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離れて暮らす親の介護をどうするか問題(7)〜ヘルニアと脱腸〜

肺炎も治ったことだし、そろそろ転院先を探しましょうと言われていた父。進行性核上性麻痺は治療法もなく治る病気ではないので、現在の入院先である一般の病院ではもうできることはないということらしい。胃瘻が必要なのかとも思ったけれど、結局、胃をとってしまっているのでその選択肢はなし、経鼻栄養ということになったし。しかし、ここにきて新たな問題が露呈。どうやら鼠蹊部ヘルニアがひどくなっていて、脱腸が起こっているらしい。「ヘルニア」というと、腰痛?くらいの知識しかなかった家族としては、医師から「脱腸」という言葉が出てきてびっくり。どうやら、腸の一部が押し出されてしまっているらしい。触ってもやわらかく(固くなっていない)、横になると飛び出した部分が引っ込むので、今すぐどうこうせずとも大勢に影響はない。でも、これが進んでしまうと、飛び出した腸が隙間にはまったまま、戻れなくなった嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態になり、痛みを伴い、最終的には腸が壊死してしまい命に関わる、と。手術をするのであれば、今が一番若いので体力的にも今ですよ、とのこと。

ようやく胃瘻・経鼻栄養関連の話が落ち着いたところでまた決断を迫られることに。父ははじめは恐いと言って嫌がっていたものの、医師や母の話を聞くとあっけなく意見が変わる。結局、実質的には母と私たち家族で決断をすることに。結論から言うと、手術はしないことになった。父は手術を恐れているようでもあったし、状況的にしなくても大丈夫でしょう、という医師の言葉もあったので。

あとは、療養型の病院に移り、そこでの生活を落ち着かせることに集中することになる。転院先は、今いる病院ほどリハビリを受けられないので、そこが心配ではあるけれど、それでも一番リハビリのオプションが多いところを選んだ。候補に上がっていた他の病院では、端的に言うと「おだやかに最期の時を待つ」と言うことに集中しているようで、リハビリは一切なしというところもあった。今回選んだ病院は、一応はリハビリがオプションにある。費用の面では一番高価だったけれど、父の病気は難病指定を受けているので、かなりの医療費を国に負担してもらえ、その他の自己負担分はなんとかなりそうだと目処がついた。

細かな不安や心配事は尽きないけれど、24時間体制でケアを受けられるような施設がみつかって本当によかった。退院して自宅に帰るなんてことになったら、いくら種々あるサービスを利用しても母の負担が大きすぎて母が倒れることになっていたと思う。今は、転院手続きがスムーズにすみ、父の新しい生活が落ち着くのを願うのみ。

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