海のまちが観光拠点に!須﨑大漁堂
高知市内から車で30分ほど西に走れば、高知県の中西部にあたる須崎市に入ります。野生のニホンカワウソが日本で最後に目撃された新庄川が流れる場所です。
今はゆるキャラグランプリにもなった「しんじょう君」の方が有名かもしれませんね。
温暖な気候にも恵まれ、かんきつ類の栽培やタイ養殖なども盛んな須崎市ですが、漁港に揚がった様々な魚が高知市内へも多く届けられます。
そんな須崎市の特徴を生かした新スポット「須﨑大漁堂」が中央商店街に誕生しました。
今回は、港町にオープンした観光拠点「須﨑大漁堂」を紹介します。
海の町から観光拠点へ!
かつては人口も多くにぎわっていた商店街も、高齢化や少子化の影響によりシャッターを下ろす商店が増えました。
何とかして以前のにぎわいを取り戻そうと始められたのが「海のまちプロジェクト」です。その一環として2022年12月「須﨑大漁堂」がオープンしました。
気軽に集える憩いスポット
須﨑大漁堂のコンセプトは人が集まるお堂で、外観の朱色をした木組みはまるで神社のようです。
店内へ1歩入れば不思議な空間が広がります。こちらのサイドボード、下が鏡になっているのが分かりますか?
何より圧巻なのが中央にある木です。「何の木ですか?」と尋ねると、丁寧に説明して下さったのは、食を探求して世界を飛び回る山本徹さんでした。
枯れたので伐採され、捨てられそうになっていた樹齢300年以上のクロマツを再生したというのです。木を守るために仕方なく皮をはがし、縁あって大漁堂にやって来ました。
しかし、店内で一番苦労した部分がこのクロマツの配置のようです。まずは木の位置を決めてから周りのテーブルを組み立てたそうですが、とにかく大変だったのはよく分かります。
何故なら、隠れた部分にもいろんな仕掛けが施されているからです。
根っこの部分、周りを鏡で囲っているが分かりますか?こんな仕掛け、見る側としてはうれしいですよね。
元金融機関の建物をそのまま利用
金融機関だった建物を利用した店内では、なごりが各所で見られます。
たとえば、こちらは厨房の入り口です。
以前はこの奥が金庫室だったようですね。おかげで厨房が狭く、限られたお料理しか出せないのだそうです。しかし、うまく活用すれば店内のデザインになりますよね。
階段の奥には金庫室に入る扉がありました。金庫室が何等かの事情により入室できなくなった場合に出入りできる非常用の扉なのだそうです。そんな扉があるのですね。
地元のアンテナショップ
店内では、四万十ヒノキや一閑張り、しょうゆなど地元地域で作られたものも多く販売されています。
大漁堂の店内はまるで宝箱!
高知県は温暖な気候にも恵まれ、冬でも温かく過ごしやすい地域なのですが、この日は前日の大雪でJRや高速道路も通行止めになり、道路わきにはまだたくさんの雪が残っている状態でした。
そのため、大漁堂へのお客様も少なく店内をじっくり見学できました。
店内には立派な欄間まであります。こちらも解体されたお家からいただいてきたもののようです。
須崎市では竹に斑紋の入った竹「トサトラフダケ」が生えています。この名付け親は2023年朝ドラの主人公となる牧野富太郎博士です。
高知では民芸品や工芸品などにもトラフダケが使用されています。
地元食材を使ったメニュー
看板メニューはオリジナルご当地カレーだったのですが、残念ながら時間が早すぎたため食べられませんでした。
今回いただいたのは、大漁堂チャウダーと帽子パンです。
大漁堂チャウダーは、須崎カンパチと地元野菜がたっぷり入った白みそ風味の優しい味です。
そして、高知県名物「帽子パン」なのですが、一般的なサイズはもう少し大きめで、周りが薄くパリッとした食感になっています。
この日、いただいた帽子パンはちょっと小さめサイズで回りもしっかりパン!という感じの帽子パンで初めてみるタイプだったので、つい購入してしまいました。
他にも11時30分からのランチでは須崎のサカナ盛り定食が食べられます。新鮮なお魚を刺し身でいただけるのはうれしいですね。
変わり続ける中央商店街
大漁堂から少し西の場所に、来春オープンをめざし「須崎のサカナ本舗」が建設されています。鮮魚が主役の食堂のようです。
須崎大漁堂「地域の食」をプロデュースされた山本徹さんのお話では、これからもっと中央商店街が変わる、須崎が変わるとのことでした。
いつもなら大勢の人でにぎわっているはずの大漁堂さんなのでしょうが、思わぬ大雪で私も今回、とても貴重なお話が聞けました。そして、これからの変わっていく須崎の商店街が今からとても楽しみです。
須﨑大漁堂
【住所】
高知県須崎市青木町1-19
【営業時間】
10時~17時
【定休日】
火曜日・水曜日
【アクセス】
公共交通機関
JR「須崎駅」より徒歩約8分
車「須崎中央IC」より約3分
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