#004特別支援学校卒業!知的障害児の主たる5つの進路先!自閉症児16歳の自力通学一部始終④【完結編】
こんにちは。
自閉症児Kの母みいこです。
知的障害重度の自閉症児も
支援しだいで交通機関を
一人で利用できるようになる!
それぞれに気づきや難関があり、
そのリアルな一部始終を
お届けしています。
自力通学のルートは、大きく分けると5つになります。
1.自宅から最寄り駅
2.電車に乗車と降車
3.電車からバスに乗り換え
4.バスに乗車
5.バスの降車から学校まで
詳しくは
#001「自宅から電車に乗車」
#002「乗換駅からバスに乗車編」
#003「判定の日編」
をお読みください。
1.特別支援学校の卒業後の進路はどうなっているのか?
知的重度の障がい児が
自力通学するまでには
スモールステップの積み重ねが
とても大事です。
1人で通学させるのは心配ですし
送迎の方が楽なのですが、
最後に、自力通学する重要性に
ついてお伝えしていきます。
それは、特別支援学校の卒業後の
進路に大きく関りがあります。
特別支援学校を卒業すると、
さらに進学する人は皆無に近く、
ほとんどの方が社会人となります。
2.特別支援学校卒業後の知的障碍者5つの進路先!
・一般企業就労
・就労支援A型
・就労支援B型
・生活介護
・就労移行支援
上記の5つが一般的です。
知的障害者の進路状況はどうなっているのか?
知的障害者が特別支援学校の高等部を卒業した後に、
情報が少ないため、実はあまり
知られていないのが現状です。
自閉症児の保護者目線で
現状を掘り下げていきます。
2.1一般企業
知的障害者の一般企業の進路先としては、
企業の障害者雇用という形があります。
主な仕事としては
・飲食店(食器洗い、清掃など)
・バックヤード
・品出し
・スーパー
・清掃会社
・ホームセンター
・データ入力
・ベッドメイキング
主に
軽度知的障害者
身体障害者(知的に問題なし)
などが採用されるケースが多いようです。
実はK、知的障害重度のASD(自閉症)ですが
企業から障害者アーティスト採用のオファーが来て、
2022年4月からパラアーティストとして活動します!
詳細は現在執筆中です!
2.2就労支援A型
一般就労の難しい障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスです。最低賃金(市町村の定めた最低時給)が保証されます。社会保険の加入義務もあります。
一日4~6時間程度、週5日ほど勤務する事業所が多いようです。月に80時間以上の労働になり、社会保険が適用になる場合があります。雇用保険が付くので退職後に失業保険をもらうことも可能です。
障害者年金と、就労支援A型を
合わせた収入面を見ると、
「一人で自立することも
出来る可能性は十分がある!」
と、感じました。
みいこは実際に就労支援A型事業所にて職業指導員として勤務していた経験があります。
そこの事業所の利用者さんは
・精神障がい6割
・知的障がい3割
・身体障がい1割
という割合でした。
今現在、就労支援A型事業所のぶっちゃけトークの
記事を書いているので少々お待ち下さい(^^)
2.3就労支援B型
就労支援B型事業所は、雇用契約を結ばないため最低賃金の保障はありません。簡単な軽作業の対価として、工賃(平成29年度平均月額15,603円)をがもらえます。
対象者に年齢制限はなく、以下のいずれかの要件を満たす方となります。
は、工賃という形で月収5千円~2万円ほどが相場です。
平成29年度の平均月額工賃は15,603円
日給じゃなくて、
月額の工賃が約15000円前後です!
1時間にすると199円ほど。
自立には程遠い…
これを知ったときは正直ビックリしましたが
ほとんど知られていない障害者の現実です。
あとは障害者年金と合わせて
生計を立てていくしかありませんが
金銭的な自立という面は難しく、
家族のサポートや負担が
大きいのが現状でもあります。
2.4生活介護
生活介護事業所は常に
介護を必要とする方。
つまり、重度の障害者が
利用する施設です。
主に日中に
・入浴
・排せつ
・食事等の介護
・調理
・洗濯
・掃除
などの生活等に関する相談や
助言を受けながら、
援助や支援を受けます。
高齢者のデイサービスを想像していただくと、
わかりやすいかもしれません。
日常生活に関する相談や
助言を受けたり、
創作的な活動や生産活動の
機会の提供などがあります。
(例)
クッキーづくり
箱折り
ラベル貼り
などの軽作業が主な内容と
なっているようです。
2.4.1事業所によって提供するサービスは幅広い
生活介護事業所では、
理学療法士や作業療法士が
利用者の身体機能や生活能力を
維持・向上させるために
機能訓練を行ったり
看護職員が常勤で
医療的ケアに対応したり
する場所もあります。
2.5就労移行支援事業所
就労移行支援とは、
障害者総合支援法によって
定められたサービスです。
一般企業への就職をすることを前提とし、
そのための知識や能力を身につけるために
訓練していきます。
就職するための支援を
受けることが出来ます。
就職後は長く仕事が続くよう
「就労定着支援」に切り替わります。
2.5.1期限
注意点としては就労移行支援事業所の
利用には期限があります。
期限は24ヶ月(2年間)の利用が可能です。
就労移行支援は、この2年間の間に
就職先を探さなければなりません。
