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映画「インターステラー」と80年代アニメ

※インターステラーのネタバレしています。

2024年11月22日、映画「インターステラー」が日本公開10周年を記念してリバイバル上映されるそうです(ワーナーのサイト)!!

わたしは半年前にアマプラで初めて見ました。とっっってもおもしろかったです。感想はこちらのnoteに書きました。ということで、このnoteでは、本筋からは逸れて「インターステラーを見たあとに80年代のアニメをたくさん思い出したなァ…」ってことをメモしておきたいと思います。

なんで80年代のアニメなのかっていうと、わたしがアニメを一生懸命見てた時代だからっていうのがまずあるんですけど(そもそも90年代以降のアニメぜんぜん知らない)、でも、実はそれだけではないような気がします。わかんないけど、ノーラン監督がCG嫌いってことと関係しているように思います。たとえば、終盤のマーフィーの部屋の本棚の裏側のシーン、あれCGじゃないんですってよ!

宇宙船の中もCGじゃなかったらしいです。たぶん、こうしたセットを用いた撮影の質感から、手書きセルの80年代アニメを感じたんじゃないかなあと勝手に思ってます。

思い出した作品は以下の5つです。


1. 赤い光弾ジリオン(1987)

87年にテレビで放送されたSFアニメです。物語の舞台は第二の地球と呼ばれる惑星「マリス」です。未来の人類はマリスに移住しているのですが、宇宙人が攻めてきたので戦うことになりました。「ジリオン」は銃の名前で、人類の軍隊はジリオンで宇宙人と戦います。

わたしがインターステラーからジリオンを思い出したのは、ジリオンの「授かり方」からです。ジリオンはものすごい高性能の銃です。その時代の人類の英知を結集してもつくれない代物で、宇宙のどっかから降ってきたって設定でした。未知のどこかの存在がくださったってことになってたのです。インターステラーでも最終局面で未知の誰か(they)(五次元人?)が助けてくれてました。おそらく、未来の人類みたいな感じでした。これにはジリオンを授けてくれた存在を思い出さずにはいられませんでした。

2. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984)

この映画好きすぎてもうnoteで書くの3回目くらいなんですけどまた書きますw これは84年のアニメ映画で、キャラクターこそうる星やつらの面々なのですが、ストーリーは映画オリジナルとなっています。

この映画には「ウラシマ効果」について語られている場面があります。映画の中では、夢を操る鬼のせいで、登場人物たちが永遠に同じ一日を繰り返している状態に陥っていました。しかし、ある日ついにこの異変に気付いた男性がいました。気づいたが最後、その人物の周辺のみ急に時間が進んでしまいました。帰宅すると自宅が何十年もほったらかしにしたような朽ち果て方をしていていたのです。その男性が「竜宮城へ行ったのが太郎だけではなく、村人全員だったらどうだったでしょうね」と言っていたのが印象的でした。

3. 風が吹くとき(1987)

イギリスのアニメで、日本では87年に公開されました。核戦争が起きた世界の話です。時代設定について当時はよくわかりませんでしたが、いまネットで調べてみたところ、アフガニスタン紛争から東西の核戦争に発展したという社会が舞台でした。アフガン紛争は1978年から1989年です。なので遠い未来の話ではなく「当時の『いま』」を描いた作品だったようです。主役の老夫婦は第二次世界大戦を生き延びたという設定でした。核弾道ミサイルが爆発した後も政府の言う事を信じて普通の生活を続けていきます。

インターステラーの中で「風が吹くとき」を思い出したシーンは4つあります。

まず、クーパー家の食卓です。砂嵐が来たあとはもちろん、いつでも砂っぽくて、とても健康的に過ごせるような環境ではないなというのがわかりました。それなのに、あの家族はもうあれが普通という感じであの中で食事をとっていました。風が吹くときでも、老夫婦は核爆発があった後も食卓で通常通り食事をとっていました。

次に、マーフィーが医師の知人を連れて実家を訪問したときです。兄の奥さんとその息子の肺の音を聞いた医師は「すぐに病院へ行くべきだ」と主張しました。気づかないうちに病状がかなり悪化していたみたいです。風が吹くときと同様、目に見える外傷がないし、今すぐ倒れるという症状がないんだけど、少しずつ確実に健康が蝕まれていく様子が怖かったです。

それから、砂嵐の遠景です。きのこ雲みたいに見えてしまいました。どちらも地球上の生命を危険に陥れるおそろしいものです。気候変動ほんとになめてたらやばいよな…と思わされました。

最後に、政府のプロパガンダです。インターステラーでは、学校の教師が「月面着陸なんて大嘘でした。科学を勉強するとか宇宙行くとかそういうろくでもないこと考えてないで、とにかく農業をがんばっていきましょう」と説得してくるシーンがありました。一方、風が吹くときでは、政府が「核戦争が起こったらやることリスト」みたいなマニュアルを一般市民に配布するのですが、その内容といったら、戸や窓に目張りをしましょうというようなまるで核のおそろしさを真剣に伝える気がないトンデモマニュアルでした。どちらの世界でも、政府はもうとっくに一般市民を見捨てていてだましているようなものなのです。市民はそんな扱いをされながらも、何も知ることはできず、なんとかして生きていくしかない様子が似ていると思いました。

