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【普段はヒマなんでしょ?】法事やお葬式の他にお坊さんがしている仕事

『お坊さんの仕事』と聞いて多くの人がイメージするのは、お葬式や法事で【お経を読むこと】でしょう。

しかし、【お経を読むこと】以外となると、なかなかイメージできないと思いませんか?

せいぜい【掃除】くらいでしょう。

そのため「お坊さんは、お葬式と法事のとき以外はヒマなんでしょ?」なんて思っている人も多いです。

あまり表には出ていませんが、お坊さんは意外とやることがあります。

そこで、この記事では『お坊さんが普段は何をしているのか』について詳しく解説しています。

普段のお坊さんの様子に興味がある方は最後まで読んでみてください。


お坊さんは【普通の生活】をしている

お坊さんは特殊な生活をしているように思われることもありますが、基本的には多くの人と同じような普通の生活をしてます。

ずっと座禅をしているわけでもなく、一日中お寺の本堂にこもっているわけでもありません。

テレビを観たり、パソコンやスマホでいろいろ調べたり、時間があれば買い物とか旅行もします。

それに、お坊さんだって食事のときには肉や魚を食べているんです。

さらには、ちゃんと妻子だっていますからね。

子どもがいるということは・・・愛する妻とそういうこともしているわけです。

なので、お坊さんというのは特殊な生活なんてしておらず、面白くないほど普通の生活をしています。

法事やお葬式の他にお坊さんがしている仕事

ここからは、普段のお坊さんがどんな仕事をしているかを紹介します。

■お寺の敷地内の掃除や植栽管理

お坊さんは、毎日のようにお寺の敷地内の掃除をしています。

お寺にはたくさんの『木』があるので、季節ごとに葉がいっぱい落ちます。

それを放っておくと敷地内が落ち葉だらけになるので、ちゃんと掃除をしなきゃいけません。

もしかしたら「落ち葉が少ない木(=常緑樹)を植えたらいいのに。」と思うかもしれませんが、常緑樹は落ち葉の量が少ない代わりに一年中ずっと葉が落ちるんですよね。

だから、落ち葉が1つも無い日なんてほぼありません。

また、背の低い樹木や小さな植木などは、自分で切りそろえる程度のことはします。

もちろん何メートルもあるような大きな木とかは業者さんに依頼しますが。

植栽管理をすべて業者さんに依頼したらとてもお金がかかるので、お坊さんはできるだけ自分でやらなきゃダメなんですよね。

なので、ほとんど一年中、お坊さんはお寺の敷地内の掃除や植栽管理をしています。

さらに、春先からは『雑草』がグングン伸びてきます。

それを放っておくと敷地内が雑草だらけになるので、ちゃんと除草をしなくてはいけません。

とはいえ、すべての雑草を手で抜いていたらキリがありませんので、手作業のところと除草剤を使うところに分けています。

■接客や電話対応

お寺にいると、毎日のようにお客さんが来ます。

基本的には、みんなお墓参りのために来ますが、他には【法事の申込み】をしに来たり、お盆の前などは【行事の申込み】に来る場合もあります。

もちろん、ただ何となくお寺に寄ったという人もたくさんいますよ。

そのような信者さんへの接客もお坊さんの大切な仕事です。

お坊さんというのは【人気商売】の面もありますから、接客に手を抜くことができないんですよね。

そして、お寺には毎日のように電話も来ます。

信者さんからの問い合わせや申込み、付き合いのある業者さんからの連絡、そして迷惑な営業電話など、電話の内容はいろいろです。

ちなみに、営業電話は非常にうっとうしいんですけど、事前に回避することはできないんですかね?

