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洋書 Bad Blood: Secrets and Lies in a Silicon Valley Startup


今日は私が読んだ、洋書 『Bad Blood: Secrets and Lies in a Silicon Valley Startup』 のレビューを書きます。

これは実際にアメリカのシリコンバレーで誕生したスタートアップ企業セラノス (Theranos) で起こった詐欺事件の話です。

実際に有罪判決を受けています。

決して起こってはいけない事が事実として起こっていて、驚く人も多いと思います。

新規事業の立ち上げ界隈を知っている人には、あまり驚くべき話ではないかもしれませんが、そういう界隈を覗いたことがない人には“えっ!そんな事あるの!?!?”という話と思います。

悪い事はしてはいけないし、グレーゾーンを歩む事はいかに危険で罪深いかがこれでもかとばかりにこの書籍には出てくるのでビジネスしている人は読んで損はないかと思います。

そして、この本には

“詐欺とは何か?”

という事が事例とともに示されているので、あちらこちらに詐欺が溢れている現代に読んでおいて損はない書籍と思いました。

この本の主人公はエリザベス・ホームズ(Elizabeth Anne Holmes)という、医療ベンチャー企業のセラノス (Theranos) を創業し CEO を務めていた女性です。

それだけじゃないその周りには、いろんな有名人や有名企業がこれでもかこれでもか!というほど飛び出してきます。

有名な製薬会社、マスメディア、投資家、政治家、、、その道では誰もが知っている名前が連なります。

沢山の有名人が彼女の熱意や気迫に押され応援した訳です。

だからね、沢山の有名人が群がってても正しくない事あるんですよ。。。

彼女はアップル社のスティーブ・ジョブズに憧れていて彼の真似事をする事で、のし上がろうとしました。

そして、それはとても上手く作用します。幻想をあたかも現実にあらゆる人々に見せる事に成功した。しかし、中身はなかった

ただ彼女の才能によって、短期間で多額の資金を得る事に成功はした。

スタートアップはスピード感覚を求められるので、暗黙の了解とされている事柄があります。

最初は嘘や幻想でも良い、その幻想を大きく掲げそれについていく事でそれを実現させるという理念があるんです。

ある意味、みんなで騙される事も必要になる。

この暗黙な理念を持っていないとしたって初めて起こす事は失敗もあるし、必ずしも成功するなんて分かりません。

理論に基づいた技術を得ようとしても違ってるという事は大いにあり得る。。人間に限界がある以上仕方がないんです。

ある意味何処か頭のネジを外していないと出来ない事です。

私は日本の大学時代に工学部で、技術を用いて大学から新規事業を立ち上げるプロジェクトに関わった事があるのでここら辺の事は理解できていますし身を持って体験しました。

こうなってくると
“詐欺”って何だろう??

と非常に曖昧になってきませんか???

まあ、自分を騙しきっていればこの詐欺師エリザベスのようになってしまう人は珍しくないんです。スタートアップ界隈では、、私はヤバい人を見た事もあります。。

危ない橋を渡る人達とかその間での喧嘩とかもすごいです。。。

詐欺と真実の境界線は、どんな目的で行っていてその目的が、しっかりと事実として進行しているかという点になります。

最初は大口を叩いても、それが正しいデータを元にした実測値や商品として世に出ればいいわけです。

最終系は最初に挙げたものである必要もありません。やりながら改善していく柔軟性とスピード感が要ります。

ただ必ず核となる中身が欠けてはいけない。

しかし、彼女の起こそうとしていた会社はテクノロジーを扱う会社ではなく、人の命を左右しかねない医療測定品を扱うビジネス。

これはとても責任があるもので、かなり難しい分野といえます。

彼女は自然とここでデータ改ざんをし始めてしまうんです。。

これで言える事は、人がデータを計測する以上は人の手によってデータは書き換えられる事は起こり得てしまうという事実です。

一度魔が刺してしまえばステイクホルダー(利害関係者)からの評判を得る為にそれをする人はいるという事実です。

新規事業立ち上げにいると、ある程度はみんなハッタリをかまし自分を騙しています。勢いをつける為に。

そこで犯罪になるかならないかの違いは、そこに自分を客観視できる冷静な頭があるか。どうしてその企業を技術を元に起こしたいのかという理念です。

この理念が乏しく、ただ成功者になり地位を上に保ちたいというような自己顕示欲に駆り立てられ進む人がいればどうなるでしょうか。。。自然と自分に酔い、演じきり騙しに入る。ホンモノはそれさえ気づかなくなる。

それがソシオパスなんです。

正真正銘の詐欺師の完成です。

そんな人は現代ではあちらこちらに溢れていると思うべきです。

彼らは、他人に聞こえが良い言葉を使い好かれるように振る舞い。身なりだって整えていて一見人当たりは良いかもしれません。そして人気者かもしれません。

あちこちに、この『Bad Blood: Secrets and Lies in a Silicon Valley Startup』の主役エリザベスのような人が潜んでいると思っていて丁度いいです。。。

お勧めの洋書です!


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