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【フライパン復活??】SNSで見かける”フライパンで塩を炒める方法”を、メーカーさんと話してみた

※今回はテフロン・フッ素樹脂系のフライパンの話。
(以下、フライパンと記載します。)

ちょっと前に、snsで

【フライパン復活!】
【中火で塩を炒めるだけ!】

という投稿をいくつか目にしました。

忙しくて、フライパン買換えが出来ない人にとっては、コーティングの瞬間的な復活だとしても、嬉しい情報なのかなと思います。

一方で、フライパンの加工への悪影響について心配される声も散見された。
そこで日本製のフライパンをつくっているメーカーさんにも伺い、個人的な意見を纏めてみました。

急いで確認した内容なので、私を含めて個人的な見解です。
フライパンの原理原則に即して考えた結果を記載しており、実験での検証などはしていませんが、過去の実験などに即した考え方を記載しています。

紹介されている手順

・フライパンに塩を入れる
・中火にして塩を炒める
・塩が茶色くなる
・濡れたペーパーでこすりつける
・冷めたら水で流して、乾かす
・油をひいて調理をする

snsの説明

snsでは
塩の成分が、「くっつき」の元になる、”焦げ”に含まれる成分(脂肪酸)を、フライパンから剥がしてくれるような効果がある。

と、説明されている方もいらっしゃいました。
(全てを調べたわけではありません。)


検討

まず、食材がくっつく原因を考えたいと思います。

テフロン・フッ素、セラミック加工においても、フライパンは「焦げ付きにくい」のではなく「くっつきにくい」加工がされています。(非粘着性とも言われます。)

●「くっつきにくい」加工がとれたり
●「くっつきにくい」加工の上にモノがくっつくと
「くっつく」状態になります。
(同語反復状態に見えてますね。。)

くっつく原因

①油などの焼き付きの場合

油などが高温で焼き付き、「くっつき」の原因となっている。
これは可能性としてはあり得ます。

このような場合、おそらく、フライパンの表面を触った時に、
ボコボコ
ザラザラ
しているかもしれません。

ただし、メーカーさんに確認したところ。
過去に相談されたくっつきで、油などが高温で焼き付いたことがが原因とされる「くっつき」ケースは多くはないと伺いました。

【注意】

仮にボコボコしているケースであっても・・。

フライパンの塗装が内部からプツプツと、膨れ上がっているような場合は、フライパンに、長期で食材を入れるなどの原因によって、フライパン本体の金属が局所的に膨れていることがあります。

これは①とは原因が異なり、以下の②に繋がる話となります。
(結果的にはフライパンに長期で食材を入れておくと、コーティングの劣化に繋がります。)

②フッ素樹脂の劣化の場合

特に、フライパン本体の金属が見えている場合などは、フッ素樹脂そのものが劣化している可能性が高いです。

現在、フライパンメーカーさんに寄せられる「くっつき」に関する相談の殆どは、テフロン・フッ素樹脂の劣化によるものです。

この場合は、残念ながら買い替えが必要です。


対処方法としての評価

平たく言えば、一時的な処置(もしくは最終手段)として、
「コーティングが傷むリスクを認識して、やってみてもいいかもしれない」
という言い方になるかと思います。

言葉を選ばなければ
「フライパンのコーティングが復活する」
のではなく、
「ダメもとで行う、汚れの落とし方」
のような紹介のされ方が適切かなと思います。
(そういった紹介が多いように思います。)

お湯を沸かすでもOKでは

まず、基本的なことを記載するのであれば。
基本的にはてテフロン・フッ素系のコーティングの復活はご自宅では困難です。

一方で、今回の塩を炒める方法でなくても・・
「くっつき」の原因が、高温で焼き付いた油等であれば、フライパンでお湯を沸かしてから洗って、汚れを落としやすくする。
という方法でも、ある程度の効果があるかもしれません。

フライパン内部にお水を入れている場合は、フライパンが空焚きにならず、超高温になりにくいという特徴があります。

フライパンの原理原則

このあたりの話は、フライパンの原理原則がわかると、
個別の情報を追いかけるよりも先に結論の推測ができ、
効率的かなと思います。

テフロン・フッ素樹脂は、フライパン専用技術ではありません。

樹脂としては高温に強いと評価されますが。
色々なコーティングの名前がありますが、260℃くらいでコーティングが傷む傾向があります。

直火で使う道具(鉄など)と比較して評価するのであれば、決して高温に強い物質ではありません。また、テフロン・フッ素樹脂は決して硬いものではありません

以下、特に①の原因によりコーティングは痛みますが、その他にもコーティングを傷めるリスクのある行為を書いておきます。

①【超高温】

テフロン・フッ素樹脂は、強火・空焚きには弱いのが特徴です。

②【ダメージ】

金属ツールでガリガリしたり。
たとえば半日~1日を超えて、食材を入れっぱなしにするとコーティングが傷む可能性があります。(フライパン内部にダメージあり)

このあたりはメーカーさんによっては表現方法が異なります。

③【急冷】

アツアツのフライパンを冷水でジューッと急激に冷やしたりすると傷みます。


総括

今回は科学的な証明を行わず、一般的な理論からの説明をしました。

そのため、今回の情報について、効果が出ている人はいいのかもしれません。

しかし
●空焚きの
●塩をこすることで、余計にコーティングが傷む
というリスクを認識したうえで、行って頂ければと思います。

失敗すると、コーティングの劣化が更に進み、より買換えが必要な状態になることがあり得ます。

SNSでも「一時的な復活」に近いニュアンスの表現があり、永久的な復活を示していないものを見かけました。

テフロン・フッ素樹脂以外

フライパンで有名なテフロン・フッ素樹脂。
色々なニュースも気になり、他の素材を探している方もいらっしゃいます。

この論点は、
・色々な視点の議論が含まれること
(安全性、管理に関する問題、情報開示に関する問題、海外との比較)

・主語が曖昧なこと

・生活の全般での議論にならないこと
(炊飯器も車も、工場も、多くの産業が関わる話)

などなど整理が全くできていない状態で、議論(?)が進められて、少し不安定な話題だと思います。

昔から生活に関わっている三保原屋では
●鉄フライパン

●セラミックフライパン

●ステンレスフライパン

先日、餃子を焼きましたが、なぜかうまくいきました。
でも、余熱がしっかりと必要なのと、鉄に比べれば油が馴染みません。

その意味では、ステンレスフライパンは、テフロン・フッ素/セラミック、鉄よりも難易度が高く感じやすいかもしれません。

※野菜をいためたり、お肉・目玉焼きを焼く程度であれば、比較的簡単には使えることと、鉄フライパンよりも「煮る」という行為に向いていると思います。

以上の種類などの取扱があります。

それぞれ一長一短があるので、分からないことがあれば、是非店頭スタッフまでお声掛けください。


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