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えっ、仏教の言葉だったの!?『うろうろ』の本当の意味

大型ショッピングモールに行ったときは、いろんなお店を見て回りますよね。

特に何も買うつもりがなくても、

  • 「何か新作が入ってないかな?」

  • 「あれっ?ここのお店無くなってるやん。」

  • 「あっ、そうや。ついでにあのお店でアレも見に行ってみよう。」

  • 「うわっ、ついこの前買ったのと同じモノが安くなってるやん!もう少し待っとけばよかった〜。」

みたいなカンジで、ただ見ているだけでも十分に楽しめますよね。

大型ショッピングモールだったら1日中ずっといても飽きないくらいメッチャ楽しい♪

・・・と、僕の妻は言ってました。

妻がいろんな店を見て回っている間、僕は妻とは別行動でヒマつぶしにショッピングモールの中をうろうろしています。

ところで、この『うろうろ』という言葉、じつは仏教の言葉なんです。

日本語にはたくさんの【仏教由来の言葉】がありますが、『うろうろ』もその1つです。

当たり前のように使っている言葉ですが、その本当の意味を知っている人はあまりいません。

この記事では『うろうろ』という言葉の本当の意味について書いています。

最後まで読んでいただければ、うろうろする回数が減るかもしれませんよ♪


『うろうろ』の本当の意味

あちらこちらへ行ったり来たりすることを『うろうろする』と言いますよね。

僕が子どもの頃には父親から「もうっ!うろうろせんとジッとしてろや!」なんてよく叱られました。

そして、大人になった僕は同じ言葉を我が子に言ってましたねぇ。

じつは、この『うろうろ』というのは、有漏(うろ)という仏教の言葉からきているんです。

『有漏』とは、簡単に言うと【たくさんの欲望がある状態】をいいます。

仏教では、いろんな欲望が次々とあふれ出てしまうことを【漏】といいます。

そのような【漏】が【有る】状態のことを『有漏』というんですね。

私たちは、「あぁ、コレが欲しいなぁ。あっ、アッチのやつも可愛い♪」みたいなカンジで、あちらこちらへと欲望のままに行動することがありますよね。

そんな時って、あちらで『有漏』こちらでも『有漏』という状態なわけです。

だから、あちらこちらと動き回ることを『有漏有漏=うろうろ』と言うのです。

つまり、『うろうろ』の本当の意味は、【欲望のままに行動し続けている状態】のことをいいます。

仏教では、悟りを得るためには【欲望】を無くすことが必要だと考えているため、私たちのように『有漏』である限りは悟りを得ることなんかできません。

一方で、仏様は私たちみたいに欲望があふれ出すことがなく、私たちのような『有漏』とは正反対の状態です。

仏様みたいに【欲望が無い状態】のことを『無漏(むろ)』といいます。

私たちがいろんなことで苦しむのは、次々とあふれ出てくる欲望が原因です。

だから、苦しみが少なく心安らかに過ごすためには、できるだけ欲望の無い状態にしなくてはいけません。

ですから、仏教というのは、『有漏』から『無漏』へ移行することを目的とした教えなのです。

【うろうろ】した結果、僕は後悔した。

先日、いつものようにショッピングモールで妻が買い物をしている間、僕は別行動で同じくショッピングモール内をうろうろしていました。

べつに何も買うつもりなんてありません、本当にただうろうろしていました。

そこで、僕はあるメンズファッション店に入りました。

Tシャツが欲しかったことを思い出したので、棚に並べられたTシャツを何となくを見ていました。

すると、

店員:「よろしければ手に取ってご覧になってください。ご希望のサイズがあればご用意いたしますんで♪」

僕:「あ、はい。」

僕はいつものように軽く返事をし、再び商品を見ていました。

店員さんも僕に声をかけた後は【つかず離れずの距離】を保ちながら、何やら作業をしています。

作業をしながらも店員さんは僕の動きに注意しています、もう完全にロックオンの状態。

僕が商品を見ていると、そこに真っ赤な色をした派手なTシャツがありました。

僕:(いや~、これまたずいぶんと派手なTシャツやな・・・。)

