[詩みたいな物] 無機質
なまぬるい。
空の濁った色が
体温が
揃って冬眠から覚めたように、
のこのこと街行く人々のその歩き方が
適当に置いてある重なり合う、
自転車たちの横から見た雑然さが
なまぬるくて
思わず左に首を少し傾けて顔をしかめた。
この街には自分。
囲まれているようで、誰も
鬱陶しさをただで引き受けるような人はいない
自分と
重なりあうような、孤立したような
意味の
ないような、あるような
人間達と自分。
そんな孤立した、
そのなまぬるさが
心地よく心地わるく、実際若干
きらいでは、ない。