お葬式の様子を携帯電話で撮影したい。お葬式の写真を撮るときの注意点
お葬式は故人の姿を見ることができる最後の機会なので、ちゃんと写真に撮って残しておきたいですよね。
スマホが普及して以来、【携帯電話のカメラ機能】を使ってお葬式の様子や故人の姿を撮る人が増えています。
しかし、お葬式という悲しみの場面で、その様子を撮影することにためらいを感じる人も多いです。
お葬式の様子を撮影するのは問題ありませんが、必ず喪主の許可を得ることが条件となります。
この記事では、
お葬式の様子を撮影してもよいのか
ご遺体を撮影してもよいのか
お葬式の写真を撮るときの注意点
について書いています。
故人との最後の思い出作りに、この記事が参考になれば幸いです。
お葬式の様子を携帯電話で撮影してもいい?
お葬式の様子や故人の姿はちゃんと写真に残しておきたいですよね。
でも、お葬式の写真を撮ってもよいかどうかで迷ってしまうことでしょう。
■お葬式の様子を携帯電話で撮影しても問題はない
あなたはきっと、お葬式の様子を撮影することに《ためらい》を感じているでしょう。
そして、あなたは『携帯電話のカメラ機能』を使って撮影をしたいわけですよね。
結論を言うと、お葬式の様子を撮影しても問題はないですし、携帯電話を使って写真を撮ることも問題はありません。
最近の携帯電話のカメラ機能はとても高性能なので、スマホでお葬式の写真を撮っている人は大勢います。
故人にとって『最後の晴れ舞台』となるお葬式の様子を撮影するのは何も悪いことではありません。
もちろん、『お葬式の様子を撮影したから故人が成仏できない』なんていうこともないのでご安心ください。
■故人の姿を撮影したい
お葬式は故人の姿を見られる本当に最後の機会です。
故人には綺麗に化粧がされていて、本当に【ただ眠っているだけ】のように見えます。
そのような故人の姿をしっかりと写真に残しておきたいですよね。
しかし、参列者の中には「故人の最後の姿は《記憶》に残しておくものだ」と考える人もいます。
というか、多くの人がそのように考えているかもしれません。
また、故人の姿を撮影することに否定的な人は「亡くなった人にカメラを向けることは故人に対する【冒とく】だ。」と言います。
しかし、僕は故人の姿を撮影してもよいと思います。
例えば、子どもが生まれたときには、その可愛らしい姿を写真に撮りますよね?
それ以降も、入学式・卒業式・結婚式など、子どもの『人生の節目の記録』として写真に撮って残しておきます。
お葬式は故人にとって最後の節目なのに、なぜお葬式の撮影だけは故人に対する【冒とく】になるのでしょうか?
生きている人を撮るのと同じように、故人の姿を撮っても何も問題はありませんから、ちゃんと記録に残しておいてあげてください。
写真を撮る時の注意点
お葬式の様子や故人の姿を撮影しても問題はありません。
ただし、写真を撮るときには以下で紹介する注意点を必ず守るようにしてください。
■必ず喪主の許可を得る
お葬式の写真を撮る前にやるべきことがあります。
それは、必ず喪主の許可を得るということです。
決して勝手に写真を撮ってはいけません。
あなたにとって故人が大切な存在だからこそ写真に残しておきたいのでしょう。
しかし、遺族にとっても大切な存在なのです。
例えば、あなたの愛する人の姿を、他の誰かが勝手に写真に撮っていたら気分が悪いですよね?
たぶん「今撮った写真をすぐに消して!」と怒鳴りたくなるじゃないですか?
それと同じことだと思いますよ。
喪主の許可なく故人の写真を撮ることは【盗撮】と同じなんです。
ですから、写真を撮るときには必ず喪主の許可を得るようにしてください。
■写真を撮るなら、iPhoneのビデオ撮影の『静止画撮影機能』を使うといい
携帯電話のカメラ機能は、撮影時に「カシャッ!」というシャッター音が出ます。
この音が出るのは、たしか防犯上の理由だったと思いますが、原則として音を消すことができません。
あなたもご存じのように、そこそこ大きなでシャッター音が出るのでけっこう目立ってしまいます。
音が出ないようにするために専用のアプリをダウンロードしてもいいのですが、使い慣れるまでに時間がかかってしまい意外と面倒です。
そこでおすすめなのが、あなたが持っているiPhoneの『静止画撮影機能』を使うという方法です。
操作方法は、
カメラアプリを起動(タップ)する
撮影開始ボタン(白丸ボタン)の上の部分を横にスライドして『ビデオ』モードに切り替える
撮影開始ボタン(赤丸ボタン)を押す
画面の右下に出た『静止画像撮影ボタン(白丸ボタン)』を、シャッターボタンのように写真を撮りたいタイミングで押す
という手順です。
この機能を使えば、写真を撮るときのシャッター音が出なくてすみます。
この機能の素晴らしいのは、シャッター音が出ないことだけではありません。
基本的にはビデオ撮影をしているものなので、動画を撮影しながら同時に静止画を撮れるんです。
つまり、ビデオとカメラの機能をいっぺんに果たしており、とても便利なので一度試してみてください。
とはいえ、この方法にも弱点があります。
それは、写真を撮るときのシャッター音は出ませんが、ビデオ撮影の開始時と終了時だけは「ピコッ♪」という音が出てしまうことです。
これについては『写真を撮るたびにシャッター音が出るよりマシ』と割り切ってください。
もう一つの弱点は、写真だけでなく動画も撮影しているので、その分だけストレージ(画像や動画などの保存領域)の容量を多く使ってしまうことです。
動画と静止画をいっぺんに撮れることは、メリットにもデメリットにもなるんですよね。
また、写真だけが必要な人にとっては、後で動画の部分を削除する作業が面倒になるかもしれません。
■必要最低限の一部の人にだけ見せる
あなたが撮ったお葬式の写真は、現像をして喪主に渡してもいいですし、撮った画像データを喪主やご家族へ転送してもいいと思います。
でも、あなたが撮った写真は、必要最低限の一部の人にだけ見せるようにしてください。
間違ってもSNSなんかにアップしてはいけません!
