Mika Panda

石垣島在住のダイビングインストラクター兼日本語教師です。 これまで、ダイビングショップ…

Mika Panda

石垣島在住のダイビングインストラクター兼日本語教師です。 これまで、ダイビングショップやビーチ、ホステル、ゲストハウスなどで英語による業務に携わってきました。 あなたも、中学英語を思い出しながら、私と一緒に英語が話せるように練習しましょう♪

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ミカパンダの中学レベルからやり直す英語レッスン・はじめに

初めまして、ミカパンダと申します! 石垣島在住のダイビングインストラクター兼日本語教師です。 石垣島に移住するのは、実は2回目。 10年前、大学の卒業式をすっぽかしていきなり移住したのが1回目でした。 それから4年間、マリンショップや某リゾートホテルのビーチ、ダイビングショップなどに勤めてきましたが、意外と多かったんです、海外からのお客様が!! 「ミカパンダさん、英語喋って!!」 …と、なぜか仕事仲間に頼まれたのが某リゾートホテルでのこと。 いや、私別に話せないし!! …

    • 日本語教師の皆さん必見!!ホワイトボードで教材動画を作ります(^▽^)

      皆さん、こんにちは! ミカパンダです。 私、実は日本語教師の資格とホワイトボード手描き動画クリエイターとしてのスキルを持っています。 その2つの技能を掛け合わせて、日本語教師の皆さんのために「ホワイトボードによる教材動画」を作るサービスを始めたいと思います! ところで、いきなり「ホワイトボードによる教材動画」と言ってもイメージがわかないかもしれませんので、いくつかサンプルになる動画を貼り付けたいと思います。 こちらは、N5の名詞を紹介している動画です。 ナレーションは英

      • 小説「泡沫のエレジー」ー最終回

         満月が出ていたことが幸いして、あいつが海に飛び込もうとしたことはすぐにわかった。波に呑まれる寸前に腕を掴めたのは良かったが陸に上がるまで手間取ってしまい、やっとの思いで上がった頃、あいつは完全に息を止めてしまっていた。直ちに仰向けにし、気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫を行う。水を吐き、呼吸は再開されたものの、意識は失われたままだった。俺は体を震わせながら鞄から携帯電話を取り出し、大声で救急要請をした。  救急車は間もなく到着し、俺も低酸素症や低体温症が疑われたため共に病院へ搬送

        • 小説「泡沫のエレジー」ー10

           あいつとの一番古い記憶は、夕暮れのオレンジに染まる部屋に響く、美しくも哀しいピアノの旋律。 「ねぇ、それ、なんていうきょく?」  どうせわかりはしないのに、お気に入りのテディベアを抱きながら尋ねる傍らの幼馴染。指を止め、そちらを一瞥し、小さく溜め息を吐いてから俺は言った。 「ラフマニノフの幻想的小品集第一番、エレジー変ホ短調」 「エレジーって?」 「悲しみの歌。もともとは、死んだ人のために作られた曲のことだった」 「ふぅん。じゃあ、ヘンホタンチョーって?」 「残念ながら、音

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        ミカパンダの中学レベルからやり直す英語レッスン・はじめに

          小説「泡沫のエレジー」ー9

           レオナさん、おめでとう。私は聴くことができなかったけれど、きっと素敵な演奏だったのではないかと思います。さて、告白のことですが、今日から一か月以内に行ってください。期間内にしなかった場合は、私に譲ってくれたのだと思うことにします――それが、後夜祭の直後にリリアナから送られてきたメッセージだった。  とはいえ、文化祭明けの良介たちは全国大会に向けた練習のため多忙を極めていて、告白どころか弦楽部の練習時間の確保すら難しくなってしまった。その間、俺はまた一人で課題曲――中学の音楽

          小説「泡沫のエレジー」ー9

          小説「泡沫のエレジー」ー8

           いよいよ、一般客の入場時間となった。アーチをくぐってやって来たのは、保護者らしき中年の夫婦や近所の子供たち、受験を考えている中学生など、年齢層も性別も実に様々だった。  校門から昇降口までは屋台が数多く並んでいて、早速客寄せに励んでいる。校庭では、サッカー部の招待試合の準備が整っていた。 「十一時より、こちらで弦楽部のコンサートを始めます! よろしくお願いします!!」  周囲の勧誘に負けじと、俺たちも大声を出しながら道行く人々にチラシを配り続けた。花粉が飛んではいるものの、

          小説「泡沫のエレジー」ー8

          小説「泡沫のエレジー」ー7

           茹だるような暑さに耐えながら、アスファルトの上を歩く。シャツは汗でぐっしょりと濡れていて、背中に張り付くその感触がたまらなく不快だった。冷房で風邪をひかないようにしなければ、と思いながら校門を通り過ぎる。 「先輩、そんなこと言われてたんですか!?」 「そんなん、立派な宣戦布告やないか!!」  花火大会後の、良介のいない練習日。俺は、音楽室Cで彼らと向かい合い、リリアナに言われたことを話した。 「だから早く帰っちゃったんですね、気づけなくてごめんなさい!」 「いや、いいよ、謝

          小説「泡沫のエレジー」ー7

          小説「泡沫のエレジー」ー6

          「始めるぞ。準備はいいか」 「うん」  テストの日がやって来た。これをパスすれば、今日からカノンの練習に移れる。  外は蝉の大合唱。負けじと気を張り、構え、深呼吸をする。窓際に座っている吉川と渡邊も、緊張した面持ちで見守る。  視線を合わせ、頷く。良介の指が鍵盤を叩き始めると同時に、俺も弓を動かした。  集中しろ。ピアノの音を聴け。一つたりとも音を逃すな。特訓の最中、ひたすら良介に言われていたことを思い出す。  マンツーマンで教えてもらえることになって、心のどこかで都合のいい

