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能登ボランティア_分からないからこそ、分かりたい。

先日、10/7-10で能登へボランティアに行ってきました。寄付にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました…!!
遅くなりましたが、感じたことや思ったこと、いろいろあったので残しておきます。

1  そもそもなぜ能登に行くことになったのか


震災が発生したのは今年の元旦。
もちろん衝撃はあったけれど、自分ごとにはならなくて「テレビで見る映像」でしかなかった。

今年は地震や台風など、たくさんの災害が起きてこの日本はたくさんの土地で被災した人たちがいた。
でもわたしは、幸か不幸か自然災害と呼ばれるものにまともに遭遇したことがなくて。
今年は特に、たとえば昨日までいた鹿児島に今日地震が起きたり。3日前までいた沖縄に台風が来たり。
すんでのところで遭遇しなかったから「当事者」の方たちの状況や気持ちが分からなかった。

体験していないから、分からない。
想いを馳せることはできるけど、実際に体験した人たちの痛みなんて全然想像できない。
それが悲しかった。

だから、ちゃんとその土地に行って、その土地の痛みや悲しみ、そこにいる人たちの感じていることを感じたかった。

心の中にそんな思いはありつつも、タイミングやきっかけがなくて行くには至ってなかった。
(なんせ北陸なんて一度も行ったことがないし、すごい遠いっていうイメージがあった)

そんなときに、友人であるどりちゃんから「能登行かない?」って誘ってもらった。
正直、びっくりした。
その前日に、10月の予定をガラッと変えて
10/7-10はドンピシャで空いた日程だったから。

流れが来ているときって、なんの努力もなく
流れるようにびっくりするぐらい、スムーズに決まっていく。
葛藤と痛みと共に変えた予定だったからこそ、流れが入ってきた。
もし誘ってもらったのが3日前だったら、もしかしたら「行きます」って言ってないかもしれない。
そんなミラクルと共に、能登に行くことは決まった。

2  日程・体験したこと

10/7(月)

東京からの夜行バスで、朝金沢駅に到着。

地味に初北陸上陸!&初金沢!

駅前のアパホテルの温泉でゆっくりして、お昼過ぎにどりちゃんと合流。
レンタカーを借りていざ出発🚗

グッズや食料の買い出しをして、能登へ向かった。
18時頃、拠点である「茅葺庵(三井BASE)」に到着🎉

18時時点でだいぶ真っ暗だった

みんなでご飯を食べて、語らって。

あったかいご飯🥺🍚
みんなで食卓囲んで食べた🍽

みんなで囲む食卓っていいなあとしみじみ。

お風呂はタライ風呂🛁
心配してたお風呂も、ちゃんと設備整ってた🛀

どでかいタライ風呂!

そして、ボランティアは泥出しか拠点の運営サポートをする予定だったけれど、ご飯を作りに来てくださった方が炊き出しに行きたいとおっしゃってて、それならばと急遽炊き出しのお手伝いをすることになった。

あれこれして結局1時頃就寝。

10/8(火)

6:45 起床。朝から炊き出しの準備で、おにぎりづくりのお手伝い。
作ってる間にみんな続々と起き出して、ラジオ体操、拠点の掃除、朝礼など朝のルーティンが行われた。

その間にも黙々と作り続け、10:00頃 350個ほどのおにぎりが完成。

カラフルで可愛い🍙🌈
朝になって、やっと見えた看板🪧
「三井(みい)」という地区の拠点。
拠点の全体像もやっと把握!

