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The end of their life. 135   ジョン・ミルトン・ケージ・ジュニア

The end of their life. 135
 
ジョン・ミルトン・ケージ・ジュニア(John Milton Cage Jr.)
(1912年9月5日-1992年8月12日)
アメリカの音楽家、詩人、思想家、キノコ研究家。
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
 
父親は発明家。そんな父の血を引いたような独特な活動がおもしろい。
 
たとえば1940年に、グランドピアノの弦に異物(ゴム・木片・ボルトなど)を挟んで音色を打楽器的なものに変化させたプリペアド・ピアノを考案し『バッカナル』でこの楽器を使った。
 
他にも、居間にある全ての物体を叩いて作った『居間の音楽』、ピアノの蓋を閉めて声楽を伴奏する『18回目の春を迎えた陽気な未亡人』など奇想天外な音楽を次々と考案する。
 
『4分33秒』は、曲の演奏時間である4分33秒の間、演奏者が全く楽器を弾かず最後まで沈黙を通す異色の音楽。観客自身が発する音、ホールの内外から聞こえる音などに聴衆の意識を向けさせた。その後、ケージが実践した「偶然性」の音楽は現代音楽の主要な様式のひとつとなって定着した。聴衆が作曲家の知的作業の追体験を強いられることは、彼にとって窮屈だったらしい。
 
キノコ研究家としては、1962年にはニューヨーク菌類学会の創立に関わる。
 
キノコを好む理由の一つは、辞書で "music" の一つ前が "mushroom" だったからだといわれていて、キノコから創作や思想の着想を得て、キノコの生態が出す音について想像し、エリック・サティの音楽をキノコにたとえた。
 
また、若い頃に鈴木大拙を通して禅を学ぶなど東洋思想への造詣が深く、晩年はハーヴァード大学で詩学教授も務めた。
 
ピアニストの高橋アキさんは晩年のケージと親交があり、献呈された『家具の音楽エトセトラ』を演奏している
 
1992年8月、脳溢血のためにニューヨークで死去。79歳。

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