髪はまっすぐにしておきたいという時期
とにかくおしゃれをして出かけたいという日が2日続いた長女にどちらの日も朝からヘアアイロンで髪をまっすぐにするのを手伝った。
そうだよね、髪はまっすぐにしておきたい、そういう時期だよね。
髪にアイロンをしている間、作業しやすいようにクリップで留めたり外したり落っことしたりするのをいちいち笑う。機嫌が表出されることで楽しみな様子が伝わっていいな。
そのご機嫌なノリでいっしょにあーでもないこーでもないと言いながら髪をやって、でも、何も話さない時間があってもそれでよくて、こういうのが親しい中だよなと思うなど。
こんな時間が持てることが、ありきあたりだけど当たり前の幸せとかみしめる。
おしゃれすべきイベントの2日間が終わろうとしている夜、「明日から毎日アイロンしようかな。してくれる?それとも自由に使っていい?」と長女が聞いてくるものだから焦ってNiziUのどれかの曲(「HEARTRIS」でした)で「ヤーヤーヤー!マーマーマー!?」と踊って返す。
毎朝早朝にお弁当と朝ご飯を用意したうえで髪にアイロンまでするのか、これは!と思ったが、やぶさかでもない。
そうだよね、髪はまっすぐにしておきたいお年頃だよね。
ストレートヘアと言えば、わたしが初めて髪をまっすぐにしたのは大学生のころだった、たしか2年生。長く伸ばした髪に当時大流行していた縮毛矯正をかけた。
もともとくせ毛なのでゆるくウェーブがかかったような髪がさらさらと揺れ動くのが初めての感覚で、それはそれは嬉しくてわざと髪を揺らすように歩いた。
そして、その髪型は周囲から「似合わない」という感想を多く集めたのだが、驚くほど落ち込まず、何なら納得感とすこしのうれしさを感じていた。
もともとのゆるくうねった髪のほうがいいよと言ってもらえた気がして。
今思えば、当時の技術や流行で行われていた縮毛矯正は毛先までぴんっぴんの鉄板のような真っすぐさで不自然というか、まぁ顔のタイプ的にも違和感あったんだろうと思う。前髪とかね。
それでも同時期に同じ髪型にしていた子はとても似合っていたけど。
肩甲骨まで伸びたさらさらの髪を期間限定でなびかせて、わたしのスーパーストレートは終了した。それでもやってよかったと思う。
寒くなってきたので、娘たちはもこもこのほとんどパンダのぬいぐるみみたいなパジャマを着て「おやすみ~」と手を振りながら寝室に行った。
わたしはきっと明日の朝、長女がふわふわ上下に揺らしながら起きてくるボブの髪をまっすぐにする。