監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(The Social Dilemma)
Netflix オリジナルドキュメンタリー映画“監視資本主義” を観ました。ネタバレなしで感想を書いていきたいと思います。
まず最初に言っておきたい事は、このドキュメンタリー全体の作り自体が、ソーシャルメディアが害という視点から作られている点です。
だから、ソーシャルメディアの良い点は全くと言っていい程触れられていません。そこがちょっと気になりました。
若者がスマホを持つ危険性ばかり説いたり、禁止した方が良いと言ったり、根本の問題はそこじゃないのに、なんかお説教臭い親に似た雰囲気を感じてしまいました。。
私自身、SNS大好き人間と自覚しているし、しょっちゅうスマホを触っています。
だからSNS中毒を自覚しています。でもどうしてそうなるか知っています。とても見ていて飽きない訳です。
オフラインだけでは知り合えなかった人達と意見など交流したり共有しあったり出来るし、使い方を間違えなければ、SNSは知の宝庫!
私はTwitterランドも好きです。オフラインで頭の悪い人のまとまらない話を長々と聞かされたり、意見もない噂話をする様な人に加わるよりはとっても有意義です。だからそういう場になったりしても、直ぐスマホ触ります笑
自分が知らなかった事を、知る事が出来るかもしれない面白い場所という観点もSNSにはある。
私は両親がネットを使う事に否定的だったから、大学生で初めてガラケーを持って、ネットもなかったから自分で接続しました。
現代の子達は、なんと小学生くらいからスマホを持っているとか!!時代が変わりましたね。私は自分がもし今の時代に中学生や高校生だったら、どれだけ沢山の情報に触れる事が出来るのかワクワクします。ちょっと羨ましくもあります。
今やスマホさえあれば、有名大学の専門的な講義も観れる時代だし、親の世代が時代遅れの変な教育をしてても、その間違えも使い様によっては発見できます。
ソーシャルメディアを駆使すれば、若い頃から自分の可能性を探したり発信する事で認知される可能性があるのにその良い部分を触れないのは変だなあと思います。
このドキュメンタリー自体、世論を大手IT企業が操作していて、人は極端な意見を持っては間違った方向にいくという、二元論の危うさを言っている筈なのに、完全にソーシャルメディアが害とのポジショントーク。
でもね、これ逆に考えればソーシャルメディアの悪い所をあまり分かっていない人にはとっても良いドキュメンタリーなんです。
非常に良く纏められています!
組織が個人情報を集めて、どうやって利用しようとしているかの、マーケティングや政治からの観点。
また極端な意見に走っていく人達の、陰謀論とかの話。
若者がソーシャルメディアを使う際の問題点。
ソーシャルメディアに支配されない様にどの様に向き合うべきか。
これらの話題が、とても分かりやすく説明されています。
私はソーシャルメディアはあくまでツールなので、利用されてはいけないと思っていて、通知は常にオフにしています。
情報が本当かどうかは常に疑い調べる様にしているし、特に極端な意見や発信はまず嘘ではないかとラベル付けします。
そもそも世の中に、全部分かる事の方が少ないです。
分からない事は分からない…。全て分かってたらそもそも研究者自体いりません笑
直ぐに結論づける事の方が変な場合が多いという事は肝に銘じています。
それに大手IT企業は、広告で儲けているから情報は抜かれるのが当たり前。私は発信しているので、それは腹を括っています。
スノーデンのドキュメンタリーで見たけれど、アメリカ政府がSNS上の個人情報を収集していた事はとても有名な話。とてつもない数のサーバーを管理したんだろうなと想像がつきます 笑
まあこれはアメリカだけじゃなくて、どこの国や組織でも起こり得る事でしょう。
ただ個人情報を沢山集めたとして、それをどうやって使うのでしょう?
例えば、それを利用し騙したり搾取しようとする人が近づいて来たとする。だとしても、その怪しさを見抜く事ができれば良い訳です。
それは、ネットが悪いとかそういう話とは別物と私は思います。
オフラインでも騙し合いの世界は沢山あるし、私は経験上知ってますから、うーん、それってネット以外でもあるよね。と思ってしまう…。
それに私個人の情報が見られたとして、大した価値があるとも思えません。大概のスパイとかでない普通の人間はそうでしょう。
個人情報が監視されていたとしたって、世界人口における私一人などちっぽけな存在です。データが組織に抜き取られていたとしたって、埋もれるのがオチです。(これはスノーデンの話にもありました)
そんな事怖がってたら、ネット自体使えないし世界がうんと狭まってしまうよという話。あまり脅されてもピンとこないし、なんかコメディーでした笑笑
でもネットの危険性を知る意味ではとても良いドキュメンタリーという事には変わりません。
ただ必要以上に子供にSNSを禁止したりしても何も解決しないと思いました。
それよりも、ネットリテラシーの教育や人との関わり方と人を見る感性を育てる事に力を注ぐ方が発展的だと思うから、いくらなんでも偏りすぎ…。
ソーシャルメディアの悪い部分に、軸を合わせた作り方だからこそ要点が纏まっていて良かったと思うけれど、それがちょっと裏目に出ています。
二元論の批判をしているはずなのに、言論誘導しようとしているように感じられました。
洗脳されやすい人は、これはソーシャルメディアが悪と思ってたり、IT企業に恨みがある人が感情をぶつけてる場面があるから、バイアスがかかったドキュメンタリーだよと肝に銘じて鑑賞して下さい。
ただ、私はネットの危険性は忘れてはいけないと思うので、ソーシャルメディアを楽しくかつ有意義に使う為の参考としてこのドキュメンタリーを観て欲しいと思いました。
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