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沖縄離島めぐり 完〜帰りの道中〜

はじめての八重山諸島。石垣島、西表島、竹富島へ。
透き通る海、星やマングローブ林…離島だからこそ見られるもの、その場所で流れている時間、風、匂い。
ひとつひとつを体感したかった。
そして実際に、この旅で奇跡みたいな出来事をいくつも目にすることとなった。

前回はこちら…

旅の最終日。
帰りの石垣空港に向かうバス車内での出来事。

バスが出発して15分くらい経っただろうか。
旅の帰路と思われる人たちの、旅の余韻と少しの疲れによる心地良いまどろみが漂っていた時のこと。
真後ろの座席に座る男の子が映画『千と千尋の神隠し』の歌を、それはそれは綺麗な歌声で口ずさんだ。

それがバスの窓から見えるサトウキビ畑や、広がる青空の景色にまぁぴったりで思わず涙腺が緩む。
全ての音が遠のき、歌声だけがバスの中に響き渡って
乗客の人たちも静かに聴き入ってるようだった。

それを今歌ったらだめよぼく…!うるっとくるから…

彼は耳コピして覚えたらしく、これ耳だけで覚えたのすごいねぇ、と褒めるおばあちゃんに男の子が一言。
「千と千尋、いっっちばんすきやからな、
 しんけんにきかなあかんねん、しん・けん・にな」
(千と千尋一番好きやからな、真剣に聴かなあかんねん、真剣にな)

……私も何事も真剣に、精進します、と涙腺が締まる。
それにしても離島の景色にぴったりな歌をこの旅の最後に聴けてよかった。
ありがとう、千と千尋が一番好きなぼく。
同じバスに一緒に乗れた奇跡に感謝。

呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心踊る 夢を見たい

かなしみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える

繰り返すあやまちの そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る

果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける

さよならの時の 静かな胸
ゼロになるからだが 耳をすませる

生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ 





はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ

海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから
『千と千尋の神隠し』より『いつも何度でも』
(一部抜粋しました)
八重山諸島、また必ず。

長い長い旅行記になってしまいましたが、読んで頂き、
思い出にお付き合い頂き、ありがとうございました。

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