夜じゃないけど駆ける
僕は極道か、それとも半グレ組織かなんかに関わっていて。その組織の中にいい感じの雰囲気になっている人もいて、その人といる時は幸せでしょうがなかった。
でもある日抗争が始まってしまうわけよ。
だから僕はそれに乗じてそのいい感じの人と逃げ出そうとするわけ。
舞台は何故か山で。麓から山頂にかけて敵がいて。下りまで行ければもう安全らしいから意中の人とそこを目指す。
で何とか下りまで来れたんだよ。周りにもそこまで逃げ仰せた人がちらほら居て、一様にほっとしていた。
でも敵の一人が峠を越えてこちら側まで来てしまって。僕と彼女はもう山を降りた先にある駅の近くまで来ていたから、そのまま逃げようとした。でも敵に時刻表だけは見られてしまった。でも逃げるしかない。
僕は彼女の手を引いて走った。
「やばい、時刻表を見られた。」
「どうしよう?電車に乗ったら先回りされちゃうかも。」
なんて息を切らしながら話し駅の階段を駆け下る。
迷っている時間はない。
僕と彼女は電車には乗らずそのまま反対側の改札口から街に出た。何も知らない初めて見た街。
「ここまで来れば大丈夫だろう。」
「まさか敵も電車に乗らないとは思わないよね。」
そして予想通り敵は街まで追っては来なかった。
かくして駆け落ちは成功し、何からも縛られない二人の幸せな生活が幕を上げた。
という夢を見ました。
夢だから辻褄がしっちゃかめっちゃかです。しかも全然現実と関係ないですし、現実では会社員をしております。
でもこんな明確な夢は久しぶりで、起きてもまだ記憶がぼんやりと残っています。
五日間行って二日間休みの無限すごろくの毎日で、こんな劇的なことは起こったりしません。だからこそ夢の中の恋人との浮かれた生活と、でも一歩間違えたら死ぬというひりついた状況。瞬間的な選択の連続と、ときめきと爽快感が非日常で。現実では到底感じることの出来ない経験と感情を味わうことができました。
何だかめちゃくちゃ気持ちが揺さぶられたので、寝起きで文章を書いています。
明日(今日)は出勤二マス目です。ああ、会社で抗争でも起きないかな。あ、ダメだ、駆け落ちする相手がいない。