うまくいかなすぎた恋 2話目
彼は説教たれて帰って行って、ホテルで一人取り残されたワタシ。
そういえば、私はお土産におふだ(厄除けや病気平癒などの祈願のための木の御神札)をあげていて、彼はそのおふだは大事に持って帰ったのを覚えている。
今考えるとおふだなんてものをあげた自分もコワイ(笑)
なぜそんなアイテムを……。
ひとり残されて、涙が止まらないまま。そして胸の痛みは消えないまま。
とりあえず翌日の朝帰れる飛行機を泣きながら探した。
二泊三日で来てたけど、翌日観光なんてできるメンタルではない。
かといってこんな所でふて寝とかしていたくない!
フロントのお姉さんに、消え入るような声で「明日帰らなきゃならなくなった」と電話した。お姉さんは本当にフツーの対応をしてくれた。それが逆にありがたかった。
翌朝、重い心と体で目覚め、「ああ、今日も生きてるのか……」と思った。
なんで私はこんなとこでこんな思いをしてるんだろう……。
生きてる意味あるんだろうか?
フロントのお姉さんはバス停までの地図をくれて私は空港に向かった。
空港に着いたら「ちゃんと何か食べなきゃ!」と思ってホットコーヒーとドーナツ食べよう、と思ったら自販でアイスコーヒーを買ってしまい、
こんなところでも私はダメなんだと情けなくなった。
食べてたら携帯に電話が来た。無視すればよかったのに!私は出てしまった。彼からで、高知に来てくれてありがとう、みたいな内容だった。
適当に返事をしてブチッって切った気がする。
今更うるせー。せっかくドーナツで生きのびようかなと思ってたのに、
水さすんじゃねぇよ!
飛行機の中では気休めの恋愛本をスマホで読んでいた。この頃私は恋愛中毒だったから。
家に帰って大泣きした。猫さんは隣にいてくれた。
何でこの歳でこんなにツライ恋愛をするんだろう!?
なんでこうなっちゃうんだろう!?
フツー、こんなこじらせる???
でもどこかで思っていた。「私らしい」と。
人生は思い通りにいかない。なんだかうまくいかない。
私はそういう星の元に生まれてる。
苦しんで苦しんでゲットするタイプなんだ……。
簡単に幸せになれない運命なんだ。
こんな信じ込みをギュッと握りしめていた。
今思えば。私はどうかしていた。
彼はとにかく色々病気がち。自分で「病気のデパートだからー」とか言ってたわ。面白くないと思ったけど。
それに、借金をしてたし、反社の家出身だったし、女性と住んでいた。
女性と住んでいた事は電話で聞いたけど、その子の事は好きでもなんでもなく、それはその子も承知してると言ってた。
ヤツはそこから東京の私の家に来ようとしていた。
それを私は「ウェルカム!」と思っていた。なんならその同棲の女性に、
優越感を感じたりして。
正気の沙汰ではない。
盲目どころじゃない。ラリってたのだろうか。
当時の私はド依存で、フツーじゃないことがイイ!と思っていた。
そもそもフツーなんてないのに。
相手は自分の鏡というけれど、私は完全に、自分のイカれた部分を反映させた相手を引き寄せている。
今思えば、彼もものすごい依存する人だ。
何かに寄生しないと生きられない。
私も同じようなもの。
与えるのは、「じゃあ代わり愛してよね」の意味だし、
私に何をしてくれる? 何買ってくれる? 何ご馳走してくれる?
の思考だった。
そして自分に向き合わず、自己犠牲して自分を痛めつけていた。
自分を傷つけてるから相手にも傷つけられる。
自分を雑に扱うから相手にも雑に扱われる。
この時の私はこんな法則があるなんてつゆ知らず、更に沼にはまっていく。
人生からのメッセージに気づかないと、こうなる。ズブズブズブ……。
次回は私が引き寄せた2つ目の恋のはなし。
たまごちゃんのあくび顔は鼻にしわが寄るところが好き💛
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