品質でフライパンを選ぶなら、コーティングよりも、まずは『厚み』
三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
今回はフッ素・テフロン加工フライパンの話。(以下、フライパンと記載します。)
フライパンを選ぶ時に、コーティングの情報をよくよく読み込んでいるお客様が多くいらっしゃる印象があります。
もちろん、気になる情報の1つですが、それよりも気にした方がいいポイントがあるので、少しnoteで説明をしてみます。
コーティングよりも厚み
ちょっと極端な言い方にもなりますが、フライパンを品質で選ぼうと思うなら「厚み」が大切です。
そもそも、フライパンは料理に熱を伝える道具です。
フライパンを火にかけて、食材にどうやって熱を伝えるかが大切になります。
お客様によってニーズも異なるので仕方ないこともあるのですが、ここでは道具の原点に立ち返り、フライパンの品質を大切に考えて文章を進めていきます。
(そして、良質なフライパンには、だいたい良いコーティングがかかっている傾向があると知っていただけると幸いです。)
フライパンの品質とは
⓪前提
【火加減】
『火加減が適切であることを前提』に話をします。
火加減については、是非以下のnoteをご一読いただけると、今後のフライパン寿命が大きく変わると思います。
以下は極端な例ですが、味の素さんの記事が興味深いです。
【コーティングの弱点】
テフロン・フッ素樹脂コーティングは超高温により劣化します。
(セラミック加工も同じです。)
局所的に温度が高い場所がでると、そこからコーティングが劣化することも知っていただけると幸いです。
①熱ムラが出にくい
フライパンは熱を伝える道具。
熱ムラが出にくい方がいいとされています。
厚みがあるフライパンは、熱を均一に伝えてくれます。
料理にもよりますが、中火で一度フライパンを温めてあげると、あとは温度が下がらないよう弱火で温度を維持してあげれば十分だったりします。
具体的な熱ムラの差を実験で見せるために、厚みの違うフライパンでホットケーキを焼いたはなしも、ご興味があればご覧ください。
(実は他のお料理よりもゴマカシが効かないのがホットケーキの焼き目だったりします。)
そして、テフロン・フッ素樹脂コーティング(セラミック加工も同じ傾向)は、超高温に弱いという特徴があるので・・
熱ムラはコーティングの寿命にも影響がある可能性があります。
②厚みのあるフライパンの特徴
ということで、厚みのあるフライパンの特徴を記載しておきます。
メリットとしては
●熱ムラが出にくい
●理論上コーティングが長持ちする
デメリットは
●重たい
●値段が高い傾向にある
です。
補足
よくよく店頭で補足する内容を記載しておきます。
一概にも言えないケースもあるので、ご参考程度に流してご覧ください。
A.値段の高いフライパンへの期待
値段が高いフライパンは、コーティングが長持ちするんでしょ!?と期待されることがありますが・・。
超高温に弱いという理屈は一緒なので、使い方によっては『そういうワケでもありません。』と伝える時があります。
特にIHについては注意が必要です。
IHで、高価なIH対応フライパンを利用する際は
『効率よく発熱することがあるので、省エネで使っていただく』
意識が良いことがあります。
(詳細は上に張り付けたnoteに記載しています。)
B.安いフライパンについて
以下の写真は厚みがあり、品質が良いと言われるフライパンです。
フライパンは消耗品としての要素もあるので、価格も大切なことがあります。ただし、安いモノをつくるときは『安く作るなりの努力』が必要です。
極端な例えですが・・
極端に安いのフライパンに関しては、フッ素樹脂・テフロン加工の下処理が簡易的な可能性もあり得ます。
そういった場合は、使い方が良くても、やはり安かろう悪かろう・・という結論になってしまうことも、多いにあり得ます。
フライパンの選び方
とはいえ、フライパンを選ぶ時は、重さや予算は決まっています。
私たちも、ある程度の範囲を持って、お客様の良いチョイスのお手伝いが出来ればと思います。
厚みのあるフライパンで、ある程度の価格帯のものを選んでいただけると、コーティングも結果的に良いものの可能性が高くなります。
お料理をするうえでメリットがあっても、他のメリットを優先せざるを得ないときもあります。
表にまとめたnoteがあるので、気になる方はご覧ください。
最後に
情報が多くて、正しい情報を選ぶ力が試される時代です。
ただし、迷い過ぎて何を優先すべきか分からなくなることもあります。
そんなときは、三保原屋に限らず、近くの相談できる専門店スタッフに是非一度話を聞きに行ってみてください。
また、テフロン・フッ素樹脂系のフライパンを継続すべきか悩んでいる方は鉄フライパンの検討をオススメします。
実はハードルが高くない鉄フライパン。
以下に情報を纏めておきますが、こちらもお近くの専門店にお尋ねいただければと思います。