禿げた夢の話を励ます。
目覚まし時計のアラームよりより早く目覚めるマンなのだが、どうにも目覚ましが鳴ってからしばらくしてから今日も起き出す。
娘たちの習い事の発表会があるので朝からわっせわっせと支度をして、子らを起こす。
卵を落としたお味噌汁と鯖フレークのおにぎりを作って朝ごはん。
鯖フレークは夫のお土産だが青魚が苦手な私も美味しく食べられるので気に入っている。
おにぎりには海苔を大きめにカットしたものを巻いた。だって今日は発表会なのだ。
のっそのっそと起きてきた娘たちに「今日は発表会だよ!」とリマインドをして朝ごはんを食べさせる。
長女(12)は「昨日は発表会が憂鬱だったけど、今日は楽しみになってきている」と前向きで良い。
次女(7)は姉より熱心に練習を積んでいるのだがまだこちらの世界に来ていないようでおにぎりを持ったまま固まっている。今日は発表会だよ!
8時10分ごろ出発だと告げて私も自分の支度をする。
夫が起き出してきたがなんだか様子がおかしい。聞くと調子が良くないという。
お腹が痛いの?気持ち悪いの?と聞いても、調子が悪いという返事。そうか調子が悪いのか。
開演の時間を告げて、もし来れなくても動画を撮ってくるから安心するようにと言って家を出る。
そういえば、昨日から夫の弱っている片鱗が見えていた。変な夢を見たし、長女にはオセロで負けるし、ジムでのトレーニングがきつかったと言っていた。なんでお金を払ってこんなきつい思いをしているのだ、、、と。
そうかそうか、それはかわいそうにとなぐさめたが、その時から「調子が悪い」になりかけていたのだろう。
どんな夢だったか聞くと、大量の鶏肉をどんどん切っていて、髪の毛も禿げてしまっていて悲しかったという。滅多に泣き言を言わない夫の夢の内容にあははとひとしきり笑った後で、励ましておいた。
長女が塾の先生がホワイトボードに「はげます」と書いていて生徒たちで「ハゲますだって!!」と爆笑したエピソードを聞かせてくれた。国語の授業だったそうだ。
発表会は滞りなく終わり、先生方のパフォーマンスも堪能し、あっぱれの気分で帰宅。
夫は調子が悪いを持参したままであったが、発表会は観られてよかった。
夫は帰宅後も調子が良くないが、ストレッチの施術があるからと出かけようとしているので全員で驚き止める。
今日は調子が悪いのだから!!
次女が「今日は行かないで、お願い」とドラマチックに言い、わたしが代わりにストレッチに行こうかと鮮やかに提案。代打わたしに決定。
こちらのストレッチは家族契約になっているので、わたしが行くことに何ら問題はない。
普段は夫がメインに通い、時々わたしが行くという運営にしているので、思わぬおこぼれに喜ぶ。
しかし、調子が悪い人の代打なので表情は引き締めて、ジョガーパンツに着替えて出発。
ストレッチの担当の方はこれはこれは上手だとわたしと夫が太鼓判を押している。足やら何やらほぐして伸ばしてくれるのだが、その伸ばす具合が絶妙なのだ。い、痛いです!と言ってしまおうかなというところで止めて「ここで伸ばします!10、9、8…3、2、1」とよくわかっている。最後の方はカウントを気持ち早めてくれるのも何とも絶妙だ。
これは「これ以上は痛いですよ」という心の声を読まれているのではなく、体のことをよくわかっているということであろう。心強いし頼りになる。
施術中は、学士時代はハンドボール部だったという話をしてくれた。ハンドボールについては詳しくないが、なんとなくますます心強く頼もしい。
夜ごはんは冷凍していたお刺身を解凍して海鮮丼。
世界の果てまで行ってQを観て、調子の悪い夫に合わせてみんな早く寝た。