脱ぐノオト。#000/はじめます。
着膨れた私。
親の価値観や社会の常識や固定観念、
そして、人生観を形成する出来事の遭遇。
それらによって、裸で生まれた私は、
沢山の服を一枚一枚羽織るような生き方をしてきた。
心がこれ以上傷付かないようにと願って。
でも、そんな状態だったことに、
そもそも気がついていなかった。
なぜって、それが“大人になる”ということであって、
当たり前のことだと思っていたから。
そして、そんな着膨れた私が、
本当の私と思っていたから。
*
3年前、夜中に泣き叫ぶことが増えていた頃。
長男を産んだばかり、当時2歳の幼い長女を抱えたコロナ禍。
精神的に崩壊寸前だった。
でも、周りは気づいていない。
そもそも、気づかれてはいけないと思っていた。
家では、夫、母、長女に、ひどい言葉を投げていた。
強烈な嫌悪感で1日が始まる。
まるで翌朝の二日酔いのような。
もう限界だった。
眠れない夜は、ノートに気持ちを書き込んでいた。
でも、それすら、本音を明かすことができなかった。
いつも冷静で前向きな私を、ノートの上でも演じていた。
もはや、本当の自分が何を思っているのか、わからなかったのだ。
そう、着膨れた私に、気が付いていなかったからだ。
*
そして、今、少しずつだけれど、服を脱ぐ方法がわかってきた。
そうしたら、服を着ている必要はないのだと、
なんとなくわかってきた。
1枚ずつでも脱いでいくと、スッキリした〜と、
心も体も悦んでいることがわかってきた。
ただ、脱ぐことは、
怖い。
初めての男に、生肌を晒すような感覚だからだ。
でも。
脱いでいきたい。
脱いでいくさまを、脱ぐノオト。で晒していきたい。
脱いだ先に、とてつもなく大きな愛があると信じているから。
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