営業電話に関する良い対策があったらぜひ教えてください。

■勉強

お坊さんは、仏教をできるだけ多くの人に広め伝えるのが本来の仕事です。

お釈迦様の教えは非常にたくさんあるので、お坊さんはそれらを勉強しなきゃいけません。

でも、お釈迦様の教えに対して、いろんな人がいろんな解釈をしていて、それがやたらと難しいんですよね。

本を読んでもサッパリ分からないのですが、それでも頑張って勉強しなきゃダメなんです。

それに、勉強するのは仏教のことだけではありません。

一般教養はもちろん、今後はITのことも知っておかないとダメですよね。

あとは、伝え方の勉強も大事です。

人に話を聞いてもらって、内容を理解してもらうのは本当に難しい。

お坊さんになって20年以上、これまでいろんな話をしてきましたが、どうやって伝えようか今でも悩みます。

なので、お坊さんは時間があれば積極的にいろんな勉強をしなくてはいけないんです・・・本当はね。

■お寺の経理

普通のお寺は、住職とその家族の数人で運営していることがほとんどです。

だから、会社のように経理部なんかはなく、多くの場合は住職がお寺の経理を担当します。

昔のお寺の経理はけっこう【雑】だったので、いわゆる『どんぶり勘定』でした。

本来であればお寺の収入として計上しなきゃいけないものを、そのまま住職の財布へ入れてしまうことも多かったようです。

だから、いろんな人から【坊主丸儲け】なんて言われました。

しかし、今はそういうわけにはいきません。

ちゃんと管理をしないと、税務署から目をつけられて熱烈指導を受けるハメになります。

とはいえ、住職という仕事は【お寺の支出】と【個人の支出】の線引きがけっこう曖昧なんですよね。

ですから、お寺と税務署との『見解の相違』でモメることもしばしば。

ですから、最近では住職さんたち自身も経理について勉強するようになり、昔のような『どんぶり勘定』ではなくなっています。

■法事の準備

ほとんどのお寺では、土・日・祝日に『法事』が入っています。

法事をするためには、

  • 本堂、参列者の控室などの掃除やセッティング

  • 塔婆を書く

  • お花の手配

  • 石材店への手配

などの【法事の準備】をする必要があり、これが地味に時間をくうのです。

そして、法事は毎週のようにありますから、準備も毎週やることになります。

ちなみに、『塔婆(とうば)』というのは、よくお墓の後ろに建っている【木の板】のことです。

塔婆には墨汁で文字を書いていますから、墨を乾かす時間が必要です。

なので、もしもあなたが法事の塔婆を用意してもらうときは、必ず法事の一週間くらい前までに依頼をしておきましょう。

■お葬式の準備

お寺と付き合いのある信者さんの家で不幸があれば、そのときはお寺に【お葬式】の依頼が入ります。

お葬式は、亡くなってからだいたい2〜4日以内に行われますので、急いでお葬式の準備をしなくてはいけません。

まずは、喪主(信者さん)と打ち合わせをして、そこから故人の『戒名』を考えて、白木位牌などの書き物をします。

お坊さんにとってお葬式の準備で大変なのは【書き物】です。

都心部であれば簡略化が進んでいて書き物は少ないのですが、他の地域では【昔ながらのやり方】をしているところも多いので、いくつも書き物があるんですよね。

また、書き物の他には、台帳やパソコンデータの更新など事務作業もあります。

■行事の準備

お寺というのは、一年を通じていろんな行事があります。

例えば、

  • 花まつり

  • お盆

  • お彼岸

  • 除夜の鐘&新年の挨拶回り

  • 節分

などです。

お寺によっては、これら以外の行事をしているところもあるはずです。

行事って、とにかく準備に時間がかかります。

どれも2ヶ月前くらいから準備を始めていないとダメなんですよね。

なので、一年中のほとんどが何らかの行事の準備をしているのです。

また、お寺の運営というのは『地域密着型』ですから、お寺の行事だけではなく、地域の行事にも積極的に参加しなくてはいけません。

そして、お寺の住職はだいたい何らかの重要な役割を担当することになります。

そうなると、お寺の仕事だけをやっているわけにもいきません。

地域の行事の準備は、お寺の行事のときとは全然違いますので、慣れるまでは大変なんですよね。

しかし、大変な分だけお寺の存在をアピールできるので住職さんたちは頑張っているのです。

■人によっては『講演』

お坊さんの中にはとても話の上手な人がいます。

あるいは、とても知識が豊富で本を出すようなお坊さんもいます。

そのようなお坊さんたちには『講演』の依頼が来たりするんですよね。

講演となると、長時間いろいろと話をしなきゃいけないわけですから、それに向けての準備も時間がかかります。

お寺の仕事をしながら講演の準備もするとなるとかなり忙しいはずです。

ですから、実際のところ、講演を依頼されるような優秀なお坊さんには、なかなか会うことができません。