2年間しか利用することができないため、
次の進路先がなかったとしても
事業所を卒業せざるを得ません。
2.5.2工賃・給料
就労移行支援は原則、事業所から
給料や工賃が支払われることは
基本的にはありません。
訓練するための機関のため
雇用契約を結ぶこともありません。
一般の企業に就職するために
必要なことを身に付けることを
目的としています。
作業を通じて社会的スキルを身につけるため
「学校」で学んでいるというイメージです。
2.5.3利用できる人
一般企業に雇用されることを
目指している方。
・身体障害
・知的障害
・精神障害
・発達障害
などの障害がある方が利用できます。
障害者手帳の有無は関係がなく、
就職が困難と自治体や
医師から認められれば、
利用することが可能です。
2.5.4訓練内容の一例
訓練内容は、施設によって様々ですが、
よくある事例を5つあげます。
・就職するまでの求人の探し方
・ハローワークの登録等の支援
・ハローワークや企業の面接練習
・企業での実習
・就職した後に仕事を続けることができるように支援(就労定着支援)
各事業所によって訓練や
サポート内容は、異なります。
3.「福祉サービス事業所一覧」
特別支援学校在学中に
「福祉サービス事業所一覧」
という冊子が配布されます。
近隣の市町村の福祉サービス事業所が
網羅されているので、これは大変役立ちました。
「自宅から通いやすそうな
B型事業所はあるかな?」と
我が子の特性に合いそうな、
事業所を探すのに大変役立ちました。
ぜひ、参考になさって下さい。
障害福祉サービスの概要について(厚生労働省の資料参照)
4.障害者の老後はどうするの?
障害者福祉の仕事に
長く関わってきましたが、
「自分の子供なんだから
自分でなんとかしよう」
と、真面目な親ほど頑張りすぎて
結果、子離れできなくて、
子供も親に依存しているような
家族のケースをたくさん見てきました。
問題は、親が老齢で
サポート出来なくなった場合や
亡くなった場合。
親がまだ動けるうちは親が
サポートすることが出来ます。
が、子供だった我が子も大人になり、
その分、自分は年老いていきます。
我が子が45歳になった時に
自分が75歳だとしたら。
自分の健康さえも危ういかもしれない年齢で
我が子の支援もしていかなければならない。
想像するだけで、プレッシャーを感じます。
障害者のグループホームなどは、
需要はあるが供給が追い付いていないため、
利用したいと思ったタイミングで
入居出来ないケースも大変多いです。
5.我が子の特性や性格、事業所の雰囲気や通勤のしやすさなどを参考に
Kは特別支援学校の入学時、高一の時は
就労支援B型を目指していました。
就労Bで週3ぐらい働いて、
休日には芸術活動も楽しんで、
Kにはそのくらいがちょうどいいのかな?
そんな感じが、Kには幸せなのかな?
と、考えていました。
高校生になってからの成長が著しいので、
高二の職場実習では就労支援A型の
企業体験にも参加していました。
就労Aと就労Bの生涯年収は、全然違うのです。
就労Aは基本、自力での通勤が前提です。
自力通学ができるようになると、
就労先の選択の幅が格段に増えます。
そして、制服を着ているうち
(学生のうち)は失敗をしても
世間も大目に見てくれます。
社会人になってから練習と言っても
親も年を取るし、大変です。
そして社会人になってから
不審な行動をしていて、
「警察に通報された」
というリアルな話しを
特別支援学校卒業生の
保護者の方から聞いたことがあります。
・交通機関の利用
・電話での連絡
・意思疎通、最低限のコミュニケーション力
・困ったときの対応の仕方等
社会的スキルはなるべく学生時に
身に付けておくとよいでしょう。
「学生って守られているなぁ」
と、つくづく思います。
まだ若くて頭も柔らかくて、
ギリギリ子供のうちに
いろんなことを身につけることを
オススメします。
「子供が一人で生きていけるように自立させる」
これが、最終目的ですよね。
決まったバス停で降りるような
習慣があれば、タイミングが来たら
「とまります」ボタンを押すとか。
家から最寄り駅までは
一人で歩いて行ける程度は、
中学生くらいで身につけておけると
格段に成長の幅も広がってきます。
6.どんな子供も成長する力を持っている
今のKからは想像つかない
と言われますが、
多動がひどかったのです。
5歳の頃、スーパーに行ったら
ピューッといなくなり、
2歳の妹をベビーカー、
1歳の弟をおんぶしているので、
追いかけることもできない。
1人で子供3人連れて
外出するのが恐怖でした。
小5の時に行方不明になり、
全国手配になり、警察犬まで出動。
結局夜中の12時半に、
パトカーに乗せられて
帰宅する事件がありました。
あの頃は、途方にくれていました…
今は大変でも、どう関わっていくかで
5年後、10年後は全然違います!
ぜひ自分のお子さんを信じて、
寄り添ってあげて下さい。
知的障害重度で自閉症児の
自力通学について
まとめさせていただきました。
お付き合い下さり、
ありがとうございました。
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Kの芸術活動や自閉あるある等
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