令嬢アンナの真実-Anna Sorokin-
Netflixで、全9話のリミテッドシリーズ『令嬢アンナの真実(原題: Inventing Anna)』を観ました。
この話、実話ベースって事ですごく興味が湧きました。
主人公であり実在の人物、アンナはAnna Delvy というドイツの高貴な家柄の娘として多額の財産を相続しているという架空の人物を自ら作り上げました。
そしてアメリカNY州という資本主義の本元で、競争社会に勝ち上がっている人々を次々と騙し多額の金銭を手にする人物となるのです。
パーティーやあらゆる社交の場に顔を出し、知り合いやコネを増やす。そしてそれが信用となり、ますます彼女のネットワークが広がっていくのです。
正直、この能力は目を見張るものがありとても興味を抱きました。
しかし、このAnna Delvey は彼女が作り上げた架空の人物。
彼女は華麗に演技してその嘘をまるで誠のようにしていきます。
SNS、そしてマスコミなども利用したセルフプロデュース力。これはかなりの能力者とも言えます。一流の女優とも言えるのではないでしょうか。。
ただ、その一方で彼女は一流の詐欺師であり人の心に上手く入り込みそして欺く悪い事をしている人間です。
Netflixの『令嬢アンナの真実』を観て、私はこの偽の姿をどうして彼女が作り上げたのか非常に関心が湧きました。しかし、その真実は正直あまり掘り下げてはいなかったと感じました。
彼女の幼少期とか両親とかが分かれば、もっと彼女を掘り下げれるとは思うのだけれど、なかなか難しいのかなとも…
嘘がまるで本当であるかのように振る舞うアンナ。
生まれも資産があると言う設定も全くの嘘。その場では豪華な振る舞いをしたり経験したり持て囃されたりするが、結局は嘘で塗り固められているので中身はない訳です。
彼女の場合、元の金持ち設定が真っ赤な嘘だから、冷静に考えれば毎日がただの綱渡り状態で非常に安定しない。いつバレるか分からない状態な訳なのに、平然と演じている。
人に出会い、そしてその人達から様々な知識を吸収し自分の演技に活かすという点で非常に優れている。
嘘の地位がなければいけなかったし、それを作りリスクを犯してでも有名になりたかった。
それが非常に引っかかる部分で、気になりました。
結構、気になったのでAnna Delvey を作り上げたAnna Sorokin に興味を持って調べていたら、私がオーストラリアに住んでいる時にたまに観ていた60MinutesというTV番組がこのAnna Sorokin にインタビューしているものをYouTubeで見つけました。
彼女のインタビューはある意味、とても感心しました。
真っ直ぐ人の目を観て、物怖じしない態度。インタビュアーに批判されても私は悪くないと自信たっぷりに言う。おそらくは、根が気が強くない人だと呑み込まれてしまうでしょう。
しかも堂々としているので、自分に自信が少しでもない人で有れば彼女の態度に呑み込まれてしまうのではと感じました。
非常に頭が切れていて利口な人物で、一流の詐欺師で悪い事をしかねない人です。そう感じました。
もちろん精神的には、こんなにも不安定な事をしている時点で少し病んでいると思います。そこは少し気の毒とも思うけれど、やっている事は十分悪い事だから肩を持つのはおかしな事ですね。
そもそも彼女が自分の気持ちを語っているときの目付きや口調。そしてたまにバカにしたように意味不明に笑う状態を見ていると息を吐くように嘘つく可能性がある人物だから何を言っても信じてはまずい。そんな感じに見えました。
ただそれで彼女の真実がNetflixの題名のように簡単に分かるはずもなく、なんだかなんとも言えない気持ちになりました。
これは、アンナの話でここまで嘘を極める事が出来る演技者はそんなにも多くないとも思います。
しかし、SNSが反映するネットが影響を作り出す現代社会においては、人物の物質的や表面的なステータスを重視する浅い考えを持つ人が非常に多い。
Anna Sorokinは、60Minutes のインタビューの中でバカばかりでウンザリする、それに自分が裁判所に行った時自分の服装の事ばかり取り上げられる事についても呆れたような口調で話しています。
そういう浅い人が多い。バカみたいだ。と思うのはある意味本質をついている。
それにそういう浅い話題をばら撒く責任とかそういうものは、金狙いページビュー狙いの商業主義者にはないのかもしれません。最近悲しい事だなと少し思っています。
大変興味深い話でしたので、是非下の60Minutesの特集と一緒に観てみることをお勧めします!
これが本人です。大変興味深く観ることが出来ました。
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海外ドラマのレビューを過去に書いたのを集めていますー!