■複数のお寺を管理しているお坊さんもいる

お坊さんというのは、1つのお寺だけを管理しているとは限りません。

じつは、複数のお寺を管理しているお坊さんもいるのです。

というか、そういうお坊さんはかなり多いです。

僕が知っているお坊さんの半数以上は複数のお寺を管理していますよ。

ちなみに、複数のお寺を管理する場合、メインのお寺以外のお寺を『兼務寺(けんむでら)』と言ったりします。

兼務寺があると大変です。

兼務寺が1つあるだけで、単純計算ですが仕事が2倍になっちゃうわけですからね。

住職さんの姿をあまり見ないようなら、もしかすると他に兼務寺があるのかもしれませんね。

■霊園を管理しているお坊さんもいる

ここ数年で、いろんなところに霊園ができています。

多くの霊園では、宗教や宗派に関係なく自由にお墓を建てられます。

宗教や宗派が関係ないということは、面倒くさい【お寺とのお付き合い】をせずにお墓を持つことができるんです。

そのため、「お寺との付き合いはイヤだ!お墓だけがあればいい!」という人にとっては霊園一択なんですよね。

そんな便利な霊園ですが、じつは霊園を管理するためには『宗教法人が管理主体となる』という決まりがあります。

霊園はお墓を扱うので、会社のように「倒産しましたから、もうこれで終わりです。」というわけにはいきません。

ですから、税制面で優遇されて会社よりも長く存続できる宗教法人がずっと面倒をみていきなさい、ということなんですよね。

なので、お坊さんの中には、霊園を管理しているお坊さんもいます。

ちなみに、僕のいる寺でも霊園を管理しています。

霊園の管理というのは意外と大変なんですよ。

霊園は土地が広いので、当然ながら掃除や植栽管理が大変です。

それに、いろんな宗教や宗派の人を受け入れるわけですから、霊園側も宗教や宗派について最低限のことは知っておかなきゃいけない。

そして、霊園にお墓を建てる人は、基本的に【宗教に無関心】な人たちが多いです。

だから、お墓参りをせずに放置しちゃう人も多いんですよ。

しかも、そのような人たちは年間の管理料を滞納することが多いんです。

そのため、管理料の督促なんかも霊園管理者であるお坊さんの仕事となります。

お坊さん以外の仕事をする人が多い

お坊さんが日頃何をしているかをよく知っている人はごく少数です。

それはつまり、多くの人はお寺に行ってもお坊さんの姿をあまり見ることがないってことですよね。

じつは、お寺に行ってもお坊さんの姿が見えないというのは珍しいことではありません。

というのも、お坊さんの中には『お坊さん以外の仕事』をしている人も多いのです。

そのようなお坊さんは、土日祝日は法事があるのでお寺にいますが、平日は【お坊さん以外の仕事】をしています。

じつは、たくさんいるお坊さんの中で【お坊さん以外の仕事もしている人】の割合は非常に多くて、その割合はなんと70%!

つまり、多くのお坊さんは他の仕事をしなきゃ生活ができない、ということなんです。

よく、【坊主丸儲け】なんて言われますが、それは昔のお坊さんの話。

今のお坊さんたちは事情がまったく違うんですよね。

じゃあ、残り30%のお坊さんがみんな余裕のある生活ができるかというと、そんなこともないのです。

お寺の仕事だけで余裕のある生活ができるのは、残り30%の中でもさらに【ほんの数%のお坊さん】だけなんですよ。

たまに「お坊さんはお金持ちだし、私は坊さんと結婚したいな♪」なんて言う女性がいますが、それは絶対にヤメた方がいいです。

まず、ほとんどのお坊さんは【お金持ち】ではありませんし、その他の理由でもお坊さんは絶対に結婚してはいけない相手なのです。

お坊さんの収入なんて、みんなが想像するよりずっと少ないので、他の仕事もしているお坊さんに対して「まったく、住職のくせに全然お寺にいないじゃないか!」なんて責めないであげてください。

住職にずっと寺にいてもらいたいなら、お寺へ継続的に多額の寄付をしてあげましょう。

まとめ:お坊さんは、お葬式や法事の他にもたくさんやることがあります。

お坊さんは、お葬式や法事の他にも意外とやることはあります。

例えば、

  • お寺の敷地内の掃除

  • 接客や電話対応

  • 勉強

  • お寺の経理

  • 法事の準備

  • お葬式の準備

  • 行事の準備

  • 人によっては『講演』

  • 複数のお寺の管理

  • 霊園の管理

などです。

ヒマそうに見えるかもしれませんが、何気にいろいろとやっています。

しかし、多くのお坊さんが普段やっているのは『お坊さん以外の仕事』で、お坊さんの70%は、お寺の収入だけでは生活できないのです。

本当にヒマなお坊さんもいるのですが、多くのお坊さんは意外と忙しいということを知っていだだきたいなと思います。

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