見出し画像

ペットが亡くなったら、その後は何をしてあげればいいの?

すべての生命は、いつか必ず終わりを迎えます。

長年ずっと【家族の一員】として一緒に過ごしてきたペットも、いつかはお別れをしなくてはいけません。

愛するペットが亡くなったら、最後にできる限りのことはしてあげたいですよね。

しかし、何をしてあげたらいいのかよく分からないことでしょう。

この記事では、

  • ペットが亡くなった直後にやってあげること

  • ペットの火葬の方法

  • ペットの遺骨をどのようにしてあげるのがいいか

について書いています。

亡くなった愛するペットを送り出してあげられるのは【たった1度】だけです。

後悔をしないように、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。


手足をたたんだ姿勢にして、体を拭いてブラッシングしてあげる

ペットが亡くなってしばらくすると『死後硬直(しごこうちょく)』が始まります。

『死後硬直』というのは、死亡後に筋肉が硬化することで、人間が死亡したときにもおきる現象です。

ただし、ペットの場合は人間よりも早く硬化し始めます。

ペットの場合は、亡くなって2時間後くらいから『死後硬直』が始まってしまうんですよね。

『死後硬直』によってペットの手足が伸びたまま固まってしまうと、遺体を棺や段ボールにうまく納めることができません。

なので、ペットが亡くなったら、できるだけ早く、

  • まぶたを閉じてあげる

  • 手足をお腹側にたたんであげる

ようにしてください。

ペットの姿勢を整えてあげたら、次にペットの体を全体的にキレイに拭いてあげてください。

体を拭いてあげたら、その後は全体的に優しく丁寧にブラッシングして毛並みを整えてあげましょう。

遺体を保冷しながら安置する

ペットも人間も、死亡したら徐々に遺体が腐敗していきます。

これは私たちが【生き物】である以上どうしようもありません。

しかし、腐敗を遅らせることはできますので、遺体をキレイに残しながら安置する方法を紹介します。

■排泄物や体液が出ないように、口・鼻・肛門を脱脂綿などでふさぐ

ペットも人間も、死亡すると、口・鼻・肛門などの【穴】になっている場所から排泄物や体液が出てきます。

それを放置すると遺体やその周りを汚してしまいます。

ですから、まずは、排泄物や体液が出ないように口・鼻・肛門を脱脂綿などでふさぐようにしましょう。

愛するペットの遺体ですから、最後までキレイな状態に保つように注意してあげてくださいね。

■遺体を【ペット用の棺】または【段ボール】に納めてあげる

人間が亡くなったら、遺体を【棺(ひつぎ)】に納めます。

それと同じように、ペットが亡くなったら、遺体を【ペット用の棺】または【段ボール】に納めてあげましょう。

ペットの遺体を火葬しようと思っているのなら、火葬場まで運ぶために何らかの箱へ納めてあげる必要があります。

遺体を納めるものは何でもかまいませんが、【ペット用の棺】または【段ボール】のどちらかがいいですよ。

なぜなら、どちらも《軽量で丈夫な箱》だからです。

とはいえ、本音を言うと【ペット用の棺】に納めてあげてほしいですけどね。

ペットは大事な家族の一員ですから、ちゃんと【ペット用の棺】に納めてあげるのがペットに対する愛情表現であり礼儀かなと思います。

ですから、【ペット用の棺】が用意できるまでは仮の棺として【段ボール】を使うとよいでしょう。

そして、【ペット用の棺】や【段ボール】を用意したら、その中にはペットシートを敷いておきます。

ときどき、遺体から排泄物や体液が出てしまうことがあるので念のためにペットシートを敷くのです。

ペットシートを敷いたら、その上に遺体を寝かせてあげてください。

■遺体の背中と腹部の付近に【ドライアイス】を置いて冷やす

ペットの遺体を【ペット用の棺】または【段ボール】に納めてあげたら、遺体の背中と腹部の付近に【ドライアイス】を置いて冷やしてあげましょう。

