しっかり次回の予約をとってある。流れるようにあとは行くだけだから、わたしにとって次回予約ほど心強いものはない。
そんな長女は明日受験の時にお世話になった塾に遊びに行くと言い、制服のコーディネイトを熱心に考えていた。「生徒たちにこの学校に行きたいと思われたいじゃん?」と入学して一年も経っていないのに愛校心が育っており、よかったねという気持ち。
今日は暖かかったのでそのパンダのもこもこパジャマは暑いのではないか?と思ったがかわいいのでそのまま二人の娘を寝かせた。