速読ができるようになりたい、という時に
「速読ができるようになりたいのですがどうしたらいいですか。」という質問をしばしば受けます。
速読の具体的なスキルについては、非常に多くの情報があるので置いておくとして、一つ重要なこととして、速読に適した文章とそうでない文章がある、ということをまずしっかり認識することは大切です。
「英語」を離れて考えてみるとわかりやすいと思います。
新聞記事は、タイトルに目を走らせ、ここから有料です、の前までざーっと読めば、概要はわかりますよね。
翻って、恋愛小説を速読したいでしょうか。
もちろん、展開が気になって先を急ぐ気持ちが出てくるストーリーもあるかと思いますが、小説家の紡ぐことばの甘美さを堪能する。流れている音楽、空気感、音、香りを脳内で動画にしながら読む。
私の場合、法哲学的な文章は、英語はわかっても、何を意味するのかを理解するのにものすごく時間がかかりますし、時間をかけても真の理解にたどり着けないことも少なくないので、速読しても意味がありません。
おそらく、速読ができるようになりたい!という人は、TOEFL や TOEIC 等の検定試験で時間が足りなくなってしまう経験があってのことかと思います。
その場合は、速読の力を磨く、というよりも、試験対策に力を入れるといいと思います。
それは、出題される文章の傾向を知り、まず語彙を身につけ、一定のパタンがある文章の読み方を知る、という感じです。
必要に応じて「点を取るために」という考えにシフトしてしまった方が楽な気がします。
それとは別に、英語を読むことを味わう、そんな時間を大切にしてくれると嬉しいな、と英語の先生としては思うのでした。
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