31. 最終回
彼の方から連絡はないだろうと思っていたけど、どうでもいい内容のメールは3日に1度くらいの間隔で送られてきた。
URLだけ貼り付けた、彼独特のメール。
私は返事もせずスルーした。
そしたら、そのうちメールも来なくなった。
そして3ヶ月ほど経って、彼のことを考えない生活にも慣れてきた頃、彼から二人で飲みに行こうと誘いのメールが来た。
「次の週末どう?」と。
付き合っている間は、彼から会おうと誘ってきたことは1度もなかった。
いつも私から誘って、音信不通にされたりドタキャンされたりしながらも、1ヶ月に1度程度会ってもらっていた。
だから、彼から誘ってきたことにかなり驚いたけど、「3ヶ月黙って待てば、彼からも誘ってくるんだなぁ」とまた彼について新たな発見をしたような感じがした。
私は、今まで彼が私にしてきたのと同じように、何も返事しなかった。
そのあとは彼の方からも催促のメールはなく、その週末が何事もなく過ぎた。
そして、いちども彼からの連絡がないまま、さらに3ヶ月が過ぎて、私が彼と別れると決めて連絡を取らなくなってから約半年経った頃。
彼から着信があった。
夜、家で一人でいたら、スマホが鳴った。
画面を見たら彼の名前が出ていて、心臓が止まるかと思った。
応答しないでいたら、しばらくして鳴りやんだ。
さすがに、半年も経ってから電話をかけてくるとは思わなかったから、ものすごく驚いたけど、
同時に、半年も連絡を取らなかったのに、彼はまだ私のことを覚えていて、どういう感情を伴ってかは分からないけど、とにかく実際私に電話をかけてきてくれたんだと思った。
これで本当に私の気が済んだ。終わった。
それ以降は、もう彼からも全く連絡はないし、私からもしていない。
彼のSNSも、1度も見ていない。
これで、冷たい彼氏との話はすべて終わり。
読んでいただきありがとうございました。