![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/81039117/rectangle_large_type_2_b170d31395d16194c115d3dc33b42d68.jpeg?width=1200)
刻々と進みゆく時間。
身体を痛めてしまってから、
それまで考えたこともなかった色んな事を
改めて感じるようになった。
一番大きく変化したのは、
「身体」への意識。
手が動くこと。足が動くこと。
歩けること。
物を掴めること、持てること。
こんなにも、こんなにも、
尊いものだったと、知った。
身の回りにある全てが、
当たり前のものなんて、
1つも無かったんだね。
*
未来を案じて過ごす時間が、
何もしない今日を創る。
そして、
今日も何もしなかった…と、
思う瞬間、
時間とは、なんだろうか?
と、つくづく思う。
*
沢山のものを詰め込むこと、
何か、新しいものを得ていくことが、
どこか正しいと信じていた時には、
見えなかったパラレルワールドみたいに、
時空の狭間に、
迷い込んだ気持ちにもなる。
ここは…どこだろう?
「時間感覚」というのは、
音楽の学びの中では、
結構大切な学びに思える。
たった1音の響きの中で、
時空を超える…
2つの音を鳴らすだけで、
流れてゆくテンポ感が決まる。
アンサンブルの伴奏の場合、
これが意外と奥深い。
相手の音を聞き過ぎれば、
流れは後手後手になってしまう。
合わせ過ぎることが、
合わせることでもない、難しさがある。
音になる前に、
見えない拍感を心の中で、
共有する。
稀にお互いのシンクロを
感じられた時には、
奇跡のような体感が訪れる。
ミクロの世界も、マクロの世界も、
音によって旅をする。
もちろん、色んな音楽があるのも、
否定しないし、
あくまでも、
私が信じて学び続けてきたものに対する、
私なりの解釈に過ぎないけれど…。
1つだけポーーーン…と鳴らして、
自分の呼吸が聞こえるくらいに、
じっとする時間体験って、
結構、贅沢なのかもしれない。
自分の中に、じわじわと
何かが沁み込んで来るのを、
待ってみる…。
本当に大切だったのは、
苦しさを感じるほどに追い詰めるより、
小さくても、ゆっくりでも良いから、
一歩一歩、進み続けることだったのかなって、
最近ちょっぴり思う…。
*
もっと若かった時には、
未来が明るかったのに、
それほど希望は持てなかった。
でも、今思うのは、
その苦しさにも、
ちゃんと理由があったということ。
今の時代には、
家から一歩も出なくても、
知りたいものを、ほぼ無償で、
無限に学ぶことが出来る。
地球の裏側の人々の生活や、
知り得なかったリアルな感想や傾向まで、
色んな動画で、色んな価値観を、
知ることができる!
努力の方向性が間違っているというのは、
批判でも、否定でもなく、
光合成したいお花や葉っぱに、
良かれと思って、日傘をさすような、
ものなのかもしれない。
水をあげすぎれば、根腐れしてしまう。
でもそのことにさえ、
人は時々、気付けないもの…。
*
私の中で、一番変わった事は、
多種多様な価値観や物事について、
以前より受け入れられるように、
なったことかもしれない。
傷を負うことも、痛みを感じることも、
もちろん哀しい…。
けれど、時間は戻らない。
祈りも届かない…
…ようにさえ、思える。
「なぜ?」と問いても、
答えのない日々。
それでも、生きている限り、
時間が流れ続ける。
その体感速度は、一定でもない。
恐ろしいほど長い1日があれば、
飛ぶように過ぎる1日もある。
どちらも、過ぎた後に振り返ると、
あんなに目の前にあったのに、
もう触れられない時間となって、
心の中に降り積もっていく。
目にするもの、耳に聞こえたもの、
膨大に積み重ねられた時間の、
僅かな一部分しか、
記憶の中には残らない。
使われなかった機能については、
退化してゆくのが生命体らしい。
時間とは、なんだろう?
きっと、そう思えることが、
生きている証。
忘れたいことも、
覚えていたいことも、
時と共に、流れてゆく。
どんなことも、経験しなければ、
わからないというのは、
皮肉なことだと思うけれど、
その学びを活かして、
次の世代に伝えることで、
人類は進化してきたのだとも思う。
体系化された知識は、
義務でも何でもなくて、
過去の人々が見つけてきた、
努力の結果や遺してくれた恩恵なんだろう。
その触れられる、学べる範囲が、
かつては環境によって全然違ったというのは、
仕方のないことでもある。
誰もがエリクソンの発達理論や、
エビングハウスの忘却曲線を、
知っていた訳でもないのだから…。
沢山ある情報の中から、
本当に必要なものを選び取ることも、
その選択そのものに
知識と経験を必要とするのだから…
色んなことを、
時の回想とともに思う。