準備をして出発し、1時間弱で町野町にある「もとやスーパー」に到着。
みなさん今か今かと待っててくださったようで、大大大人気!結果、おにぎりは30分ほどでなくなった🎉

次から次にやって来ては持って行ってくれた

その後は泥出しのお手伝い。もとやの息子さんにストレッチしてもらったりお話を聞いたり、休憩しながら15時頃まで泥出しをした。

スーパーの中。
水害で、一面泥が入ってしまったらしい。
泥ってめちゃめちゃ重い…
1日でもだいぶ泥出し進んで、すごい綺麗になった!
泥出し終わりにもとやの社長さんと息子さんと📸

拠点に戻って、片付けしてのんびり温泉へ♨️

木の造りでおしゃんだった♨️

帰って、みんなでご飯。やっぱりあったかくて🥺✨

この日も新しい人が来たりして、また違う角度からの話ができた。

この日のハイライト
「ザノフェって初めて聞いた!帰って報告しなきゃ」
by THE NORTH FACEの社員さん

翌日の炊き出しの準備で、夜のうちからみんなでおにぎりを握った🍙
それもまた楽しかったり✨

10/9(水)

7:20 起床。
夜のうちに準備してたから、ちょっとゆっくりめの朝。
朝からみんなでおにぎり握ってくれてて、わたしが起きた時点でだいぶできてた。

ラジオ体操、拠点の清掃、朝礼のルーティンを終えて
9:30頃おにぎり完成。少しゆっくりしてから出発。

わたしの運転で向かうも、途中でナビの目的地を間違えて引き返す🤣
プラス1時間かかって、12:30頃「もとやスーパー」到着。

着くまでの道の様子
瓦礫がそのままになってたり
車がつぶれてたり
鉄筋コンクリートがひび割れてたり
地震のそのままのところに
水害の土砂が入ってきてる感じで
ダブルパンチの被害
電気が付いて重機も入って、
かなり綺麗に!

この日は他の団体も炊き出しに来てて、てんやわんや!お祭り状態だった🏮

ピザ釜でピザ焼いてた🍕
美味しそうすぎた…

炊き出しの種類もたくさんあって半分ぐらい残ったから、仮設住宅へ行ってみることに。

ひとまずピンポンしてみたら、1番はじめに出会ったおばあちゃんが一緒に案内してくれた🥹優しい…
あっちこっち回って、見事一瞬でなくなった🍙

「◯◯さんとー、あそことー、
あ、あっちもいい?」
ってたっくさん案内してくれた!

終わって、ちょっと早めに拠点に戻って、17時頃には温泉へ。
近くだったから、火事になった輪島朝市とビルの横倒し現場にも立ち寄ってみた。

200棟以上が焼けたという輪島朝市。
瓦礫の撤去も進み、ほんとに何もなくなってた。
真横に倒れ、隣にあった居酒屋がつぶされたらしい。
当時居酒屋にいたオーナーの奥様と娘さんが
犠牲になったとのことで
原因究明のためにそのまま残しているそう。
基盤から抜けてポッキリ。
かなり生々しかった。

輪島朝市も、このビルも、ニュースで結構取り上げられていたらしいが全然知らなかった。
一緒に行ったどりちゃんが行きたいって言ってくれたから行けたけど、そうじゃなかったらきっと行ってない。
知らないことたっくさんあるなと実感。


温泉も2日連続同じところに行ったけど、ここも水害の被害を受けたらしく。1週間で総出で泥出しをし、営業再開したばかりだったそう。
その努力と現実に、すごいの一言。
また能登に来たときには立ち寄ろう♨️

18時半頃拠点に戻り、みんなでご飯。
この日もボランティアの方が、パスタ作るけど食べる?って作ってくれた🥺✨

パスタ2種類🍝

3日間のご飯は一応、非常食的にインスタント食品も買って行ったのだけど、結局滞在中は毎日あったかいご飯を食べられた🥺✨ 大感謝🙏✨

この日も遅くまで語らい、23時頃就寝。

10/10(木)

能登最終日。
ゆっくり起きて、帰り支度しつつ。
新たにおにぎりを持って行ってくれる方が来て、一緒におしゃべりしながら準備。

震災を経て炊き出しの団体を立ち上げたみたい。
その純粋な想い、ほんとすごいなと思う。
この日やっと晴れて、
青空×雲×緑のコントラストがくっきり!
こんなに綺麗な場所だったんだ…!
ってびっくり。

