100日マンガ記録「だるっちうちあけ話」その2~重い腰の持ち上げ方
年を取ってよかったと思うことの1つに
「自分の扱い方がわかるようになる」ことがあげられる。
もし私と同じような以下の性質をお持ちの方がいたら、ご参考になるかも。
・超めんどくさがりでコツコツ作業がキライ
・アイディアを思いついた時点でやった(描いた)気になりがち
・あきっぽい
・自己管理をするのが苦手
こう見ると、マンガ家になるにはなかなかきびしい性質の持ち主だ。
じゃあ何なら向いてるんだと逆に問いたくなるくらいだが、愛のない仕事ならそこそこ心を無にして出来るのだ。
しかしマンガのような心血を注ぐ作業には、これらの欠点をカバーして持続させる仕組み作りが必要だ。
今回は私が自分の欠点をふまえて、100日マンガの完走のために最初にしたことについて書きたい。
今年の2月、マンガ講座(コルクラボマンガ専科)の最終課題(32Pのネーム)に取り組みながら、私の脳裏にうっすら心配がよぎった。
「…この課題を完成させて、来月講座が終わったら、
私はもうマンガを描かなくなっちゃうかもしれない…」
毎回講座で課題が出たり、講師の方がフィードバックをしてくれたり、同期のみんちゃれ仲間がいたりしたから何とか描き続けてこれたようなものの、ネームでも1作品が仕上がって、さらにこのつながりがなくなってしまったら…
イカン。せっかく面白そうな夢を見つけたのに、こんな中途半端な形で終わらせては。
なにか対策を打っておかないと…
それで考えついた苦肉の策が、
「最終日より前に、みんなに『100日マンガをやる』と宣言する」
というものだった。
折しも世間では「100日後に死ぬワニ」がバズリにバズっており、100日後にワニ君がどのような運命を迎えるのか、マンガ仲間同士でも話題になっていた。
「やるなら今しかない!」
と思い、最終課題と並行作業で、100日マンガの構想とはじめの10話分くらいの下書きを描いて、2月、3月にマンガ仲間や講師の方々に会える機会には、積極的にアドバイスをもらうようにした。
マンガ作成の歴でいうと、私は1年生で、みな技術も知識も先輩。
自分がGIVEできるものがほとんどないのに、TAKEばかりしているようで心苦しかったが、それ以上に自分のことを覚えてつながっていてほしかった。
そしていつかその恩を返せる人になることをモチベーションにしたかった。
その時に講師の佐渡島さんや同期のみんなからいただいたアドバイスは、とても有益なものばかりだった。特にだるっちのキャラクター設定については、はじめは全く違う動物だったのを、みんなの意見を聞いて変えた経緯がある。(このあたりも、次回以降のうちあけ話でボツになった下書きと共にお伝えしたい。)
とにかく、みんなに甘えて知恵をお借りし、スタート日も伝えて応援してもらい、簡単に辞められない状況を作れた。
そしてそれは非常に有効に働いて、マンガ自体の質が上がったことはもちろん、ヘコたれそうな時も持ちこたえる大きなパワーになった。
もし今なにかを創りたくて、でも色々な理由や言い訳があって、なかなか重い腰が上がらない人がいたら、
・気持ちが盛り上がっている時、(イベントの終わり際とか、別の作品作ってる時になぜか新しい作品を作りたくなる…←私の場合)ちょっとでも紙とかスマホのメモに概要を書いておく(終わった後だとしぼみがち)
・期限つきの企画にしてみる(100日とか七夕までとか、終わりが決まっている方がお尻に火がつくし、見守る方も見守りめやすができてよいかと)
・下書きやプロットなど、たたき台になるものを作っておく
・短時間プレゼンの準備をしておく(スキあらば概要や自分が迷っているところをすぐ伝えられるように)
・仲間に宣言する(SNS上だけでなくリアルで会える時の方がベター)
・アドバイスをもらうことで企画に巻き込む(負担にならない程度に…いつか恩を返す前提で!)
というのは、とてもオススメの方法です。
今そんな仲間がいない方も、SNS上では定期的なzoom作業会やクロッキー会などが無料あるいは格安に行われているし、みんちゃれなどで検索して目標が合いそうなグループをさがせるので、そういうところで徐々にゆるい仲間関係を構築していくとよいかと。
100日マンガが終わって、持ち前のあきっぽさが顔を出し、「もういいかな」っていう心の声がほんのちょびっとだけある中、
「イヤイヤ!まだみんなにマンガで恩返しできてないし!!!」
という声が、いま私がマンガを続けようと思える大きなモチベーションの1つになっている。
たぶんこの効果は、当分薄れない。
自分のマンガスキルがあがって的確なアドバイスをできるようになるか、
マンガ大賞的なものを受賞して、「○○さんのおかげです」と言えるか、
誰もを魅了する感動の大傑作を作れるか……
そのどれかになるまで。
道のりは遠く、そして楽しい。
おしまい
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「7月7日にダルマさんが(全102話)」の制作エピソードを
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