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#002知的重度自閉症児16歳の自力通学一部始終②【リアルレポート】

こんにちは。
自閉症児Kの母みいこです。

知的障害重度の自閉症児も
支援しだいで交通機関を
一人で利用できるようになる!


それぞれに気づきや難関があり、
そのリアルな一部始終を
お届けしていきます。

詳しくは前回の#001をお読みください。

知的障害重度の自閉症児の自力通学ルート


自力通学のルートは、大きく分けると5つになります。

1.自宅から最寄り駅
2.電車に乗車と降車
3.電車からバスに乗り換え
4.バスに乗車
5.バスの降車から学校まで



1.自宅から最寄り駅
2.電車に乗車と降車


については前回の#001に書いています。

そちらを読んでから、今回の#002をお読み下さい。

今回は難関の「乗り換え編」です。

1.電車からバスに乗り換え


1.1電車から下車→バス停へ



上りではなく、下り方面(都心とは反対に向かう電車)のため、それほどの混雑はなく座れる混雑具合なので、その点はよかったです。

反対ホームを見ると、8時前の時間帯は上り電車の乗車率は90%くらいでしょうか。かなり密で混雑しています。これに乗車となると、大丈夫かな?と頭をよぎりました。

ちなみに。

満員電車に乗るストレスは、戦地の最前線で戦う戦士と同じくらいのストレスだと言われています。戦場に行った経験がないのでなんとも言えないですが、たしかにピーク時における満員電車の混み具合は、殺人的とすら表現したくなるほどです。

聴覚過敏や感覚過敏があり、
こだわりの強い自閉症のKには
到底無理ゲーかと思われます…

そこにどうやって
合わせなきゃならないか、

より

そこと関わらないように
働けるような生きかたを
選択できるといいのですけどね…


知的障害があると出来ることにも限界があるし、テレワークなども難しい。なんとか今の社会に沿って働くためには、あきらずに少しずつ社会性を育てて行くよう、支援していく必要があります。


最寄り駅からターミナル駅までは無事にクリア。電車を降ります。一気に人が降りるので、最後に車両から降りるようにしました。

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すごい混雑ですが、
健気に歩いて行きます。

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人の流れに沿って
出口の改札も、バッチリです。


リュックにも一工夫

みずいろのリュックを使用していることにも、ちゃんと理由があります。人混みの中でも見つけやすいからです。(以前に行方不明になり、全国手配になった経験あり)そしてお守りのように、ヘルプマークをつけています。

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1.2バス停まで徒歩


そして次は、バス乗り場へ
歩いて行きます。

よりによって、千葉県で一番
混雑するターミナル駅だそうです。

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向こうからこっち側に歩いてくる人も多いけど、ぶつからずに人の流れをよく見ています。急いでいる人たちにどんどん追い抜かれているが、あくまでマイペースのK。ゆっくり自分のペースで歩いていきます。

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あやうく見失いそうになる


3分ほど歩いて、
バス乗り場へ到着。

1・2・3番線があり、
2番線に並びます。

ここから3つの
難関が出てきます!


1.3自力通学バスの難関①


多い時はバス停に50人以上
並んでいるということ。

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バス停で並ぶK

列が途中で折り返していて、
何番線の列がわかりにくいので
先頭を確認してから並びます。

間違って、3番線に並んで
いたことがありました。
そのくらいカオスの混雑です…

列が進んだら、流れに沿って
前に詰めて行きます。

1.4自力通学バスの難関②


難関2つ目は、2番線には
行き先が3つもあってわかりにくい
ということ。

Kには、このように伝えてました。

〇〇車庫行きは学校手前で終点のためバツ
〇〇がんセンター行きは路線が長く、
大変混雑するのでこれもバツ
〇〇キャンパス行き、これに乗車します。

バス停に並んでいるんだから
来たバスに乗りますよね。

でもそれじゃ学校に辿り着けない。
しかも漢字が読めないKには
「キャンパス」というカタカナを
キーワードにして覚えてもらい、
「〇〇キャンパス行き」と
表示してあるバスに乗車するよう
伝えていました。

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うーん、わかりにくい…。


1.5自力通学バスの難関③


最後の難関は、
列を抜けること。

Kの乗る○○キャンパス行きのバスが来ても、「○○がんセンター行き」のバスに乗る方々は、そのまま列に並んだままなので、列から抜けて、バスの乗り口まで歩いて行く必要があるのです。

同じ学校の先輩の生徒が
列を抜けて、並んでいる人を
追い抜いてバスに乗車した時は

え?追い抜いてちゃっていいの?

