リーンコーヒーをやってみた
PHONE APPLI Advent Calendar 2023 15日目の記事です。
要約
スプリントレトロスペクティブで明らかになったけど諸事情により後回しになっていた課題を一覧にして、週一回30分リーンコーヒー形式で向き合ってみたら、一つずつ集中して解決することができてスッキリした。
前置き
私の所属するチーム KIRA KIRA ENERGITZ(以下、キラエネ) はスクラムを採用しており、スプリントを重ねていくにつれてプロダクトもプロセスも改善されていくこの手法に手応えを感じながら日々業務に励んでいます。チームの人数は5名、スプリントは1週間で、基本はリモートワークですがスクラムイベントを実施する日は会社に集まることにしています。
キラエネのスプリントレトロスペクティブはかなり盛り上がる時間となります。チームの今の良いところ、解決したいこと、日常の嬉しかったこと、ざっくばらんにさまざまな話題が共有され、このなかから課題を発見し、最も重要なもの1,2個に絞り、次のスプリントで実施するアクションが決定されます。
ここで、この共有された話題と実際にアクションに繋げる課題のバランスが今回の肝です。最初の数スプリントこそ目立たなかったのですが、スプリントを重ねるごとに「あれこの課題前も言ってなかったっけ?」「これいつか解決したいよね…(でも今はやらない)」という未解決課題が蓄積していきました。いや、その時最も重要度が高い課題は解決していますし、やるべき時が来たときに解決すれば良いのです。しかしモニターのへりにうっすら蓄積していくホコリのように、最初は気にならなかったんだけど徐々に無視できなくなっていく、そんなボリュームになっていきました。
リーンコーヒー形式で課題に向き合ってみた
ちょうど10スプリント目のレトロスペクティブで、これまで未解決課題がかなり溜まってきていることが注目され、それを整理して片付けることになりました。ここで重要なのは、この話し合いに割く労力と時間を最小限にすることでした。そもそもスプリントレトロスペクティブがあるんだし、毎日片付けたいタスクもあるんだし、本来やりたい作業のための時間を削りたくないよね、ということです。そこで採用されたのがリーンコーヒー形式でした。リーンコーヒー形式を採用したポイントは、アジェンダを用意する必要がなく準備の手間を抑えられる点、その時の話題をメンバーの投票で選ぶ主体的な設計である点でした。
キラエネは、毎週月曜日の13:30から14:00をリーンコーヒーのための時間と決めました。以下にこの時間のおおまかな流れをまとめます。
ボード並んだ課題を確認する : 3分程度
今一番解決したい課題に投票する : 10秒程度
投票数の多いものを選択し喋る : 15分
選択した話題について喋り続けるか投票する : 10秒程度
2-4を繰り返す
最後にこの時間自体を終えるか投票する
なおキラエネはコーヒーより紅茶派が優勢だったので、この時間を Afternoon Tea と名づけました。開始するときに「茶しばきましょ!」とか言ったり、実際の紅茶やお茶を片手に集まっていました。
やってみた感想
「ずっと話したかったけど、もっと大事な課題があって話せなかったことをみんなと共有できてよかった」とか「気になっていたことが片付いてよかった」とか「30分だからちょうど良い」とか「午後一にサクッと集まって話して、それ以降の時間は作業に集中できるから良い」とか「午後一のカフェインは眠気覚ましに良い」とかいう感想がチームメンバーからは出ていました。
個人的にはいちいちアジェンダを用意しなくて良いところ、メンバーの投票&起票式でそのときのテーマが決まるので当事者意識を持って取り組みやすいところが好きでした。反省点として、話題によって白熱してしまい時計を見るのも忘れズルズルと議論の時間が伸びるということがあったので、次は愉快な音のアラームの導入を提案しようと思います。
おわりに
リーンコーヒー形式で課題に向き合うとよかったよ、という話をしてきたのですが、実は今週のスプリントレトロスペクティブにて Afternoon Tea をやめてみることになりました。理由はそこそこ未解決課題のストックがはけてきたから、加えてある程度の規模の課題については雑談やモブワークの中で解消できるようになってきたからです。とはいえ「このメンバーでサクッと集まってサクッと問題解決する」というスタイルはどこでも活用できそうなので、今後のキラエネあるいは別のチームで使うことになると思います。
補足
私自身は Agile Business Institute の CSM コースにて講師の Joe Justice 先生からリーンコーヒー形式を学んだのですが、参考になるサイトのリンクを以下に載せました。興味のある方はぜひ読んで、試してみてください。
What is Lean Coffee? , Agile Coffee
Miro にもリーンコーヒーテンプレートが公開されています
最後まで読んでくださってありがとうございました!