満員電車

私は電車が苦手だ。

人生の中で記憶に残る
嫌な思い出を5つ挙げるとしたら、

その２つは電車に関わるもので、
思い出したくもないけれど、

私の人生を大きく変えるような出来事
だから、

まあ記憶は残り続ける。

一時期、
ふつうに電車に乗ることが出来なくなった。

イヤホンをして、
誰かとLINEして、

今、自分が電車にいることを
必死に忘れていないと、

電車で目的地に行けないような
自分だった。

途中下車は当たり前。

満員電車は今でもニガテだが、

電車は前よりも好きになった。

電車は、
どこかへと私を連れていってくれる。

そして本が読める。

車での旅行は、
本を読む時間がないのが惜しい。

ふと、本から顔を上げると、


車窓から見える景色が
徐々に変わって、

どこか知らないところへと
来ている。

道は続いているが、
線路には終わりがあるのも好きだ。

電車でどこか遠くへ行きたい、

そう思いながら、
火曜の朝の満員電車の中で綴る。