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成長フェーズで変わる活躍人材と組織課題
「会社のフェーズによって、活躍する人材は変わる」
このことに気づいて、先回りした動きをしている会社(人)は意外と少ないのですが、強い組織をつくる上で、重要な観点です。
もう少し詳しく書くと、採用や人材登用について考える時、経験・能力・カルチャーフィットで考えがちで、「自社の"今"のフェーズにおいて 必要な人材・活躍する人材」という議論がなされることはほぼありません。
採用においては、"今"必要な人材だと確実に遅く、"この先のフェーズで必要な人材か"の視点が必要になります。
また、フェーズごとに適切な組織運営が変わる点も見逃されがちだったりします。
働く人側も、「前の方がよかった」「なんか違う…」と感じ始める時がきます。その時「飽き」が理由だと捉える人が多いのですが、「自分が気持ちよく活躍できるフェーズではない」可能性があります。
極端な話、前職と業種・職種・役割が同じ会社に転職したとしても、フェーズがあわないと価値発揮が難しくなる。それくらい重要な要素です。
まず自社の成長フェーズを正確に認識し、次のステージで必要な人材や組織のあり方を戦略的に見直す必要があります。
フェーズごとの特徴と活躍する人材
🐣創業期
何もないことを楽しめる人が活躍するフェーズです。「ないからできない」「決まっていないから動けない」では、事業は進みません。このフェーズでは「これしかやりたくない」だと成立しないので、拾えるボールが多い人(もしくは抵抗がない人)が求められます。
また、創業者に近しい存在、例えば元同僚や友人が最初の仲間であることが多いため、カルチャーは同質的で、コミュニケーションもスムーズです。
「詳しく説明しなくても伝わる」という非常にやりやすい状態ですが、これは創業期特有のボーナスタイムに過ぎません。
🏃成長期
0から1を生み出す思考と圧倒的な行動力を持つ人材が求められます。
多少の無理をしてでも成果を上げる「野武士人材」がこのフェーズでは重宝されます。営業活動にしても、まだ製品やサービスが揃っていないことが多いですが、「ないから売れない」「機能が足りないから売れない」という考え方ではなく、ビジョンを売り込む能力が重要です。
この時期は、従業員数が増加していく一方で、まだ個々人の突破力に頼ることが多いです。個々の力で組織を牽引しながらも、次のフェーズに進むための準備が必要になります。
🚀拡大期
このフェーズでは、個人の力だけではなくチームで結果が出せる状態になっている必要があります。再現性がある仕組みづくりができる人が活躍するフェーズ。
採用人数目標がぐっと増え、多様な人材が働くようになります。そうなると今までのように個人の能力頼みの組織運営はできなくなります。能力が「ふつう」の人や未経験の人でも、この仕組みの中で働くことで実力以上の成果がだせるようなモデルや事業運営が求められるのはそのためです。
このフェーズに突入する前に、
・暗黙知を形式知に変える
・個人商店からの脱却
・チームでパフォーマンスを最大化する仕組み作り
を行っておかないと生産性が落ち、成長が鈍化するリスクがあります。
また、多くの企業が「マネジメント人材の不足」に直面するのもこの時期ですが、もっと早い段階から自社に必要なマネジメントのあり方を検討することが重要です。
🏙️安定期
管理を徹底できる人材が求められます。新たな創造ではなく、既存の資産をいかに活用し、リスクを最小限に抑えつつ進めるかが重要です。
ルールに従い、決められたプロセスに忠実であることが求められ、既存の仕組みを磨き上げることに喜びを感じる人材がフィットします。
一方で、自由を求める「野武士人材」や、独自の方法を模索する人材はリスクと見なされる可能性があります。
このフェーズでは、安定した成長を維持するのか、新たな創造に再び挑むのかという選択が、企業の将来を左右します。
課題が起こりやすいフェーズと要因
特に成長期後半から拡大期以降に、組織課題が起こりやすいです。
創業期は、みんながオーナーシップをもって動きますが、拡大期以降に入社する人は、良くも悪くも「フォロワーマインド」であることが多いです。
リスクを取りたくない人や、既存の成功に乗りたい人が増えることで、労働価値のばらつきが生じ、組織内の不公平感が増します。
組織が複雑化し、マネジメント難易度がグッとあがっているのですが、事業拡大に伴い採用を急ぐので、そのことに気づけません。
自社にフィットする人事制度がまだなく、前職給考慮で採用し続けた結果、給与がバラバラで公平性がない。あとから入ってきた人の方が給与が高く、最初から貢献してきた人が不満に感じることもしばしば。
カルチャーが希薄化し、経営メッセージが伝わりにくいどころか「言ってることとやってる事が違う」と社員に言われてしまう…なんてことも。
ここに書いたのは一例です。
組織課題はどんな会社でも起こっていて、少しずつ確実にみんなのHPやMPを奪っていきます。
どうすればいいのか
これらの課題に対応する基本ステップです。
フェーズを正確に把握する
自社が現在どのフェーズにあるのかを認識し、それに応じた戦略を立てることが第一歩です。フェーズごとの特性を理解し、次に進むための人材と組織の準備を整えましょう。必要なスキルセットとマインドセットを定義する
現在のフェーズにおいて必要なスキルセットとマインドセットを定義します。これらの要素を明確にすることで、採用基準や評価基準がより具体的になり、ミスマッチを防ぐことができます。未来を見据えた人材戦略の構築
「今」だけではなく、次の成長フェーズで必要とされるスキルや能力を持つ人材を見極め、早めに採用・育成を行うことが重要です。特に、組織が複雑化するフェーズでは、マネジメント層の強化とともに、全社的な育成計画が必要になります。人事制度の構築(アップデート)
組織が拡大し多様な人材が参画すると、人事制度がネガティブに働くケースがでてきます。人事制度は本来、未来と現在のギャップを埋める手段の1つです。ギャップを埋めるためのアクションを強化するような制度になっているのか?社員の士気を奪う機会になっていないか?を再考する必要があります。※ 人事制度に関するnoteはこちら!一貫した経営メッセージの発信
経営層が組織全体に一貫したメッセージを伝え、全社員が同じ方向を向いて行動できるようにすることが重要です。いろんな施策が走り始めると、つながりが見えにくなります。目的を明確にし、全ては目指すゴールに繋がっていることを経営メッセージで伝えてください。フェーズ変化の宣言
5と矛盾するようですが、フェーズに合わせたメッセージ変更も必要です。今、自社がどのフェーズにいて、そのために何を変えるのか(もしくは変えないのか)を説明せず、フェーズに合わなくなった人材を入れ替えるような行為は組織全体の信頼を失います。
実際にはもっと複雑…!
本当はもうちょっと分岐があるし、複雑に作用するものがあります。
そして、フェーズが変われば採用難易度も変わるので頭を悩ませる会社が多いです。
創業期はリファラルで採用を推進して、急拡大期になるとリファラルだけでは採用が追いつかず、市場から採用を進める。でもまた「リファラル採用大事だよね」と戻ってくるんだけど、なかなかうまくいかない。
— みほ☺︎森数美保|組織とキャリアを科学する人 (@MihoMorikazu) May 22, 2024
こうなるのには理由があります。…
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