Yes、No だけが答えじゃない
英語を暗記中心の方法で勉強していて起きる弊害があります。
暗記する事が必ずしも悪いとは言い切れなけれど、頭が柔軟で無くなる危険性はあると思います。
特に、こういう文で聞かれた時はこう答えると解答を書くのが日本の受験英語や資格の為の学習。
だから、“自分の頭はもしかしたら柔軟でなくなっているかもしれない。試験の時は決まりきった解答(点数が確実に取れる解答)を書くけれど、実際は無限に対話方法がある”と意識して頭を柔らかくしておき、固定観念に囚われない事が非常に大事ではないでしょうか。
今日は1つの暗記教育の例を挙げます。
真面目に学生時代に日本で英語の勉強をしてきた人は、英文法のルールとして、
疑問文で文頭にDo/Does やIs/Are/am がある場合はYes かNo で答えると暗記している人も多いのではないでしょうか?
だから文頭にこれらの単語があった場合、自分が言いたい事を伝えるという会話のルールを無視して、自然と口からYes、Noを言っていないでしょうか?と私は問いたいんです。
何も、Yes やNo を使って話してはいけないと言っているわけではありません。
あなたは本当に、YesとNo が1番伝えたい事なんですか? とたずねたいんです。
英語から少し離れ、日本語で例をいくつか挙げます。
「あなたはお肉が好きですか?」と聞かれたら、
「はい好きです。」「いいえ、嫌いです。」
「ここの席に座っても構いませんか?」と聞かれたら、
「はい、大丈夫です。」「いいえ、駄目です。」
と答えますか?
「これは手作りのケーキですか?」と聞かれたら、
「はい、そうです。」「いいえ、違います。」
と答えますか?
もちろん、こういう風に答えても間違いではないけれどもっと色んな答え方がありますよね。
少し最初の会話から考えてみましょう。
「あなたはお肉が好きですか?」と聞かれたら、
「好きだけど、馬肉は苦手だな。」とか
「私、肉食なんだよね!」と答えたり、
「知ってた?私、お肉は好きだけど鶏肉だけしか食べないの」とか、
「知らなかったの?私ベジタリアンなんだよね。」
とか答える事も可能です。
「ここの席に座っても構いませんか?」と聞かれたら、
「どうぞ座ってください。」とか
「残念だけど、そこ友達が後から座る場所だから譲れないの。」
と言う事もできますよね。。。
「これは手作りのケーキですか?」と聞かれたら、
「凄いでしょ!昨日から材料揃えて、今日朝から作ったんだ!!」とか
「やっぱりそう見えるよねー!スーパーで買ったんだけどさ!ホームメイドって書いてあるしそれっぽく見せてて凄いよね!」
と答える事もできますよね。
こんなに色んな言い方が思いつく訳だし、これは英語でも全く同じ事です。
なぜ、こんな事を書いているのかというと日本人は文法は正しく使えていても、ワンパターンの返答をする人が他国の人より多いとオーストラリア滞在中に感じたからです。
あまり喋らない無口な人と思われる人も多く、私も実際に最初はそういう風に思われていました。でも、周囲のコミュニケーション方法を見ているうちにひょっとして型にハマりすぎているのではと気づいたんです。
それに気付いて、さっき書いた事を言い換えれば
無限に対話方法があるんだ!
と自分で自分に言い聞かせて、頭を一度リセットしました。
そうしたら、とても気持ちがスッとして楽になり頭もクリアーになって英語を使いこなせるようになってきたんです。
決まり切った返答を頭から出すという習慣ではなくて、自分が伝えたい事を言う。その意識そのものが、英語を使って意思疎通をする力になったのではと思っています。
文法は、英語でコミュニケーションを取る為のエッセンスで自由に組み合わせるべきもの、対話の流れで矛盾さえ生じなければ自由な場所で組み立てて利用できるもの。
何もYes、No だけが答えじゃないというのは1つの例えで色んな意思疎通方法があるという事。
一度考えてみて欲しいなと思います。
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私は平均的に日本人は英語を十分に使いこなす能力があると考えています。
なのに、使いこなせていなくて悩んでいる人は一度英語に対する考え方を変える。特に固定観念を変える必要があると考えています。
心のストッパーを外す事も同時にとても重要と思っていて、そんな感じの記事も書きました。
以下のページ“上達へのマインドセット”にまとめています!