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患者SNS「ミライク」のおかげで今の自分がある|全身性エリテマトーデス(SLE)患者 ちーちゃんインタビュー

「ミライクのおかげで、今の自分がある」

こう話すのは、全身性エリテマトーデス(SLE)患者さんであり、ミライクのアプリリリース当初からのユーザーである、ちーちゃんさん。

全身性エリテマトーデスとは、全身に炎症が起こる膠原病(自己免疫疾患)の1つです。英語ではSystemic Lupus Erythematosusと言い、省略してSLEと呼ばれています。
SLEは指定難病であり、20~40代の女性に多い病気です。日本国内には、治療を受けていない人を含めて10万人以上の患者さんがいます。

全身性エリテマトーデス(SLE)診断までの日々

指定難病である全身性エリテマトーデス(SLE)と戦いながらも、明るく前向きに毎日を送られています。

今回は、ちーちゃんさんに病気との向き合い方やミライクへの思いを伺いました。

ちーちゃんさんプロフィール

ちーちゃんさんのミライクアカウント
アプリでは画面上部に「ちーちゃん」と入力し検索!

【病歴】
・胃痛で近くのクリニックを受診。胃薬を処方されるが改善せず。
・2021年10月に、足の浮腫みとタンパク尿の症状で総合病院へ紹介を受ける。年末にSLEと診断。胃痛は心膜炎だったと発覚。診断直後から、約2ヶ月入院に。
・現在は、内服と自己注射で症状は安定。


全身性エリテマトーデス(SLE)診断前後の悩みや思い

ーー最初の病院に通っている間、なかなか胃痛がよくならなかったんですね。不安でしたか?

当時は、心膜炎のせいで、ちょっと歩いただけなのに息が切れていました。今考えたら相当キツイですよね。でも、良くも悪くも知識がないから、そんなものなのかなって思ってました。

ちょうどそのとき、仕事で新しいエリアの営業を任されていたんですよ。なので、そのプレッシャーかなと。

仕事は頑張りたいし、負けず嫌いなので「こんなことで休めるか」って思ってました。

休むという選択肢はなくて、仕事を頑張ることばかり考えていましたね。

ーーちーちゃんさん、仕事が好きなんですね。全身性エリテマトーデス(SLE)の診断にたどり着くきっかけは、通ってた近くのクリニックの先生が浮腫みに気づいてくれたことでしょうか?

そうです。
何回か通ううちに「足、浮腫んでない?」って気づいてくれて。

その場で血液検査と尿検査をしたら、尿蛋白が出ていて「早く大きい病院に行ってください」と、紹介状を書いてもらいました。

ーー全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されたときのことを教えてくれますか?

腎生検ができる病院に紹介されて、最初は年明けに診察を受けることになってました。

でも年末に突然40度の熱が出て。
そのまま入院になりました。

その時は、さすがにヤバいかなとは思ったけど、コロナがピークの時期だったので、コロナかな?って。

まさか、難病だとは思ってなかったです。

入院した時に、周りがすごくバタバタしていて、「あ、これはただ事じゃないな」と思いました。

診断が確定したときは、両親が呼ばれて説明を受けたんですよね。
そこで、こういう症状があってこういう治療をしていきますと、説明されたのですが、正直、衝撃が大きくてあんまり覚えてないんです。

ただ漠然と、これから入院になるんだっていうのと「子どもは簡単には産めない」って言われたことだけ、ハッキリ覚えてます。

ーー2ヵ月くらい入院されていたようですが、病院で同じ病気の患者さんには出会いましたか?

腎臓内科にいたので、1人も会いませんでした。
周りも高齢の人ばっかりで…

ただ入院していた病棟で、高校の同級生が看護師として働いていたんですよね。

その子たちと毎日話してたので、寂しいとかはあんまりなかったです!

「自分って病気なんだな」退院後のリアルな生活と葛藤

ーー退院してから、悩みや不安はありましたか?

はい、退院してからの方がよりリアルな現実でした。

入院中は、ご飯も決まったものが出てくるから、それを食べるしかなかったんですけど、退院したら自分で塩分とか調べなきゃならなくて大変で…
はじめは怖くて、かなり細かく塩分を計算してました。

あと、周りの人は薬を飲まないのに、自分だけ飲まなくてはいけない。
退院してすぐの頃は、お昼に飲むステロイドとかもあったので。
そういうときに、自分って病気なんだな、と実感しました。

