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ととにぽてぃかんそくじょ

風の中に
かすかに

ととにぽてぃかんそくじょ
アンテナ うごかします
ギーッコ ギーッコ

………………………………

「〈前向き〉に、
頑張ってます。
今日も、前を向いて。
目標に向かって。けれど…
けれど、ではなく、そして、
心が暗く重くなります。
それならば…
〈落ち込んでいます〉と
後ろ向きの壺に入り込む。
実は、それさえも、
うまくいかないのです。
無理矢理にこにこ、
してみています。
けれど、
元気は出ない。
そして、
元気は出ない。
………」

……………………………

アンテナが、拾います。
【前向きに、しおれています】

………………………………

古風な観測所は、見つけたことを
「紙」にかきます。
今回の記録係は、
うさぎの観測員、にこです。

みいふう書翰便[2024年3月号]より

風の中に
「………」
かすかに

あなたが飲みこんでしまった
「………」

私、無理矢理にこにこ。
ほんとうを思い出さないように。

けれど、
ほんとうのほんとうは、
ほんとうを思い出してる。
あたたかくおだやかで、
やさしくやわらかな…
わたしの大切にしたいこと。
大事に抱えておきたい思い。
そのわたしのほんとうは、
「普通」という枠に
入れない…なぜか茶化される。
だから、飲みこんで…

無理矢理にこにこは、
わたしのほんとうを、
守るため。
ほんとうのわたしが、
となりでにこにこしながら、
静かに私を待っている。

ほんとうは、
前向きと後ろ向きは、
いつも同時進行。
自己否定と自己肯定は、
いつも一緒に生きて、
自分を落ち込ませ、
励ます。
いつも矛盾をお供に
進んでいく。

進んで、下がる、
下がって、進む。
進んで、下がる。
下がって、進む。

進んでない?

進んで、下がる。
下がって、進む。

ほら、大丈夫。
「地固まる」
「地固まってます」

ほうっ

(記録 ・観測員にこ)

みいふう書翰便3月号[にこのお茶会]より

「ほうっ」って…

にこ観測員、
着地したようです。
………………………………

にこは、
心の中に庭を持つうさぎです。
にこの心には、昔、
ぽっかりと穴が空いていました。
真っ暗で何もない穴でした。
にこは、
その心の穴の中に、
どんぐりをまいて、
月のかけらを浮かべました。
どんぐりの木は大きくなり、
お月さまはまんまるになり、
やがて月の庭ができました。
にこの日課は、
その月の庭に行くこと。
今もずっと、
庭を作り続けています。
花を植えたり、
草を植えたり。
この頃は、
観測所の記録の仕事も、
しています。

ととにぽてぃかんそくじょの
観測員は、
鳥の「とんと」
うさぎの「にこ」
ねこの「ぽこ」
そして、人の「ティコ」
【ととにぽてぃ】見えました?
今更ですが…
「トトニポティ観測所」と書くと
少し読みやすいのです。けれど、
【ととにぽてぃかんそくじょ】が
正式な名前です。

アンテナが拾うのは…
多数派に入れず、
実は少数派にも入れず、
普通と言われる枠や、
ジャンル分けに、
入るところが見つからず、
それでもなんとかそこに立って、
目立たず、静かに頑張る人たち。
日々、風は決して穏やかではなく、
立っていることが、実は
大変だったりします。

観測所の仲間たちは、
風の中で見つけたことを、
紙にかきます。
絵や詩にして。
「みいふう書翰」は、
その絵と詩を
【みいふう書翰便(しょかんびん)】
という包みにして、お手紙にして、
届けています。

いるところが見つからない…
けれど、吹き荒れる風の中に、
静かに立っている…
そんな誰かの日々の中に、
消えずにともっている大切な何か。
埋もれてしまっている大事な思い。
それをまた、
どこかの誰かに届けてみたら…
立っていることが辛くなった誰かの日々を、
少し、あたたかくすることが
できるかもしれないと…
「ここです」って立っていられる所が、
おだやかな風ふく丘が、
あるかもしれないと…
見つかるかもしれないと…

………………………………

風の中に
かすかに

ととにぽてぃかんそくじょ
アンテナ うごかします
ギーッコ ギーッコ
(油、差しておきます)

………………………………

【みいふう書翰便】は、
・約6編の絵と詩、そして絵はがきが入った包みです。
・アナログのお手紙です…紙の質感も様々に。
・1枚ずつ読み切りです…すき間の時間にちょっと。
・1枚ずつバラバラです…1枚選んでカバンの中に。
 「どこ行った?」忘れちゃうくらい軽やかです。
・普通郵便で郵便受けにお届けです。
・月1通×3回お届け便もありますが、1回だけのお届けも、もちろんできます。

届いたらいい、かも?
もしもご興味わきましたら…
手に取ってみていたただけましたら、幸いです。

みいふう書翰便3月号[にこのお茶会]より

※2024年3月号のみいふう書翰便は、残りわずかです。
(最新号ですが…「バックナンバー」となっております)

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