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家庭料理のおはなし その8:料理は面倒、と思う気持ちはどこから?
こんにちは。正しい手抜きメソッド・おだしマジック! 家庭料理研究家の高窪美穂子です。
今日は久しぶりの雨ですね。 ちょっとは涼しく・・・と思うのですが、それでも蒸し暑いですね。 去年のこの日は台風で大変な日でした。 それから1ヶ月後、10月の台風上陸の日に母が倒れ、怒涛のような数ヶ月を過ごすとは1年前は思ってもいなかったのですが・・・。
そんな怒涛の日々でさえ、料理を作ることは面倒、とか嫌だ、とは不思議と思わなかったのですが、色々な方のお声をリサーチすると「料理は面倒」「できればしたくない」という声が多いなー、と思います。
その気持ちは一体どこから来るのか、というのが今日のお話です。
◆料理って「面倒」なものなのか?
料理が好きで仕事にしている私も、体調が悪かったり疲れていたりすると一瞬「今日は料理作るのやだなー」と思うことはあります。
そんな時はとにかく楽をしよう!と
・残り物で出せるものあるかなー
・アレンジできる食材あるかなー
・作り置きあったかなー
などと思いを巡らせ、自分が無理せずできるかどうかをまず考えます。
それでも無理そうなら、外食したり、自宅前のレストランのテイクアウトをしたり、で凌ぎます。
家庭料理は日常の料理ですから、基本的に「調理時間がかかる料理」は、ゆっくり時間が取れる時以外には作りません。
私の料理教室に通ってくださっている方たちからもいつも言われるんですが・・
「こんなにシンプルな調理で、調味料も(厳選はしているけれど)特別なものを使っていないし、素材もとりよせ品ばかりとかではなくて、普通に売っているものを使っていて、それでもこんなにも美味しい!」という料理が理想ですし、実際に日常的にそういう料理ばかり作っています。
今は小さな商店街のど真ん中に住み、下に降りると隣が八百屋さん、斜め向かいが魚屋さんという、買い物が楽!という環境にも恵まれているとは思いますが、日々の料理で使うのは、八百屋さんで買った野菜がほとんど。
もちろん、大好きな生産者さんからも定期的に取り寄せしていますが、我が家の半端ない野菜消費量だと、取り寄せ品で全てカバーはできず・・・
ということで、食材が特別なんでしょ!
ってことも全く当てまはりません。
日々、料理を作る時に意識しているのは、最低の調理工程で最大のおいしさを実現、ということだけです。
◆作るのには時間かかるのに、食べるのは一瞬だから嫌い、もわかるけど・・・
料理が面倒だ、嫌いだ、という話のなかで必ず出るのが
「料理ってさー、作るのには時間かかるけど、食べるのは一瞬だから本当にヤダ!」という話。
手間や時間をかけて作って、残るものならば達成感もあるけれど、残らないから達成感もないしガックリという思いも、その裏にはあるのだろうなぁと。
それもわかりますが、ちょっと視点を変えることで、実は気持ちが楽になるんです。
私の場合、今日はあんまり時間ないなー、という時は鍋に入れるだけの煮物、とか、オーブンに入れれば完成する料理、一皿料理なんかも作ったりして、とにかく無理ないように、自分から手離れして加熱すればいいだけ、という料理に頼ります。
そうすると、食材を切るくらいの手間ですみます。
切るのも、みじん切りとか千切りとか、もそういう時はあまりしません。
ザクザク切って、鍋に入れておしまーい、とか、天板に並べて、塩胡椒してオリーブオイルかけて終わり、とか、作業工程を最適化・最小化しています。
とにかく、自分の手を動かす時間を極力減らして、どう手離れさせるか、を考えればいいんです。
料理だけじゃなくて、全てに通じる考え方。
物事は全てとってもシンプルなんですよ、実は。
私が仕事で作るレシピは、全て3工程か4工程しかありません。
これは以前やっていたウェブ編集の仕事で、食品カテゴリーの商材の販促用に料理コンテンツを作りたいと企画を出した時、当時の上司に言われたことが、今も常に頭の中にあるからです。
「料理コンテンツを見た人に、この料理を作りたい!と思ってもらうためには、とにかく工程をシンプルに!」
「面倒だと思った時点で作ってもらえなくなるから、3工程か4工程以内にまとめて作れるレシピにしてください」と。
私は料理は独学で、母の料理を見て覚えたのが根底にあるので、もともとシンプルな工程の料理を考えて作るのがほとんどでしたが、そう言われて、さらに考えるようになり習慣化したこと。
そしてそのあとで激務をこなしながら、子育ても家事も、となった時に外食やお惣菜メインの食卓になったことで体調を崩し、なんとかしたい、と思ったこと。
この2つの出来事があったから、とにかく短時間で工程少なく、そして最大限の美味しさを! 毎日作るのも気楽に楽しく、毎日食べても食べ飽きない! という家庭料理にたどり着くことができたのだ、と思います。
◆日々食べる日常の家庭料理、美味しくするには過剰な手間をかけるのではなく、調味料を変えてみて
たぶん、なのですが、料理が面倒だ、と思うひとの多くが手間をかけすぎているように思います。
また、美味しい料理を作るには手間をかけなくてはいけない、と思い込んでいるのも大きく影響しているように同時に思います。
料理は手間をかければかけるほどいいわけでないんです。
必要最低限の手間で、十分に美味しくなるんです。
そこで鍵を握るのが調味料。
調味料をいいものに変えてみてください。
例えば醤油や塩、みりんに酒。
いろんな価格のものが売っていますよね。
選べない!
高いから買えない!
おんなじだよ、どれでも、と思っていませんか?
でも、違うんです。
実際に私がお勧めした調味料を使ったら、おうちごはんが劇的に美味しくなった、という方たくさんいらっしゃいます。
美味しい調味料は確かに「いいお値段」します。
でも、まさか醤油をゴクゴク飲んだりしないでしょうし、塩も一度に大量には使いません。
そして、いい調味料は、量を控えめに使っても美味しいんです。
その理由は・・・
醤油やみりんは、美味しいものは長期の熟成をしていますから、その間に旨味の値が格段にアップしています。
また、コクもあります。
だから、たくさん使うとかえって味が濃く感じてしまうんです。
だから使う量も少なくなる。
結果として、長持ちします。
割り算すると、安いんです。
そう考えると、おいしくなったという結果に対して、とてもコストパフォーマンスがいい、ということになるんです。
こういうことも含めて、今、主宰しているオリジナルメソッド講座では、簡単にわかりやすく、そしてすぐに役立つ実践的なことを含めてお教えしています。
メソッドを知っていただくことで、みんながしあわせになればいいな、と思いながら。
自分の思い込み、視点を変えてみると、全く違う景色が見えてくるんですよ。
自分が楽になること、は、自分の視点を変えてみることからスタート、です。
次回のコラムもお楽しみに。