今週のサステナブルNEWS!
先週は夏休みでお休みしていましたので、2週間分のサマリーです!
今週は、特にサステナブルな企業のマーケティングについてフォーカスしています。
エアビー(Airbnb)が結婚式用のゲストドレスを無料レンタル
友人の結婚式へのご招待はとても喜ばしいこと。だが、何度着る機会があるか分からない素敵なドレスを毎回買うのは、環境にもお財布にも優しくない。近頃は、Rent the runwayなどのレンタルに走る人も多いと思うが、エアビーと、英国のレンタルサービスBy Rotationがそんなペインポイントを解消すべく、パートナーシップを組んだ。
Airbnbの調査によると、英国ではゲストの53%が結婚式の参加費用に苦労しているという。そこで、同社は、「そのようなプレッシャーを和らげ、持続可能でコストに優しい方法で夢のドレスをレンタルしてもらいたい。」という思いで、同企画を実現。ゲストは、スペイン、イタリア、フランスなど、世界有数のウェディング・ゲスト・ロケーションのトップ10の中から、Airbnbで予約するだけで、By Rotationのドレスレンタルに使用できる150ポンド分のクレジットが無料でもらえるという。
リセール大手Vestiaire CollectiveがNetflixドラマEmily in Parisシーズン4で登場
ファッション・マーケケティング・Nexflix好きなら既にご覧になっている方も多いかと思うが、約6000万人の視聴者を誇るEmily in Parisで、リセール大手Vestiaire Collective(ヴェスティエール・コレクティブ)が、エミリーの友人ミンディ・チェンのプロットの一部として登場する。
Emily in Parisをご存じない方のために補足をすると、主人公のエミリー・クーパーが米国のマーケティング会社からパリへ移住し、多くの高級ブランドをマーケティングを担当し、成功を収めていく様子と、彼女の友人や恋人との関係といったライフスタイルをスタイリッシュに描いているコメディである。
シーズン4では、同社がリセールにおける真贋のエキスパートであり、信頼できる販売先であるという事をマスへ広く認知させるだけでなく、多くのシーンでヴィンテージドレスなどの着せこみを行ったことにより、商品展開についてもアピールすることが出来ている。
世界的に人気が高いコメディの中で、このようなサーキュラーファッション企業とのタイアップの実現により、より多くの人の選択肢にリセールからの購買行動へと繋がる事を願う。
RaaS(リセール・アズ・ア・サービス)のTroveが競合のRecurateを買収
古着ファッションの流行や、循環型モデルへの移行必要性が高まり、近年では何百ものブランドが独自の再販チャネルを立ち上げている。
Troveは、PatagoniaやLevi'sを含むブランドの再販を完全管理するモデルに特化しており、ブランドの代わりに、売り手からの中古品の回収や処理、リセールウェブサイトの構築、購入者への商品発送まで、中古品の取引における全てのプロセスを管理運営している。
代わって、Recurateは、マイケル・コースや、Onランニング、カナダグースなどのブランドに対し、P2Pのリセールモデルを提供し、Recurate自体が在庫管理や、何百、何千もの個別の中古品のささげ(撮影、採寸、原稿)を実施していない。
この買収により、より多くのブランドが高い柔軟性と迅速な再販市場への参入できるソリューションを提供できるようになるという。最短で4週間でローンチできるとのこと。また、買収後は、米国再販市場のオンライントラフィック全体の75%を占めるようになる。
リセール大手ThreadUpがAIを搭載して検索を容易に
古着探しは、店頭でもオンラインでも宝探しのようで楽しいが、何か特定のものを探しているときには、時間がかかりストレスになる時もある。その様な課題を解決すべく、ThreadupがAIを使い、主に3つの機能をローンチした。
一つ目のツールであるImproved Searchは、「トライアスロン用の水着」や、「July 4th(独立記念日)用のタンクトップ」といった、より正確なクエリに自然言語を使うことが出来る。ThreadUpは、既に検索にAIを使用しているが、今回のアップグレードでより高度な言語モデルを活用し、特定のリクエストを理解、対応できるようになった。
二つ目は、ユーザーが写真をアップロードしたり、インスタグラムの投稿などを共有したりすることで、ThreadUpの在庫の中から似たようなアイテムを見つける事を可能にする画像認識技術だ。
最後は、新しくなったチャット機能だ。AIを搭載したチャットボットが、パーソナルスタイリストの役割を果たし、「秋の結婚式のためのドレス」などと言ったテキストに基いて、提案する。
現在、ThreadUpの業績は、2023年には過去最高の売上である3億2200万ドル、注文件数も690万件に達したにも関わらず、7120万ドルの純損益を計上している。今年6月末の決算発表では、欧州の売上に関しては18%減とし、撤退を発表している。
このAIへの投資で、少しは利益向上に貢献できることを期待する。
米百貨店Bloomingdale'sと高級リセールReBagの提携
ブルーミングデールズとRebagの提携は、実店舗およびオンラインストアでローンチした。
リリースでは、下記のように述べられた。
この提携により、実店舗では500以上の商品が販売されるだけではなく、Rebagの独自AIツールであるClairを用いて、店舗で中古品の販売(買取り)を希望する顧客に、その場で、適切な商品価値を判断し、迅速な見積もりと支払いを提供することが出来るようになる。
ブルーミングデールのオンラインストアでは、2500以上の中古デザイナーハンドバッグ、時計、ファインジュエリーのセレクションが提供されることになる。
私も早速Bloomingdale'sにチェックしに行ってきます!
サステナブルな取り組みと言っても、このように企業戦略や従来のマーケティングの取り組みの中に、サステナビリティの軸を据えることによって、実施出来る事が多くある。
企業広報ではなく、企業のイノベーションドライバーとして考えていく事が重要だ。