チリチリ
「この野菜が今から身体に入ると思うと、ゲンナリするよ。」少し大きめに切ったピーマンを見て、軽くテンションが下がるも、早めの夕食を済ませた娘②は、なんとか元気に習い事のダンスに旅立った。
久しぶりに、山芋と一緒に中指を焼いてしまい、さっきから指がチリチリ、チリチリする。
これまた久しぶりに、ラベンダーとティートリーを混ぜこんだアロエ軟膏を塗る。って、いうか多めにのせる感じ。
うーん…。チリチリチリ〜っと。これは地味に痛い。なんか効いてる感じがする。
蚊に刺されて掻きむしった傷とかにキンカン塗ると、すんごーいしみるんだけど、なんか効いてる感じがしてしつこく塗ったりしちゃう。
記憶にないのだが、幼少期にオロナインやテンカフを体中に塗りたくって、よく叱られたらしい。
わたしが真っ白になった我が子を見たら、きっと写メ撮って大爆笑だろう。
だが、わたしの母は厳しく、母子家庭のせいか、いつも忙しくピリピリと余裕がない感じだった。いわゆる手間のかかることは嫌がられ、わたしはいつも顔色をうかがってた。
二人での休日や他愛の無い日常の記憶はほとんどない。わたしもまた、寂しいと悟られまいと、必死だったのかもしれない。楽しかったこともいっぱいあったろうに、もったいないことをしたなと思う。いつか、突然思い出すのかもしれない。
それでも母が世界で一番大好きで、同時に世界で一番キライだった。
思い出したら、なんだか心がチリチリする。
反面教師で、穏やかに人生を楽しむ母親になりたいと思っているけど、余裕が無くなってパニクってくると、「ヤダ、今の、まんまおかんやん」って思う。
半世紀近く生きてきて、周りがジワジワと歳を取ってきた。最近しみじみと男の子(人?)は父親に、女の子は母親に似てくるな〜って思う。
段々と母親に似てくるのかなぁ〜と思うと、それはそれで少しフクザツだな。
娘②が「ママは大きくなったら何になりたいの?」って、よく聞いてたな。
もう、充分大っきいんですけど。(笑)
その度に「可愛いおばあちゃん」って答えた。
なれるかなぁ。「可愛いおばあちゃん」
なりたいなぁ。「可愛いおばあちゃん」
なるぞぉ〜!「可愛いおばあちゃん」