遺体をキレイに保つには、とにかく冷やしてあげることが大事。

ちゃんと冷やしてあげないと、どんどん腐敗が進んでしまうので要注意です。

ですから、遺体を冷やすためには基本的に【ドライアイス】を使用してくださいね。

他の意見として「保冷剤を使って冷やしてあげましょう。」と言う人もいます。

小さな動物だったら保冷剤でもいいですが、犬や猫くらいの大きさの動物となると、保冷剤ではなくドライアイスの方がいいと思いますよ。

ただし、ドライアイスは遺体に直接当てず、布や紙に包んでから遺体の背中と腹部へ当てるようにしてください。

このときに、包んだドライアイスと遺体をバスタオルなどで巻いて密着させるとさらに保冷効果がありますよ。

背中と腹部の付近にドライアイスを置いたら、顔が出るようにして遺体にバスタオルをかけてあげましょう。

あとは、ペットの遺体を安置する場所にも気をつけてください。

遺体を安置する場所は、直射日光の当たらない風通しの良い場所、要するに『涼しい場所』を選びましょう。

さらに言うと、亡くなった時期が真夏の場合は必ず冷房の効いた部屋に安置するようにしてください。

遺体はとにかく冷やすことが大事です。

ペットのお葬式はした方がいいの?

人が亡くなると親戚や知人などが集まって【お葬式】をします。

しかし、ペットが亡くなった場合は、人間と同じようなお葬式をすることはありません。

ただし、ペット専用のお葬式というのはありますので、それをするかどうかは家族の自由です。

とはいえ、「すぐに火葬してしまうのは、やっぱりかわいそうだ。」という人が圧倒的に多く、そのような人のために最近では『ペット葬儀』の専門業者があります。

『ペット葬儀』では、人のお葬式のようにお坊さんが来てお経を読んでくれることはありませんが、

  • 末期(まつご)の水

  • 身体のお清め

  • 数珠の授与

  • 焼香

  • 献花

など、簡単な【お別れ式】のようなものを執り行ってから火葬をします。

ペット葬儀の費用は業者によってだいぶ違いますが、だいたい1万円~10万円程度が相場です。

愛するペットとの最後のお別れですから、できるだけペット葬儀をしてあげてはいかがでしょうか?

火葬をする

ペットの火葬は『ペット葬儀』の専門業者でやってもらえます。

ペットの火葬方法には、

  • 合同火葬

  • 一任個別火葬

  • 立会個別火葬

の3つがあります。

愛するペットをどのように火葬してあげるのか、家族でよく話し合って決めましょう。

また、ペットの火葬は専門業者以外に【公営の火葬場】でもしてもらえますよ。

人が亡くなったら、多くの場合は【公営の火葬場】に搬送して【人間用】の火葬炉で火葬をしますが、じつは、同じ施設内に【小動物用】の火葬炉を設けているところも多いんです。

なので、火葬だけをしたい場合は、予約をしてから公営の火葬場までペットの遺体を運んであげればOKです。

ただし、公営の場合は【合同火葬】が多いので、個別火葬を希望するなら専門業者へ依頼した方がいいですね。

■合同合葬

ペットの火葬方法の1つに【合同火葬】があります。

合同火葬とは、その名のとおり『他の家のペット達と一緒に火葬する』というものです。

飼い主は、ペットの遺体を業者へ渡したら、その後はもう何もすることはありません、というか何もできません。

一般的に、火葬後のペットの遺骨は、業者と提携している寺院などの合葬墓へ埋葬されます。

しかし、その様子を飼い主が見ることはできません。

ですから、【合同火葬】は費用が安くすみますが、愛するペットの遺体がどのように扱われ、どのように供養されているのか分からないんですよね。

合同火葬は、完全に業者任せでとてもラクですが、ちゃんと信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

