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12月の雨

荒井由実時代からずっとユーミンが好きだが、70年代の曲をあらためて今聞き返してもまったく古さを感じない。
どころか、歌詞の新しさに驚愕する。
「着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでます」と男を待ち続け
耐える女性の歌が大ヒットした時代の(1975年 「北の宿から」都はるみ)の3年も前に「返事はいらない」でユーミンはデビュー。
「ひとところにじっとしてると よけいなことも心配で 会いたくなるから」
と未練はあるが執着しない女性を歌った。
(1972年「返事はいらない」荒井由実)

1974年には2枚目のアルバム「MISSLIM」の中で
「時はいつの日にも友達 過ぎてゆくきのうを物語にかえる」とやっぱり別れた彼が恋しいけれど、前に進む女性を軽やかなリズムにのせて歌う。
(1974年「12月の雨」松任谷由実

いや「北の宿から」も素晴らしい名曲だけれど、彼と別れていつまでも引きずらない女性を描いて歌ったのはユーミンが初めてなんじゃないかと思う。
この時代の男性にとってはいつまでもオレを待っている女性がいるということが、誇らしいことだったのでしょうか。
世の中そんな女ばっかりじゃないからね、いやむしろ稀。
ユーミンの歌が支持される理由のひとつかもしれません。

あと振られた彼に久しぶりに偶然会った時、ずっとお洒落していたのに
その日に限って「安いサンダルはいてた」って歌詞、
その悔しさ、運命づけてしまうところ、もう堪らなくタマラナク好きです。
(1979年「DESTINY」松任谷由実)


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