ーー診断がついた後、治療のことよりお仕事や生活のことが気になっていたと聞きました。

治療のことよりも「元の生活に戻れるのか」ということを気にしていました。

治らない、治療法はないって言われたし、自分は医者じゃないからそこは考えてもどうにもならない。

だったら、今できることで生活の質を維持できればいいかなと思いつつ、でもどういう生活になるかもわかんないし、周りに同じような人もいないし…

主治医からは、営業を続けてもいいけど、また入院する可能性もあるから内勤の方がいいよと言われて。

仕事は、全力で頑張りたい。
でも、営業を続けて、また入院になったときに、変に病人ってイメージをつけられたり、気にされたりしてしまうのは嫌だなと思って。

なので、上司に全部病気のことを伝えて、こういうことはできます、こういうことはできません。だから、可能なら異動させてくださいと伝えて内勤にしてもらいました。

ーー仕事の働き方を変えたことについて、納得はされていますか?

いまも全て納得しているわけじゃないですけど…
正直、それ以上考えても解決するわけじゃないし、しょうがないかなって思ってます。

ーーちーちゃんさん、前向きですね。

他のSLE患者さんと話したとき、「自分の考え方って、人と違うのかな?」とは思いましたね。
病気を受け入れるのが早いのかな、というか(笑)

自分がわりと仕事が好きなので、仕事できなくなって、また入院生活になる方が嫌だなって思って。

病気のことをよく知らなかったから、深く考えずに逆に良かったのかもしれないです。

患者SNSミライクアプリを通じた同じ病気の友人との出会い、自身の変化

ミライクオフ会の様子

ーーミライクを通じて知り合ったSLEの患者さんと、かなり親しくされていると聞いています。2人の今の関係や、この出会いがちーちゃんさんにどんな影響があったのかをお伺いしたいです。

1つの共通点があると、本当に話しやすいですね。

同じ病気ってだけで、距離感が近くなります。
毎日連絡をとってますね。
気を遣われずに病気のことを話せる相手だから、暗くならずに分かり合えるという感じがします。家族でも、結局は病気になっているわけではないですよね。
当事者同士というのは大きいです。

ーー当事者同士だからわかることもあるんですね。普段はどんな話をしているんですか?

病気の話もしますけど、それは3割くらいですかね。
普通に20代女子の恋愛トークとかが多いです(笑)
仕事を頑張りたいっていう部分も似ているので、ここまで仲良くなれたんですかね。

病気だけじゃなくて、大事にしていることなどパーソナルな部分が見えた、人と人との関わりができています。
2人の出会いのきっかけが病気だっただけ、って感じですね。

ーーミライクを通して、良いつながりを持てているんですね。ちなみに、ミライク上では、患者さん同士でどんなお話をされていますか?

好きな音楽の話とかもしますけど、ミライクでは結局病気の話に戻ってくることが多いかな。

困っていることを相談するのも良いですけど…
ミライクは明るい話も、普通にできるんですよ。
もちろん悩み相談もできる。

X(旧Twitter)の闘病アカウントだと、病気に関係ない話とか明るい話はしにくいって言ってる人がいたのですが、そういう人は、ミライクだと自分の好きなことの話とかもしやすくて良いんじゃないかなって思います。

病気を持つ人たちのことをたくさん知って、「みんな、同じだな」とか「みんな頑張ってるな」って思えるのがいいなと思います。

ーーミライクとの出会いによる、ご自身の変化はありますか?

もともと、前の交流会で話したみたいに、自分のために行動しようっていう気持ちが大きかったんですけど、今は、自分のように病気で悩む人のために行動したいなと思うようになりました。

ミライクを通じて、同じ境遇や、違う病気の人でも考えていることは一緒なんだなとわかったんですよ。アプリだから他の人の考えが文字として可視化されていて、同じだとわかったことで、自分の意見に自信が持てた。

だから、まだミライクを知らない人もここを知ってもらえば、同じ生活でも見え方が全然変わってくると思うんです。

ミライクのおかげで、今の自分があると思います。
もっと広がって欲しいですね。

ーーこれから、ちーちゃんさんがやってみたいことや、実現したいことはありますか?

ミライクを、もっと大きなコミュニティにしていきたいです。
患者さんの周りにいる人や、病院の人にも知ってもらいたいですね。

あと、同世代(20代)のユーザーが増えたら、疾患問わず集まってみても楽しそうだなと思います。

ミライクで仲良くなってみたい人もいるので、インタビューとかやってみて、相手の内面を知れたら良いなと思います。

ーーちーちゃんさんがやりたいことをお聞きしたのに、ミライクでやりたいことを答えてくれるなんて…ありがとうございます。一緒にもっとミライクを広めていけたら嬉しいです。

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執筆/三上小夜香(薬剤師・ライター)、企画・編集/藤澤春菜(看護師・保健師)