■一任個別合葬

飼い主の中には、「合同火葬ではなく、愛するペットだけのために火葬をしてほしい。」という人も多くいます。

合同ではなく個別に火葬することを個別火葬といいます。

個別火葬には、

  • 一任個別火葬

  • 立会個別火葬

があります。

一任個別火葬とは、他のペットと一緒には火葬をせず、収骨などは業者に任せるという形式の火葬です。

ですから、ペットの遺体を業者へ預けたら、火葬後は遺骨が骨壺に入って返ってきます。

どうしてもペットの遺骨を見ることができない人などは一任個別火葬を選ぶべきでしょう。

■立会個別合葬

一任個別火葬は、個別火葬ではありますが収骨作業などを任せてしまう方法です。

そのため、飼い主だから最後まで責任を持ってあげたいという人は『立会個別火葬』を選んでいます。

立会個別火葬とは、他のペットと一緒には火葬をせず、遺骨の確認や収骨も自分たちで行うという形式の火葬です。

簡単に言うと、人の火葬と同じことをするのが立会個別火葬ですから、火葬方法としては最も丁寧なものといえます。

ただし、飼い主が関与できる範囲が多いということは、それだけ費用も増えるということを理解しておきましょう。

犬が亡くなった場合は役所へ死亡届を出す

ペットが亡くなって火葬をしたらそれで終わり、というわけにはいきません。

亡くなったペットが『犬』の場合は30日以内に【死亡届】を役所に提出する必要があります。

このときに、死亡届の他にも【犬鑑札】と【狂犬病予防注射済票】を返還します。

これは、『狂犬病予防法』に定められている法律なので必ず届け出るようにしてください。

また、ペットが血統書付きの犬であった場合は、死亡の旨を犬種登録団体に伝えましょう。

昔からペットとして人気が高いのは、やはり『犬』です。

犬を飼うときには必ず飼い犬の登録申請を役所に提出し、飼い犬には1年に1度【狂犬病予防注射】を打つことが義務付けられます。

ですから、飼い犬が亡くなったら、そのことを役所に知らせてあげなきゃいけないのです。

知らせてあげないと、役所としては「この飼い主はちゃんと狂犬病予防注射を打っていない。」と思い何度も督促をすることになります。

場合によっては罰金が科せられることもあるので、飼い犬が亡くなったら必ず死亡の届け出をしてください。

ペットの遺骨はどうすればいいの?

一任個別火葬や立会個別火葬をした場合、ペットの遺骨は飼い主に返されます。

では、ペットの遺骨はどうしてあげればいいのでしょう?

ペットの遺骨というのは、あくまで【物】として扱われますから、遺骨をどのようにしようと飼い主の自由です。

とはいえ、愛するペットの遺骨ですから何らかの形で供養してあげたいですよね?

一般的にペットの遺骨は、

  • 自宅で手元供養をする

  • お墓に埋葬する

のどちらかです。

■自宅で手元供養をする

ペットの遺骨は、写真などと一緒に自宅で『手元供養』をするという人が多いです。

『手元供養』というのは字のとおり、どこかへ埋葬するのではなく、遺骨を自分の身近に置いて供養することをいいます。

人の遺骨とは違ってペットの遺骨は小さいので、家の中のいろんな場所に置いておけるんですよね。

それに、遺骨が家の中で見える所にあれば、いつでもペットがそこにいるような気がします。

しかも、最近ではペットの骨壺を安置するための飾り台もありますので、なおさら手元供養をする人が多いのです。

■お墓に埋葬する

人の遺骨は基本的にお寺や霊園などの【お墓】に納骨をします。

ですから、ペットの遺骨も同じようにお墓に埋葬したいと考える人は多いです。

しかし、ペットの遺骨というのは原則として人の遺骨と一緒にお墓へ埋葬することは望ましくないのです。

ですから、ほとんどのお寺では【お墓にペットの遺骨を埋葬すること】を禁止しています。

ペットの遺骨を人とは一緒に埋葬できないので、その結果『ペット霊園』がどんどん増えています。

『ペット霊園』では、ちゃんとペット専用のお墓を建てて、もちろんお墓参りもできますよ。

ただし、ペット霊園ですから、そこへ埋葬できるのは【人間以外の遺骨】に限られ、結局のところ人の遺骨とペットの遺骨は一緒のお墓には入れないのです。

・・・というのは少し前までの話。

最近では、『人とペットが一緒に入れるお墓』を認めている霊園が急増しています。

これも時代の流れですね、お墓を購入してもらうためには【人とペットが一緒に入ることができる】というのが主流になっていくことでしょう。

ペットの遺骨を一緒のお墓に埋葬したい場合は、それが可能な霊園をインターネットで検索してみてください、きっとあなたの家の近所にもありますよ。

まとめ

愛するペットも、いつかはその命を終えるときが来ます。

ペットが亡くなったときに家族がしてあげることは、

  • 手足をたたんだ姿勢にして、体を拭いてブラッシングしてあげる

  • 体液が出ないように、口、鼻、肛門を脱脂綿などでふさぐ

  • 【ペット用の棺】または【段ボール】に入れてあげる

  • 遺体の背中と腹部の付近に【ドライアイス】を置いて冷やす

  • ペットのお葬式をしてあげる

  • 火葬をする

  • 犬が亡くなった場合は、役所へ死亡届を出す

  • 遺骨は、自宅で手元供養をするか、お墓へ埋葬する

です。

ペットは家族の一員ですから、亡くなってしまったことの悲しみや喪失感は、人間の家族が亡くなったときと同じです。

ですから、最後にできる限りのことはしてあげてください。

亡くなった愛するペットのために、家族みんなで心をこめて送り出しましょう。

いいなと思ったら応援しよう!