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時と空間を刻むマーク・マンダース~Mark Manders in What's the story at Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen (KMSKA)

アントワープ王立美術館の常設展示「What's the story」の一角に、マーク・マンダースの作品が展示されていました。

Mark Manders, Room with Unfired Clay Figure, A.P., 2014, Courtesy of Artist and Xavier Hufkens, Brussels

展示室の一部はビニールで区切られており、まるで画家のアトリエを再現したかのような雰囲気です。

この展示空間には、作品だけでなく、手前のバケツに制作途中のゴミ(?)が配置されており、まるで画家が実際に制作しているかのような錯覚を引き起こします。私はその空間を覗き込み、ジャマをしないようおそるおそる見ていましたが、残念ながらマーク・マンダース本人の姿はありませんでした(笑)。

一見、制作途中のように見えるこの空間にある作品は、乾燥してヒビ割れが生じており、まるで長い年月を経て朽ちていく様を見せています。

私はマーク・マンダースの彫刻よりも、水色とグレーを組み合わせた作品が好きです。

彼の彫刻に対しては「欲しい」とまでは思わないのですが、彼の絵画に関しては「欲しい」と感じてしまいます。

Mark Manders, Landscape Study, 2024, Courtesy of Artist and Xavier Hufkens, Brussels

広がる大地と大空、乾いた大地と豊かな水など、小さな画面ながらさまざまな壮大な対比が思い起こさせる作品です。

常設展示Whats's the storyのなかでも、空間を扱う章にふさわしい作品だと思いました。



アントワープ王立美術館
Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen (KMSKA)
Leopold de Waelplaats 1,
2000 Antwerpen


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ミイル、オランダ在住のアート好き
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