見出し画像

30年改善されていない小1プロブレムに対峙していくために

ここでお伝えしたいこと


 小1プロブレムは幼稚園・保育園・その他、それぞれ違った環境育った子どもたちが小学一年生で一同に集まることから、集団としての教育が成り立たない問題。その改善のため、本日(2023/12/5)の議会の一般質問で、所属会派(流政会)の矢口議員が、小1プロブレムに対する改善策を提案されました。その中で、流山市が目指す子ども像として、明確に「ウェルビーイング」と「自律」を大きな2つの柱にしていくこと、教育大綱に位置付けていただくことを要望していただくことができました。
 教育大綱にウェルビーイングを位置付けることは、今期の私のマニフェストにも掲げているので、流山市の子どもたちが育つためのより良い環境を一緒に推進してまいります。本記事では、小1プロブレム、架け橋プログラムについて言及しています。

小1プロブレムって何?

 昭和時代後期からもう30年間改善されていない、小学校1年生児のクラスで発生している問題で、幼稚園・保育園・その他施設など、それぞれ違った環境の中で育った子ども達が小学校で一斉授業に移行する時に、子どもたちの授業が成り立たなくなる問題です。

想像してください。例えば、はだし教育&あそび中心の保育園で育った子どもと、フラッシュカードなどで漢字や英語まで学習する保育園で育った子どもたちが、小学生入学後から一斉に45分座って授業を聞く、一緒に集団生活を始める状況を。
 前者は勉強が難しいと感じるかもしれませんし、後者は授業が簡単すぎて退屈・・となるかもしれません。集団学習をただ実施するだけ(どちらかに合わせれば、どちらかに合わなくなる)では窮屈 or 退屈からか、歩き回る子がいることも自然なことではないでしょうか。

そんなに問題!?甘えたこと言うな!?

 小一プロブレムの問題を提起するとき、周囲からこういった言葉を言われたこともあります。学校は集団生活の中、壁にあたりながら、社会性を育むのだと。その環境こそチャンスではないか。

 流山市は待機児童対策のために15年で100園以上の保育園を民間主導で整備してきました。15年前、私が都内に住んでいた時、子どもの預け先が無く就労を諦めねばならないかもしれないと不安になったことを考えれば、大変ありがたいことです。
 しかし、民間の保育理念や環境が、多様であることからから、小1プロブレムは人為的に発生させていると言えなくもありません
 民間の保育園や幼稚園で、高い理想を掲げ、豊かな保育・教育を展開されている所は沢山あります。だからこそ、子どもの個性に寄り添えるのだとも思います。しかし一方で、小学校1年生の集団教育で一同に介す時に、問題も発生してしまう構造は知っておく必要があります。 
 育ちの足並みをそろえようとする牽引役を、本来切磋琢磨すべき民間同士が実施するのは中々難しいことから、市がなんらか役割を担っていく必要があり、その対策が求められています。

小1プロブレムへの対応策:市でけん引、架け橋プログラムで連続性を担保する

 2008年に幼稚園教育要領、保育所保育指針改定されたときに、保育所でも「保育要録」という小学校への引継ぎ文書を書くことが義務付けられました。
 流山市でも、小学校と保育園での情報共有が行われています。交流事業として、保育士が小学校を訪問する活動もされています。
 小学校1年生の先生にヒアリングすると、入学後3か月くらいは、10分勉強→外に遊びに行く、を繰り返し、徐々に勉強の時間を延ばすなど工夫をして集団学習に慣れるようにするなど伺いました。

 しかし、遊びを中心に育ちを促す保育園側と、カリキュラム教育が軸になっている教育、用語や慣習が異なる中、スムーズな移行が行えているとは言えず、結果、特に小学一年生時の行き渋りは依然として存在します。

 そもそも小学校入学時の前後(架け橋期)の環境があまりにも違う所に行くことによって「学校が嫌い!!」となる子どもたちを、少なくしていこうとすることは重要です。
 障害をお持ちのお子さんのこと含めて考える必要があります。

架け橋プログラムの作成に向けて

2018年3法令が改定され、幼児期に育ってほしい10の姿が描かれました。こちらです。

出典)文部科学省幼 幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き(初版)より
出典)文部科学省幼 幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き(初版)より

先進事例①:中央区立晴海幼稚園・中央区立月島第三小学校の取組み

 先進事例を調べると、youtubeで中央区立晴海幼稚園・中央区立月島第三小学校の事例がありました。素晴らしいのは、教育委員会がしっかり課題を整理し、それに対応する改善策を時間軸見通して実施出来ている所です。

 全国的にも幼保小連携・接続の状況は進んでいないことが分かります。

 こういう、「〇〇出来ていない」という内省から、課題の方向性をしっかり発信できるところが素晴らしいと思います。

先進事例②:流山市にも実践協力幼児教育施設が・・

 教育は千葉県なので、ホームページをチェックしてみると、接続期のカリキュラムの紹介がありました「こちら」。千葉県モデルの作成をチェックしてみると、流山市にも先進事例があることが分かりました。

急ぎ調査をしてみたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

近藤みほ(流山市議会議員)
応援頂けると、他自治体への視察や研修費、専門家にアドバイスを求める、同じ思いを持つ議員さんに直接会いに行き対談する等、活動量を増やすことが出来ます。まっとうな政治を行うためのサポートよろしくお願いいたします。