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広告代理店の業界あるある
広告屋になってもうかれこれ四半世紀経ってしまった。
広告業会あるあるっていうと、広告を打つレベルで大きな会社への出入りが許されている、ということ。
広告の最終判断をするような地位の方とお話する頻度も高い。
そして思うのだ・・・「広告のイメージって、会社のイメージでもあり、
おおよそそういう感じの社員さんが多いんだな」と。
公営競技の団体は、本当に男性や壮年男性ばかりで割と昭和感のある方がただった。
謎の広告でおなじみの、あの予備校には同僚が足しげく通っていた。
〇〇〇学苑の学長さんはマジであんな人で「なんでもできちゃうんだよ、僕は」といって自身でコピーを書かれていたり、デザインもなさるとのことで、衣装なども自分のものなのだとおっしゃっていたそうだ。詩が最高なCDも出されているとのことで、貸し出しもしていただいていた。そのCDの裏面の曲目に『キ★ラ★メ★キ ビーチサイド』というのがあって、湿疹が出たのを覚えている。
某学校法人の理事長さんは、音楽室の黒板の上に飾られているみたいな髪型の(ズラ?)方で、サスペンダー+蝶ネクタイをされているといういで立ち、横にはウルトラマンみたいな「ざますメガネ」をしているご婦人がおられた。マンガみたいな学校あるんだよ、本当に。
一族経営で大きくなったサプリメントの会社は、全員同じ苗字でプレゼンしている反対側に座る家族は全員同じ顔をしていた。お互い「パパ、ママ」などと呼び合っていた。
・・・と、まぁ素敵なクライアントさんの、いろんな「無邪気なアレ」な意見を、こころで「ツッコミ」入れつつ、表面では、おべんちゃらで全力で肯定するのが、広告代理店の性である。
「50代男性の演歌歌手が友達なのでCMのコマソンを歌わせたい(OL向け商材)」という話にも
「娘がアイドルの〇〇のファン」という話にも
「この曲、最近はやってるんだって?(半年以上前からはやっている)」
「週末にライブハウスでギターを演奏するから見に来て」という話にも
全力で応じる。
「あぁ、いいアイディアですね、お目が高いですね!」みたいな反応をして、何とか演出家やスタッフにお願いして「カタチにしてもらう」という胃が痛くなる。
「あんた、広告の担当として、制作者として、恥ずかしい広告作っていいのか?」などという罵声にも「あぁ、クライアントがお金を出しているんだ。最終的にはクライアントの意向が反映されるべきだよな」というサラリーマン丸出しの意気で、お願いしたおす。(面倒くさいスタッフは次回から起用しない。)
そして、今日も、ドラマよりも間で流れる「つまらない広告」が気になってしまうのだ。
SNSでも「この広告、良く考査通ったな」などと思いながら。
どこかの代理店の誰かが心を殺しながら作ったんだろうな、と思いながら。
平成もまだ半ばのころ、私が言われたのは
士>農>工>商>代理店 だからな。
それでも四半世紀もやめられないのは、本当に本当になんでなんだろうな?
そして、広告代理店の男性がモテモテなのに、女性が壊滅的にモテないのはなぜなんだろうな?
それでも、今日も働いている。