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娘が繰り返し見る動画
娘はiPadで動画を見るのが好きだ。
特に自分の。
いつも同じシーン
iPadをすでに手に持ってるのに、
私のを欲しがる。
一通り写真チェックをしてるのを見て、
そうか新しいの見たいのか。
実は私も見てほしいのあるよとか思いながらニヤニヤするのだけど
スクロールの速さに見て欲しかったものはあっという間に埋もれてしまった。
こっちの思惑は見事にスルー
だけど何かを見つけて笑ってる。
覗きこんでみると
いつもiPadで見てるのと同じ動画の同じシーンだった。
数年前の発表会。
オオカミの帽子を被った娘が、クラスメイトとコンガを叩くシーン。娘の手を動かしているのは後ろにいる先生だ。
慣れた手つきで早送り、拡大しながら、十数秒のシーンを繰り返し見る。
怪力の娘だけど、画面に触れる指先は優しい。
太鼓に触れる手も、とても優しい。
どうせ同じの見るんだから、私のわざわざとる必要ないじゃん。
そう思うのだけど、きっと何か思うことがあるのだろう。
初めて触った時にはこんなに使えるようになるなんて思ってなかった。
感覚で使えるiPadに感動する。
自分で選ぶことができるようになったお陰で、私の中で娘はこれが好きなんだろうなと思ってきたものと、本人の好みとのすり合わせが出来るようになったし、新しい発見もある。
写真もいつのまにか消してるけど、元に戻せるからヨシとする。
よく見るものほど消えている。
野球観戦に行った数日後、どうやってその動画に行き着いたのか不思議でしょうがないのだけど、YouTubeで野球の応援動画を見てたりして、あー、楽しかったんだなーと嬉しくなる。
言葉はない。絵も書けない。
でも、体験してきたことはしっかりと残り、彼女の中で育ってる。
ひとつの動画を最初から最後まで見ることはなくて、YouTubeだと1秒毎に違う動画に切り替えるんだけど、それでも気になるものがあるみたい。
はじめはただ触っていただけだったものも、今では検索機能が使えない娘が気になるものにたどり着くための手段になっているのかなと思っている。
インコの動画を見て笑っていて、鳥が好きだったのかと初めて知った。
そういえば動物園に行った時、いつもペンギンをはじめと終わり必ず二回見ていた。
インコの動画を見始めてから、
ペットショップに入ってもインコがいるコーナーに私の手を引いて連れて行くようになった。
動物園でも、前は素通りしていた鳥たちの所で足を止めるようになった。
娘が何か新しい事に興味を持つこと、それを知れた瞬間がたまらなく嬉しい。
行動で伝えられた時の表情を見るのも。
ロック画面を解除して欲しくて持ってきているのはわかっているのだけど、
すぐに解除せずに、わざわざ
どうするの?
と問いかける。
私の手にiPadを持たせて、もう片方の手を画面に持っていかせる。
やってもらいたい事を伝える手段だってちゃんと考えられるんだ。
今日もiPadで動画を見ながら
私にはさっぱりわからないタイミングで笑ってる
何が面白いの?と言いながら私も笑ってる。