帰り道、せっかくだったらここ寄ったらいいよ〜っていくつか教えてもらったので、行ってみることに。

まずは曹洞宗の大本山、總持寺へ。

入口の積石は倒れて折れて、そのまま。
境内の中も、建物がつぶれてそのまま。

ここは水害というより、地震の被害がそのままでまだ手付かずという感じだった。
わたしたちが訪れたときに作業員の方もいたが、なかなか進んでないのかな?と。

住居エリアとそうじゃない場所、違いもあるのかな?なんて言いつつ。

お次は、黒島漁港があった天領黒島という地区。
地震の海底隆起で海岸線がはるか沖に移動して、「消えた漁港」なんて言われてるみたい。

目の前が漁港だったからこその漁船。
緑の草が生えてる一帯は海だったんだって。
信じられる?
堤防の両側は海だったんだよ。

地震発生から5分で3-4m隆起したみたいで、自然の力ってほんとに人間の想像をはるかに超えてくるなあと。

この光景を見ても、最初は「どういうこと???」って理解が追いつかなかった。
見て、歩いて、感じて、ここで何が起こったのかを咀嚼していった。

地盤の隆起でできた島です、とか、隆起してできた地形です、とかよく聞くけど、それってつまりはこういうことなのか…と。
軽く聞いてたけど、とんでもない環境の変化が起こってるんだなあと思った。

天領黒島という地区は、重要文化財に指定された建物が多くある「重要伝統的建造物群保存地区」という地区らしく。
木造の建物が多かったから、被害も結構あったみたいだった。

街並みがとっても素敵だったんだって。
木造建築の街並みは綺麗だけど
ブルーシートで覆われて
全壊や半壊、隣の家からの影響等
危険度の張り紙がされて。
いまだ住んでる方もいるけど、
仮設暮らしの方もいるみたい。
潰れてるお家も。
生々しくて、ちょっと痛々しい。

こうして大事に守られてきた日本ならではの景観がなくなっていってしまうのは、自然災害だし仕方ないのかもしれないけどやっぱり寂しくなった。

帰り道の途中、道の駅にも寄っておすすめされたジェラートをいただき🍨

トリプル!美味しかった〜😋

金沢に戻り、夜行バスで東京へ戻りました🚌

ちゃんとお寿司もいただきました🍣
さいっっこうだった…!


3  行ってみて思ったこと・感じたこと


行ってみてどうだった?と言われて、1番に出てくるのは「分からない」という言葉だった。
というのも、実際に現地に行って、見て、聞いて、感じたけれど、それを感想として落とし込むにはまだまだ体感が足りないなという感覚があり。

適当なことを言いたくはないし、無責任に発したくもない。それは、そこに今も生活している方たちがいるから。

わたしたちは、たまにこうやって足を運んで関わるだけだけれど、能登を生活の拠点にしている方たちからすると、そこが「日常」なわけで。
だからこそ、次はもう少し長期で、ボランティアではなくもう少し能動的に活動できる形で、わたしにとっての「日常」の中で関わりたいなと思った。
分からないからこそ、分かりたいなって。

復興と言うにはまだまだ程遠くて、
でも日々地道に活動している方たちがいて、
そこに生活する人たちがいて、
想いが循環しあって、
思いやりの中で暮らしが成り立っている。

簡単にはいかないこともある中で
それでも日々を生きている。
その姿を目の当たりにして、
わたしはどう生きる?と問いを投げられた気がした。


そしてここに集まる人たちは、それぞれの立場でそれぞれに想いを持っていて
その純粋さに触れ続けられたのが、すごくよかった。

毎日初めましての人がいる中で、夜遅くまで語らって。
ボランティアのこと、災害社会学や震災のこと、人生のことまで。
初めて知る単語もたくさんあって、まだまだ知らない領域・世界はたくさんあるなあと痛感した。

また必ず。帰ってくる。
興味ある方いれば、ぜひ一緒に行きましょう🤝


※ちなみに今回滞在させてもらった「のと復興ラボ」さんは、ボランティアに必要なグッズも設備もかなり整ってて、貸し出しもしてもらえるのでボランティア初心者さんにもおすすめです🔰











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