          小説「泡沫のエレジー」ー6

          小説「泡沫のエレジー」ー5

           リリアナは俺たちと同い年だが、ストレートで入学しているため今年度から三年生になる。鳳凰には珍しくバレエ部が存在しており、そのエトワール――つまり、一番の実力者と謳われているほどの人材らしい。将来の夢は、言うまでもなくバレリーナ。  父親は有名企業に勤める日本人で、母親はウクライナ人。良介とはフランクフルトの日本人学校で出会ったそうだ。彼女も外見が原因で数少ないクラスメイトとうまくいっていなかったが、そんな孤独から救い出したのが良介だったという。 「ほら、良介くんって、ピアノ

          小説「泡沫のエレジー」ー5

          小説「泡沫のエレジー」ー4

           母にその思いを打ち明けた時、彼女は激昂した。性別を変えるなんて簡単に言うな、今のお前は冷静にものを考えられていない、もし彼が記憶を取り戻したらどうするつもりだ、大体うちに手術をする金なんてない――一時間ほど説教をされたが、俺の決意が揺らぐことはなく、遂には彼女の方が折れてしまった。 「……本当に、覚悟はできてるの?」  溜め息混じりに問う。視線を逸らすことなく、俺は強く頷いた。 「良介くんが過去のことを思い出しても、女としての体と生活が嫌になっても、もう男には戻れないんだよ

          小説「泡沫のエレジー」ー4

          小説「泡沫のエレジー」ー3

           その後のことは、断片的にしか覚えていない。勝手にピアノを弾いたことを注意しに来た教師が俺を見て狼狽え、良介はただの喧嘩ですと言って俺をその教師に託して出ていった。俺は保健室に連れて行かれて、嗚咽を漏らしながら母の迎えを待っていた。  母・霧崎雅(みやび)がやって来たのは、夜の帳が下りた後のことだった。 「隼人! ごめんね、遅くなっちゃって! さ、早く帰ろ? ねっ?」  パート先からダッシュで駆けつけてくれたのだろう。額から滝のように汗を流し、肩で息をしている。軽く茶色に染め

          小説「泡沫のエレジー」ー3

          小説「泡沫のエレジー」ー2

           帰国して、二学期から地元の中学に通う。あいつからその知らせが届いたのは、三年の夏休みが始まったばかりのことだった。  その頃の俺は、水泳部の活動に明け暮れていた。飛沫に反射する太陽の光は眩く、水の感触は火照った肌に心地良い。泳いでいる間だけは、暑さも蝉のやかましさも気にならなくなる。他の部活に比べたら、チームワークなんてものは気にしなくていい。何より、プールにいる間は無心になれる。唯一、自身に纏わりつく全ての糸から解放される貴重な時間だった。  だが、更衣室で着替える時、シ

          小説「泡沫のエレジー」ー2

          小説「泡沫のエレジー」ー1

          【あらすじ】  主人公は性同一性障害に悩む金髪碧眼の少年、霧崎(きりさき)・レオニードヴィッチ・隼人(はやと)。彼は幼馴染の真田良介(さなだりょうすけ)に恋をしていたが、良介は父親の仕事の都合でドイツへ渡った。  彼らが再会したのは、中学三年の夏。その時、隼人は良介に自身の恋心を打ち明けてしまう。  その後、二人は一度も話すことなく卒業を迎えた。ところが、春休みの最中、良介は交通事故に遭って記憶喪失になってしまう。  良介が自分の存在を、あの告白を忘れていたとしたら、自分は「

          小説「泡沫のエレジー」ー1

          小説「海を夢見た蛙(かわず)」ー最終回

           「面会希望の方。どうぞ、お入りください」  入室を促され、刑務官に会釈する。ガラス越しに見えたのは、囚人服に身を包んだ織田明姫の姿だった。彼女は、窃盗罪、贈収賄の罪、そしてチャイニーズマフィアへの誘拐の幇助の罪で受刑している。 「……あなたが今更、一体何の用?」  猫背になり、恨めしそうに上目遣いで睨んできた彼女。よく眠れていないのだろう、目の下に深い隈が幾重にも刻まれている。 「ちゃんと、聞いておきたかったんです。どうしてあなたが、タオファさんを困らせるために財布を盗み、

          小説「海を夢見た蛙(かわず)」ー最終回

          小説「海を夢見た蛙(かわず)」ー7

           「皆様、当機は間もなく離陸態勢に入ります。リクライニングシートとテーブルを元の位置に戻し、シートベルトをお締めください」  動き出した飛行機、響くCAのアナウンス。まるで初めて飛行機に乗った子供のように、緊張してしまう俺。まさか同じ飛行機にいないよな、と思って辺りをつい見回してしまう。 「ハルサン。怪しいでスよ」 「あ、ごめん」  小声で彼女から注意され、素直に従う俺。念のため、機内ではお互い偽名で呼び合うことにしている。それにしても、パスポートの姉の写真と今のタオファさん

          小説「海を夢見た蛙(かわず)」ー7

          小説「海を夢見た蛙(かわず)」ー6

           何とか自宅へ帰り着くと、先に帰宅していた姉貴とお袋が血相を変えて玄関から飛び出してきた。 「おかえり、春夜、タオファさん!!」 「お母さん、それ大きな声で言っちゃダメ!! とにかく早く入って、二人とも!!」  母を咎めつつ、姉が叫ぶように言って俺たちを家に入れ、ドアを閉める。深呼吸をし、両手を腰に添えてから、姉は続けた。 「ニュース、見たわよね? タオちゃん、事情は説明してくれる?」 「……ハイ、もちろんでス。心配おかけして、申し訳ございまセン」  気落ちしたような声と表情

          小説「海を夢見た蛙(かわず)」ー6