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ワーキングホリデー制度について

最近、オーストラリアのワーキングホリデーについての記事を見かけることが増えた。

どうも、稼げると見込んでオーストラリアに渡った人の一部が炊き出しに並んでいるらしい。

しかし、そもそもワーキングホリデー制度についていえば、これは「出稼ぎ」のための制度ではないのだ。

外国に渡るためにビザがいる場合は多く、このワーキングホリデー制度もそのひとつ。ビザがいる場合は、自分が申請するビザについてしっかり調べそれを守らなければいけない。これは、かなり厳格なため守らなければ滞在するためのビザが却下される。それに加え、帰国を命じられても何もおかしなことではない。

そして、違反者は記録される。その結果、自国の評判に繋がりかねない。だから、ビザを認可され外国に滞在することは大袈裟でもなく国の信用を背負っていると考えた方が良いのだ。

さて、ワーキングホリデーの話に戻ろう。

オーストラリア移民局のページには

“For young adults who want an extended holiday and to work here to fund it.”

オーストラリア移民局

と記載してある。

“若い青少年が休暇を延長するためその資金を得る目的で働く許可を出すビザ”

がワーキングホリデービザと説明してある。

この程度が読み取れないなら、しょっちゅう変わるビザ規定を見逃す可能性は高く、渡航するべきではないと私は思う。

これを出稼ぎに使えると煽ったり、働くためと解釈するのであれば第一ワーキングホリデービザの説明と大きくかけ離れている。

他国にも自国にも迷惑をかけるし、法律を平気で破る犯罪者を助ける人材になりやすいからだ。ブラック企業の手助けをする人材になり、被害者が増えるそれだけだろう。

あくまで、ワーキングホリデーはホリデーのためのビザ。その原則を無視してもたまたま運がよく悪い目にあわない人もいるだろうが、それ以上に悪いことが多すぎるし、モラル的に良くないのが問題だろう。

私は、ワーキングホリデービザでオーストラリアに滞在したことはないのだが、多くのワーホリビザホルダーに会った。日本人もその他の人達も見たが、ヨーロッパ諸国はこのホリデービザを理解している人の方が多い傾向に感じた。

彼らはバックパッカーのように、あちこちの地域で旅行しその旅費のために遊び程度に働く。職場体験を違った地域内で経験する社会勉強だ。

これが正しくビザを解釈できている人達である。

ワーキングビザの観念は、遡ればギャップイヤーに起因するはずだ。特に、イギリス連邦の国オーストラリアではギャップイヤー本拠地なのでそう捉えている人が多いはず。

ギャップイヤーは、青少年が一定期間の休暇を取り社会経験を積む期間である。元々は、17世紀のヨーロッパで選ばれた貴族階級の間で行われていた制度が始まりだ。有名な人物で、英国の貴族がいる。

ギャップイヤーは、そもそも資産階級だけが行なっていたもの。だから、金がない人が行うのがワーホリなんて感覚はない人の方が多いのが階級社会を知っている人の感覚になっている。

これは、英語圏では少しの教養がある人だったら分かっている話で、日本人のお金稼ぎをしようという人にはない感覚かもしれない。なので、かなりズレたことをしているように見えているはずだ。多くの人には、ただの迷惑に思われているだろう。彼らは口にしないだけであろう。

日本人は金がある層まで貧乏になっているのだな……。ワーホリの人達が多く食料配給に並んでいれば、もしかしたらそう思われているのかもしれないのだ。

ビザを取得する前に、しっかりビザの説明を読んで守ってほしい。そして、最低限渡る国の文化背景までとらえることも必要。ワーキングホリデー制度についても例外ではない。

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