石川直宏とFC東京とわたし
皆様こんにちは、Miisaです。
今でこそ、毎年春先に購入した青赤のユニフォームに袖を通し、週末には足繁くスタジアムに通うという生活を当たり前のようにしている私ですが、そんな私のサッカーライフは「石川直宏」というひとりの選手に出会ったことから始まりました。
今回はずっとずーっと書きたかったこと、ナオさんこと石川直宏さんとわたしについて書いてみようと思います。
きっかけは深夜の試験勉強
私は片田舎に住んでいるごく普通の中学生でした。当時、熱を上げているものといえばジャニーズ、これ一択。小学生時代からのジャニヲタでした。自室の壁は好きなグループのポスターまみれ、すぐ手の届くところには彼らが掲載されている雑誌やDVDがたくさん……そんな誘惑だらけの部屋の中では試験勉強が捗るはずはありませんでした。何か気分転換したい、そう思ってテレビを付けるとたまたまサッカーの試合が放送されていました。そこで私の目はいつの間にか、ピッチを疾走する背番号10番の選手に釘付けになっていました。一人だけ異次元のような動き、速い、すごい…!カッコいい!この選手、誰?
それが、「石川直宏選手」との出会いでした。
これは数年後、ナオさんを好きになった後に改めて調べたことなのですが、当時放送されていたのはU-20代表のFIFAワールドユース(アルゼンチン大会)でした。対戦相手は覚えていません。当時はユニフォームに日の丸がついているのを見て、なんとなく代表戦なんだろうなという理解でした。A代表と世代別代表の違いなんていうのも、もちろん知りませんでした。
その程度の知識の私でも突き刺さったナオさんの姿。見た目の好みなども多少は影響したかもしれませんが、この時の衝撃をきっかけにだんだん日本代表戦などのサッカーの試合を意識的に見るように変わっていきました。この頃から、好きなスポーツはサッカーに。しかし、元々野球が盛んな地域で暮らしていたので地元にJリーグチームなども存在せず、実際に観戦するなどの行動には繋がりませんでした。
Jリーグを体験するということ
青春時代を田舎で過ごしたジャニヲタ少女は、語学の勉強をしたい気持ち5割・都会で暮らして気兼ねなくコンサートに行きたい気持ち5割で千葉県の大学に進学しました。そのころにはもう筋金入りのジャニヲタに進化していて、好きなグループのコンサートスケジュールに合わせて生活をしている状態でした。県外へのコンサート遠征は当たり前、如何にしてたくさんの公演に行くか。現場大好き!この熱量は働き始めてからも変わりませんでした。でもサッカーへの情熱も忘れておらず、大学ではサッカー部でマネージャーをしていました。この時期に、ボールに触れる楽しさや試合を見る面白さを知ったような気がします。そんな生活の中である日、仲良くしていたジャニ友が同じくサッカー好きということが分かりました。その友人とFC東京やナオさんの話をしていると「(今の環境なら)試合、見に行けるんじゃない?」と軽いトーンで言われて、ハッとしたことを今でも覚えています。なんで今まで思いつかなかったんだろう。すぐにSNSでサッカー専用のアカウントを作成し、ある観戦グループの仲間に入れてもらいました。そして翌年の2009年11月に初めて、念願の味の素スタジアムへ行きました。
初めて私が観たJリーグは、大勢の人がひとつのボールの行方に一喜一憂して、歌ったり手拍子したり跳ねたり…応援している人たちが何より楽しそうでした。そしてそこに飛び込んだ私も、正直勝敗なんて関係なく、その空間にいることがとても楽しかった!最初から応援の激しそうな席(ゴール裏)で大丈夫かなぁ怖いなぁと思っていた気持ちは、開始直後にどこかへ行ってしまいました。ワケも分からないまま、見よう見真似でチャントを歌いました。あの一体感が本当に最高だったなぁ。初めての私でもそこに参加できたことが何より嬉しかったです。すごく見たかったナオさんは怪我でいなかったけれど、それがマイナスにならなかったくらいの体験でした。なんでもっと早く行動に移さなかったんだろう。またここに来たい!この日から私は、一気に東京ゴール裏の虜になりました。
ジャニ友の言葉を聞いて、行動に移してなければ得られなかった体験。元々コンサートで感じるような一体感が大好きだった私にとって、あの空間はピッタリすぎるくらいピッタリでした。
石川直宏という選手
一度Jリーグを体験してから後、今までジャニーズに注いでいた情熱が段々とサッカーへ、FC東京へ、石川直宏という選手へ注がれるようになりました。ハマったらとことん。何かに熱中していないと生きていけない性格の私はスタジアムにサッカー観戦に行くだけでなく、ナオさん主催のファンミーティングに参加したり、練習場へも行くようになりました。現場大好き!