ということで、主に上記4つのシーンで風が吹くときを思い出したのですが、それらに加えて以下の点でも懐かしさを感じました。

インターステラーは今よりは未来の世界のはずなんですけど(70~80代になってるおじいちゃんがミレニアム生まれの設定)、人々の使っているものが妙に古めかしかったです。クーパー家のダイニングキッチンも、シンプルな電子レンジがあるのだけは確認できましたが、そのほかに最新っぽい家電はなくて、80年代の家だって言われてもわかんないくらいでした。そういえば、人々が乗ってる自動車やトラクターなどもずいぶん古いモデルに見えました。MT車だったからEVじゃないようでしたし。トラクターがGPS制御失ったとき、自動車は影響を何も受けてない様子だったから、自動運転なども普及してなさそうでした。パンクしてたからノーパンクタイヤもないんだなと思いました。なんかほんと、全体的にわたしが子どものころの時代に似てました。そんなところも風が吹くときを思い浮かべた理由のひとつかもしれないです。

4. 天空の城ラピュタ(1986)

86年公開の冒険活劇。もはや説明は不要なくらい有名な作品だと思います。ラピュタを思い出したのは次の二点からです。

一つ目は、ワームホールを通過する時、まるで竜の巣の実写版じゃん!!って思いました。クーパーはワームホールは単なる穴だと考えていたのに、実際には球体だったのでびっくりしてました。「向こうは反対側に風が吹いている!」って言い出すんじゃないかと思いましたが宇宙なので風はなかったですw

二つ目は、「父さんは正しかった!」です。ラピュタでは、竜の巣やラピュタを見たというパズーの父はホラ吹きの汚名を着せられたまま他界しています。しかし、パズーは自らラピュタを発見し、父が嘘つきではなかったことがわかり大喜びします。インターステラーでは「必ず戻る」といって出て行った父クーパーが30年経っても帰ってこないため、一時は親子関係は最悪となりました。しかも、物語中盤には隠された秘密も明らかになったことで父と娘の間に誤解が生じ、ますます「オヤジまじありえねぇし…」となってしまいました。しかし、ラストではパパのおかげで問題が解決し、待望の親子対面シーンも描かれ、パパは正しかったことが証明されました。

5. ガンダムシリーズ

まず、人類がふえすぎて地球がもう持ちこたえられないので宇宙に移住しようって設定。そして、最後に登場したスペースコロニーが円筒形だった点(円筒形コロニーはガンダムに限らず昔からあるオーソドックスな形なのだそうですが)。やはりこれらのことからガンダムを思い浮かべずにはいられないわけですが、わたしはさらに以下の点で2つの作品を思い出しました。

5-1. 機動戦士Ζガンダム(1985)

物語の序盤で2点感じました。

一つ目はNASAの地下組織っぷりです。Zガンダムでは地球連邦軍と対立するエゥーゴという組織が出てくるのですが、反連邦政府ということでもちろん非公然です。隠れて活動していました。艦長レベルの偉い人でさえ表向きはハンバーガー屋さんの店員のフリをしてました。インターステラーのNASAは反政府ではなく政府が再設立したものでしたが、一般市民には秘密にされていました。なので、このNASAの人たちも一歩外出たらハンバーガーショップ勤務とかスタバ勤務とかいうことになってんのかなと想像してしまいましたねw 10年以上バレないでやってこられたんだから何かしらの偽造工作はしてたでしょうw

二つ目はクーパーとアムロの共通点です。Zガンダムの序盤、アムロはもうモビルスーツパイロットではなくなってました。本人の意思ではなく、連邦政府に軟禁され監視されていました。ニュータイプを危険とみなす政府の思惑によって民間人として生きるよう強制されていました。インターステラーでは、元NASAパイロットのクーパーが今後はずっと農夫として生きることを周囲から強いられていました。アムロもクーパーもこの時期は死んだ魚の目してるのが一緒だなと思いました。

また、アムロは一年戦争で負った心の傷、クーパーは墜落事故のトラウマをかかえていました。しかし、両者ともいったんパイロットに復帰してからはすぐに昔の勘を取り戻します。

それから、エゥーゴもNASAもパイロット人手不足に悩んでたので即スカウト!って感じになったのも似てるなと思いました。

5-2. 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988)

これはもう、中盤のおじいちゃん博士のいまわの際の告白ですよ。博士!
地球と地球人を救う気なかったんかい! ここでもちろん思いました。お前…シャア・アズナブルだったのか…と。

まあ、思い返してみれば、クーパーが初めてNASAを訪れたとき、博士はクーパーに向かって「自分の星は自分で守るだなんて傲慢だな」って言ってましたので、片鱗は見せてはいましたね…。

一方、娘のほうのブランド博士(アン・ハサウェイ)はけっこうアムロでした。ブランドが愛について語るシーンがありました。「愛は時間や空間を超越する」「愛は力」「愛には何か特別な意味がある」「愛は信じる価値ある」みたいな感じでした(超うろ覚え)。これは意訳するとアムロの名言「人間の知恵はそんなもんだって乗り越えられる!」「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!」だなと思いました。超々々々ざっくり解釈するとです。

5-3. 共通

五次元人の存在を見ていて(聞いていて)思い出したのはやはりニュータイプでした。ガンダムでは、全員がニュータイプ能力を備えれば世の中は平和になるし、未来にはそうなるだろうみたいに考えてる人たちがいました。ニュータイプがもっと進化したのが五次元人なのかもなあーって思いました。そうなれば、たしかにつまらない争いとかはなくなりそうだなあとは思いました。


☆☆☆☆☆

というわけで、インターステラー視聴しながら思い出した80年代アニメについてメモしました。メモの割には長くなっちゃって話がどんどん逸れて行きましたが。それにしてもやはり80年代はおもしろいアニメが多かったなあ。そして、あのときの気持ちみたいな気持ちで見られる映画が現代でもつくられていて、それを見ることができるのがめっちゃうれしいです。

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