先ほども言いましたが、お葬式は深い悲しみの中で執り行われる【非常に繊細な場面】です。
あなたが撮った写真の中には、涙を拭う人の姿が写っていることでしょう。
その姿を不特定多数の人に見せることは重大なマナー違反です。
どうしてもSNSにアップしたいのであれば、喪主は当然のこと、画像に写っている全ての人に許可を得てからにしましょう。
■火葬場は【写真撮影禁止】です
喪主の許可が得られれば、お葬式の写真を撮ることはできます。
しかし、火葬場では【写真撮影禁止】です。
火葬場での写真撮影が禁止されているのは、
心霊写真と誤解されるようなものが写る可能性があるから
『火葬場の職員』や『他のお葬式の参列者』が写ってしまうから
という理由です。
写真を撮ると、光の入り方などのいろんな条件が偶然重なり、まるで『心霊写真』のようなものが撮れてしまうことがあります。
言うまでもなく、あくまで『心霊写真』のようなものが撮れてしまうだけであり、それは本当の霊魂が写ったわけではないのです。
しかし、『悪事千里を走る』ではありませんが、心霊写真のような【霊的現象の噂】はすぐに広まってしまいます。
僕がいつも行く火葬場にもそのような噂があり、「◯◯火葬場の◯◯式場には霊が出る」みたいに、けっこう内容が具体的でした。
しかし、実際には霊なんて一度も見たことがありません。
ところが、噂を聞いて「あそこの火葬場は霊が出るから、他の所で火葬したいな・・・。」と思ってしまう人がいます。
じつは、火葬場というのは1つの市町村にたくさんあるわけではないんです。
もしも1つの火葬場に変な噂が流れてしまい、そこを使いたくないという人が増えてしまうと、他の火葬場がすぐにパンクしてしまい、多くの人に迷惑をかけることになります。
そのような事態を万が一にも招かないように、火葬場では写真を撮ることは控えましょう。
また、火葬場に着くと、火葬場職員の誘導のもと、最後のお焼香をしてから故人はいよいよ火葬されます。
火葬が終わると収骨室で、同じく火葬場職員の案内のもと、故人のご遺骨を骨壺へ納めていきます。
収骨の最後には、火葬場職員が故人のご遺骨を丁寧に集めて、すべてのお骨を骨壺へ納めてくれます。
あなたは、このような火葬されたばかりの他人の遺骨を扱う仕事ができますか?
火葬場の仕事は絶対に必要なものでありながら、昔は【敬遠される職業】でした。
ひどい場合には差別的な扱いをされることもあったそうです。
ですから、火葬場職員自身もあまり自分の仕事のことを他人には言わなかったそうです。
そこへ、もしも誰かが写真を撮って他の人へ見せてしまい、たまたま職員の知人がそれを見てしまったらどうなるでしょうか?
それに、火葬場の職員さんだけでなく、場合によっては他のお葬式の参列者も写り込んでしまいます。
あなたは他の人を写真に撮っていなくても、他の人にはそれが分からないので「あの人の写真に私たちが映り込んでいるかも。」と不安に思います。
このように、火葬場職員や他の人のプライバシーを保護する意味でも、火葬場での写真撮影は禁止されているんです。
ですから、火葬場での写真撮影はヤメましょう。
まとめ
故人の姿を見ることができるのは、お葬式が最後です。
お葬式の様子や故人の姿を写真に撮ること自体はマナー違反ではありませんが、必ず喪主の許可を得るようにしてください。
喪主の許可なくお葬式の写真を撮る行為は【盗撮】と同じです。
故人のことを大切に思っているなら、最低限のマナーを厳守した上でぜひ写真を撮ってあげてください。
お葬式で写真を撮る際には、シャッター音やフラッシュはもちろん、他の人たちの迷惑とならないように細心の注意を払いましょう。
そして、お葬式の記録は、喪主やご家族など必要最低限の一部の人たちだけで分かち合ってください。