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HBO映画ウィザード・オブ・ライズ/嘘の天才~史上最大の金融詐欺~

今日は、ネタバレなしで緩くHBO制作映画、ウィザード・オブ・ライズ/嘘の天才~史上最大の金融詐欺~のレビューをしていきます!

まあ、ネタバレなしと言っても、これは実際に起こった巨額の金融詐欺事件なので知っている人も多いかもしれません。だからなのかもしれませんが、ポンジ・スキームの内容を詳しく説明するというよりは、騙しをしていた張本人であるバーナード・マドフに焦点を合わせた作りになっていました。

実話ベースだから、派手な演出はないけれど、そんな中でも光っていたロバート・デニーロの演技!ソシオパスのバーナードを非常にうまく演じていてやっぱり名優です!!

だけれど、あまりに大金が動いているので現実味が全く感じられなくて作り話にさえ感じる...。実際にこれだけ巨額の金を動かすのは、ある意味才能なのでしょうが、やはりどこか感覚がズレていないとこんな大胆な騙しはできないはずで、そこが怖いと思いました。

あと、どうやって人は騙されるのかという事。バーナードは世間一般では、信用が置けるとされる地位についている。なんといっても、あのNASDAQの会長です。それに、非常に信頼がおける立ち振る舞いで評判も良かったようです。

どんな役職か、どんな事を言っているかは、その人間が何をしているかとは全く関係ない場合も多いんですよね。何故って、どういう軸でどういう気持ちでその人が行動しているかなんて、役職や言っている事では分からない訳ですから...。人を判断するのには、感覚を使わなければ難しく、表向きの姿に誤魔化されてしまう人は直ぐに騙されてしまうという事が良く分かります。

この映画を観て感じた事は、人の欲についてです。だれでも、欲求はもっているのが当たり前。でも、欲を満たす事自体を快感と感じた結果、制御できなくなると人はどうなるのかという愚かさです。

物を所有する事で欲を満たす人生を送り出すと、自然と周りにそういう人間が集まって来ます。この事件もそういう所が発端なのではと思い、ちょっと悲しい気もしました。

金は人をどんな悪魔にでも変えてしまうし、所有欲ばかり高いと切りがなくなりいつまでも幸せに感じない。快感がほしいから、もっと欲が高まるの繰り返しです。もうこうなってくると、感覚は麻痺しているから麻薬中毒者と同じでしょう...。バーナードの人の心がないような、言動からもいろいろと人の感情の部分が壊れているのが良く分かります。

地位や金があるうちは、大多数の人間が群がって来ても、いざそれを失うとどうなるかという話です。

バーナードの言動をみていると、自分が常に周囲から称賛を得ている状態にも快感を感じていたのかな?とも感じました。そういう欲も追い出したら切りがないし、結局最終的には破滅してしまうのではないでしょうか...。

犯罪者ではあるけれど、見方を変えればかなり可哀そうな惨めな人間ともいえる。

人に宿る欲の操作を誤ると、そういう雰囲気は周りに伝染します。それで、そういう人が自然と集まる。だから、周囲からの愛情さえ得られず、幸せではなくなってしまう。

特に金は人さえ変えてしまうし、人間の欲は怖いなあという話でした。

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