残念ながら私が練習場で見てきたナオさんの姿は、ケガから復帰するためのリハビリに励んでいる姿がほとんどでした。それでも、直向きに練習メニューに取り組む姿や監督・コーチと遅くまで話し込む姿、チームメイトと楽しそうに談笑する姿はどれも眩しく見えました。もちろんキレッキレでキュンキュンでまるで翼が生えているようなピッチでの姿も大好きでしたが、私にとっては練習場で頑張るナオさんの方がなんだか、らしいような気がします。ここで頑張れるから、また試合という舞台に戻って羽ばたける。そういうことを自身の姿勢や言葉で教えてくれるような選手でした。
そして、ナオさんはファン・サポーターへのベクトルがたくさんある選手でもありました。そこにいつも驚かされました。今自分がどういう風な思いでいるのかをきちんと伝えてくれるし、逆にファン・サポーターひとりひとりの思いもしっかりと受け取ってくれる。時にはそれが重かったかもしれない、自分の思いとは違ったかもしれない、でもそれも全部受け止めて何かを返してくれる。それが石川直宏というサッカー選手でした。これは選手でなくなった今でも変わっていません。そんなナオさんだから、のめり込み、熱くなり、夢を託していつまでも応援したくなるのかなと思います。
現役引退
2008年に石川直宏というサッカー選手を応援し始めた私は、それからどんどんJリーグの世界にのめり込んでいきました。気が付けばいつの間にか18番のユニフォームを毎年迷わず購入するようになり、年間チケットのSOCIOを手元に置いて、Jリーグ日程が中心の生活に変わっていきました。そして、私が初めて18番のオーセンティックユニを購入したその年の8月。
2017年8月2日。異例のシーズン途中での引退表明。
ナオさんは、このシーズン限りでの現役引退を発表しました。ついにこの時が……。いつかくると思っていました。でも、もう少し先だろうなとも勝手に感じていたことでもありました。この時もナオさんは自分の状況や想いなどをしっかりと伝えてくれました。ナオさんから引退という言葉を聞くのはとても辛く悲しいことだったけれど、最後にもう一度ピッチに戻るんだという強い意志を感じました。この引退表明があったからこそ、私もナオさんと一緒に最後のその時に向けて悔いがないように準備ができたのだと思います。シーズン途中での引退発表は今考えれば、とても有難いことでした。このナオさんの引退発表を受けて、それまで以上に練習場に通いました。姿を見れない時も多かったけれど、段々とボールに触れる時間が増えていき、トレーニングの強度が上がっていく過程を見ることが出来たのはすごく良かったと思っています。ナオさんが練習している場所から、ゴールネットを揺らす音が聞こえてきたときは泣きそうになりました。そんな姿を見ていたからこそ、どの試合が復帰戦になってもいいように初めてのひとり遠征にも挑戦しました。結局復帰は最終節になってしまいましたが、とてもいい体験でした。復帰戦を最終節と決めたあとのナオさんは本当に強かった。本当に本当に強かったです。まだ辞めなくていいんじゃない?と思うくらいでした。この頃から、いつもこちらが「(ナオさんの復帰を)待っています」と言っていたのが逆にナオさんからの「(最終節、味スタで)待っています!」に変わりました。そう言えるのも嬉しかっただろうし、言われるのも本当に嬉しいことでした。
現役最後となったあの2日間は、いろんな感情がぐるぐるしていてたけれど、やっぱり18番が駆け回っているのを見るのは本当に楽しかったです。ナオさんが仕掛けるとグッと高まる雰囲気。何かやってくれるんじゃないかという期待。ボールを持つだけでスタジアム全体の雰囲気を持って行ってしまう、石川直宏はそんな選手でした。あぁこれが見たかったんだと心底嬉しく感じました。
2日間に渡る試合を終えた後、全てを出し尽くして晴れやかな表情のナオさんを見て、ずっと応援してきた選手のこんな姿が見られるなんて私はなんて幸せなんだろうと思いました。ナオさんの現役最後を見届けられたことは私にとって今でもパワーになっています。ひとつだけ心残りがあるとすれば、石川直宏選手と一緒に優勝したかった、ただそれだけです。
選手からスタッフへ
ユニフォームとスパイクを脱いだナオさんは、翌年からスーツと革靴がいつものスタイルになりました。クラブコミュニケーター、通称CCとしてFC東京に関わる様々な人と人を繋ぐ活動に駆け回っています。選手の時よりも、むしろスタッフになった今の方が出会える機会が多いのではないかと思います。味スタではいつも笑顔とハイタッチで迎えてくださるナオさん。ひとりひとりの目をしっかり見て、声をかけて挨拶してくださる姿勢は現役の時と全く変わっていません。私はそんなナオさんに会えるのが、現役時代から変わらず今でもとても楽しみです。
ジャニーズが生きがいだった私がナオさんに出会ってFC東京に出会って、いつしか東京なしの生活は考えられなくなっていました。最初はナオさんだけを追いかけて飛び込んだ世界でしたが、今ではFC東京のサポーターであることが私のひとつのアイデンティティであり居場所だと感じています。新しく夢中になれる選手にも出会うことが出来て本当に楽しいし、FC東京を応援し始めて良かったと本当に感じています。ここまで思えるのはやはり、「石川直宏」というひとりのサッカー選手に出会ったからです。とてもとても感謝しているし、その気持ちをこれからもご本人に伝え続けたいと思います。
今はただひとつ、どんな形でもいい。「石川直宏」がいるFC東京と優勝したいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。