あまりに目立っていたので、思わずそのTシャツをジッと見つめてしまいました。

店員:「そちらは昨日入荷されたばかりなんですよね。」

僕:「あぁ、そうなんですかぁ。(ふっ、オレは新しいものにすぐ飛びつくほどアホやないでぇ。)」

店員:「【赤】って色としては派手なように思えますけど、上下の組み合わせによっては意外と気にならないんですよ♪」

僕:「へぇ、そういうものなんですかぁ。(ウソつけっ!こんなもん、どう組み合わせたって目立つやないか!)」

店員:「じつは、【赤】って誰でも似合う色じゃないんですよ。着る人の肌の色とか、あと正直言うと体型なんかも関係しますね。」

僕:「えっ、そうなんですか?(ホンマに?じゃあ、赤って【着る人を選ぶ色】ってことなん?っていうか、それをオレに言うってことは、オレには似合うってこと?)」

店員:「そうなんです。だから、こんなこと言ってはアレですが、私も【赤】だけは『おすすめできるお客様』と『そうでないお客様』がいると思ってるんですよね。」

僕:「ふ~ん、そうなんやなぁ。(そうか、この色でもオレなら着こなせるってことか・・・。)」

店員:「あと、こちらのTシャツは最近特に人気のメーカーさんなんですよねぇ。」

僕:「へぇ~。(そうか、みんなが認めるメーカーの製品でもあるんやな。アカン、なんかちょっと欲しくなってきた。)」

店員:「人気のメーカーさんは次にいつ入荷されるか分かりませんので、もしも気になるようでしたら今のうちにどうぞ♪」

僕:「ははっ、そうですね。(おい、ヤメろや!そういう『買うなら今がチャンス』みたいなこと言うなって!!アカン、めっちゃ欲しい・・・。)」

店員:「それでは、どうぞゆっくりご覧になってくださいね。」

僕:「はい・・・。」

僕:「・・・・あの、すみません。・・・コレ・・・ください。」

店員:「はい。ありがとうございます♪サイズのほうはコチラで大丈夫ですか?」

僕:「あ、はい。大丈夫です。」

店員:「他に何かご覧になるものはありますか?」

僕:「いえ、ないです。」

店員:「かしこまりました。ではレジまでお願いします。」

こうして、僕は真っ赤なTシャツを買って帰りました。

帰宅後に僕は、「・・・やっぱり派手すぎる。これは・・・着られへんわ。」と我に返りました。

もちろん妻にも、「なぁ、アンタさぁ、こんなんどこで着るん?」と呆れられる始末。

愚かな僕は、着ることもないような真っ赤なTシャツを店員さんの販売力であっけなく買わされてしまったのです。

本当は真っ赤なTシャツなんて買うつもりがなかったのに、いつの間にやら自分の中でいろんな【欲望】が膨らんでしまい、結果的にものすごく後悔するハメになりました。

まとめ:『うろうろ』するのは【欲望だらけである証拠】です

私たちはつい、あちらこちらと『うろうろ』してしまいます。

それは、「アレも欲しい。コレもいいな♪」と、自分でも気がつかないうちに【たくさんの欲望があふれ出ている状態】なんです。

仏教には、『たくさんの欲望がある状態』を意味する【有漏(うろ)】という言葉があります。

『うろうろ』というのは、この【有漏】からきている言葉です。

私たちが『うろうろ』してしまうのは、欲望のままに行動してしまっているからです。

つまり、『うろうろ』している時は、その人が【欲望だらけである証拠】なんですね。

だから私たちは、できるだけ『うろうろ』しないで、1つの目的に向かって一直線に進むことが大事なのです。

最後に、『なぞかけ』を1つ考えてみました。


【ショッピングモールでの僕】とかけまして、

【メンズファッション店の店員さん】とときます。


その心は、


どちらも、『うろうろ』(僕:有漏有漏・店員:売ろう売ろう)としていました。

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