恋猫と 【シロクマ文芸部 エッセイ? 小説?472文字】

「恋猫と……」

 と、そこまで書いて手が止まった。恋してる猫なのか? 猫に恋してる人間なのか? 恋女房ってぇ言葉は聞いたことあるから、これは猫に恋しているほうなのかもしれない。

 猫に恋。

 愛猫家さんは時にそんな気持ちになるのかもしれない。だが、こちとら猫の子一匹いやしない者としては、その気持ち、なかなか推し量れるものではない。

 こっちは言葉であっちはニャー。こっちは二足直立歩行であっちは四本で軽やかに。こちらは階段で上るが、あっちはひょいひょいと自力で上へ。
 食べ物の好みも違うし、好きな遊びも違う。好きなアイドルにキャーキャー言っている時、あっちは「ばっかじゃねぇの?」ってあくびをかますんだろうなぁ。

 だけど、ふと触れてしまった時が問題だ。

 ぺんと尻尾ではたかれた時の毛並みの柔らかさとか。急に膝に乗ってこられたときのぬくみとか。それが、何度も何度も交わって、あるとき手放せなくなるのか。無意識に手探りしている自分に驚いたり、膝が芯まで冷え切ってしまったり。

 自分の生活を引っかき回されていないと落ち着かなかったり。

 ――ああ、これは恋だわ。



 初めて参加いたしました。いったい何を書いたんだろう(汗)
エッセイのような小説のような。気がついたらこんなことになってました。

小牧サマ、企画をありがとうございました。


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