と、ちょっと驚きましたが
「暗黙のルール」らしいのです。

この暗黙のルールには、
私も混乱しそうでした…

自閉っ子に「暗黙のルール」
とか、一番難しい…。

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2.1バスに乗車


難関を抜けると次は
バスに乗車します。

バスは乗車時にSuicaを
電子機器にタッチ。
ここはすぐ出来る
ようになりました。

流れがわかりやすい時は
すんなりクリアできます。

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バスが来たら、リュックを下ろして、空いている席に座ります。始発から乗るので、たいてい座ることができます。この辺は大丈夫でした。

ここだけの話し

詳しくは言えませんが、過去には数々のトラブルがあったそうで、バス会社から特別支援学校にクレームの電話が何度も来たことがあるそうです…

身体障害などは、見た目で
認識してもらいやすいけど。

知的障害はパッと見わからないので…
誤解を受けることが多々あります。

パニック時など、幼少期のころは

どうか、迷惑をかけたくないので
スルーして下さい。
助けてくれなくていいので、
素通りして下さい。

と、冷たい視線を感じながら
心の中で強く思っていました。

ちょっと奇異な行動をしている時などは
「あ、なんか頑張っているのかな」と
「温かい目でスルー」していただけると
気持ち的に大変ありがたいです。


2.2同級生との連携


療育時代からの同級生も
同じ学校に通学しているため
同じ通学路の友達の動きも見て
流れをつかみ、練習を重ねます。

本人に気づかれないよう、
遠くから姿を確認する
場面も増えましたが、
人が多い時はそれも難しい。


同級生の女の子Aちゃんはしっかり
コミュニケーションを取れる子で
スマホも持っています。

なので。
Aちゃんのお母さんに連絡。

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「Kがちゃんと並んでいたか、
ちゃんとバスに乗車出来たか、
Aちゃんに確認してもらっても
大丈夫ですか?」

と、聞いてみる。

もう付き合いの長い、
戦友のようなママ友です。

「オッケー、いいよー。
Aに聞いておくね!」

と、快諾してくれました。
本当にありがたい存在です。

すぐに連絡がきました。

「Kくん、ちゃんと並んでいて
〇〇キャンパス行きのバスに
ちゃんと乗っていた、
ってAから連絡きたよー」

本当に助かります。
保護者同士の助け合い、
連携は本当に大切で
ありがたいです。

ちなみに。
同級生Aちゃんによると

「Kくん、ずーっと窓の外の景色を見てるから、乗り過ごすんじゃないかと心配だった~。」との情報あり。女の子はしっかりしていて、よく見てますね。

しかしKは
見ていないようで
ちゃんと見ていて

わかっていないようで、
ちゃんとわかっている
ようです(^^)


2.3「止まります」ボタンを押す

降りるバス停の一つ手前の
バス停を出発したら、
「止まります」の
ボタンを押します。


自閉っ子はボタンを
押すの好きな子多いですよね。


Kもそうです。
ボタンを押すと、車内の全部の
ボタンが光るのが面白いらしく。
車内を見渡しながら
ボタンを押してました。

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同じ学校の生徒が数人ほど
乗車しているので、
大抵は誰かがボタンを
押してくれるのですが。

実習や校外学習などで
他の生徒がいない時もある
ため

しっかり自分でできるよう、
身に付けなければなりません。

「○○のバス停を過ぎて、
ガソリンスタンドが
見えたらボタンを押す」

を徹底して、なんとか
できるようになりました。

20分ほど乗車して、
目的地のバス停で降ります。

3.バスの降車から学校まで


そして最後のステップは、
バスの降車から学校までの道のり

同じ制服を着た、見慣れた人たちがどんどん下車していくので、「ここで降りる」ということはちゃんとわかっていた様子。座席を立ち、ひざに置いていたリュックを背負い、流れに沿ってバス前方の出口へ。

バス停で降りる時のSuicaのタッチもオッケーでした。信号もなく学校までまっすぐ徒歩10分程度。学校までの徒歩もオッケーでした。

ふぅ。


とりあえずは、
一人で行けそうかな?

一通り、大丈夫そう。
そして自力通学の判定に
挑むことになります

母はこれに毎日付き添って、
帰りは自宅まで一人で帰ります。
正直、結構しんどかったのですが…

自力通学をしっかりと
身に付けなければいけない
大切な過程なので、


面倒臭がらずにここは
一ヶ月くらい付き添いました。

K母みいこは事情を話し、
仕事は午後からの短時間勤務
にしてもらっていました。

4.学校の先生による自力通学の判定



「もう自力通学オッケー」と
保護者が判断したら、
担任の先生が本人に付き添って
自力通学がOKか判定をします。

判定の日、わざわざKの自宅まで
朝の7時過ぎに担任の先生が
来てくれました。

一体何時に自宅を出たんだろう?
先生も大変だな~と、思いました。

ここまでやってくれるなんて
特別支援学校の支援は
さすが手厚い!
ありがたいことです。

判定の項目は以下のようになっていました。

・JRでは改札でのSuicaの利用の仕方
・人の流れに沿って移動が出来ている
・電車を待つ様子、乗車時の様子
・目的の駅できちんと下車出来る
・バスでは、目的のバス停に
 ちゃんと並ぶことが出来るか
・バスを待っている時の様子
・列が進んだら流れに沿って
 前に詰めている
・目的の行き先のバスに乗車出来る
・乗車時のSuicaの利用の様子
・リュックを下ろして、
 空いている席に座る
・席が空いてなければつり革
 につかまって、安全に立つ
・目的のバス停に着く前に
 「止まります」ボタンを押す
・目的地できちんと下車できる
・下車してから徒歩で学校へ


こんな詳しくチェック項目が
あるようです。キビシー!

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さあ、無事に判定クリアできるのでしょうか?

次回、#003「判定の日編」です。

お付き合い下さり、ありがとうございました。


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