令和7年度大学入学共通テスト「情報」サンプル問題を解いて、Pythonで実行してみた
昨日、大学入試センターより、令和7年度から大学入試共通テストに「情報」という科目で出題されることが発表された。
同時にサンプル問題も提示された。
早速、解いてみた。
いくつか問題文を読み違えてしまい満点ではなかったものの、見直してみたら正解にたどり着ける問題だった。
問題文が長く、正確に状況を把握する必要があるため、生徒たちが解けるかどうか考えると、難しい。
今まで実習中心の授業をしていたが、教科書の内容を理解して応用できるようにするにはどうすべきか考えたい。
中野由章氏の解説動画
中野由章氏の解説動画も視聴した。
動画を見て、気づいたこと、補足したいことは以下の通りです。
情報デザインとIPアドレス
第1問の問2の図解は、確かにWordやPowerPointのSmartArtにもあるが、日本文教出版の「新・情報の科学」の巻頭資料5に載っている。
解答群の0はピラミッド図、1はベン図、2は座標軸、3はイメージマップ、4はツリー図という名前で紹介されている。5の図は本文中にPDCAサイクルとして載っている。
第1問の問4のIPアドレスの問題は、生徒には解きにくい問題と感じた。教科書には詳しく載っていない。ネットワーク部に当てるビット数を変えると、どのような影響があるか考える機会がないからだ。IPAの基本情報技術者試験のテキストで、クラスやサブネットについて学んだことがある。
アルゴリズムとプログラミング(Pythonで実行してみた)
第2問の比例代表選挙の当選者を決定する仕組みだが、うろ覚えだったので、問題文をじっくり読んで取り組んだ。後で中3の息子に聞いたら、中学の公民で習う内容のようだ。
問3の擬似言語をPythonで動かしてみた。実行環境は、GoogleColaboratoryだ。ほぼ、そのまま置き換えただけで実行できた。
Tomei = ["A党","B党","C党","D党"]
Tokuhyo = [1200,660,1440,180]
Tosen = [0,0,0,0]
Hikaku = [0,0,0,0] # 配列Hikakuを定義
tosenkei = 0
giseki = 6
for m in range(4):
Hikaku[m] = Tokuhyo[m]
while tosenkei < giseki:
max = 0
for i in range(4):
if max < Hikaku[i]:
max = Hikaku[i]
maxi = i
Tosen[maxi] = Tosen[maxi] + 1
print(Tosen) # 確認のため
tosenkei = tosenkei + 1
Hikaku[maxi] = Tokuhyo[maxi] // (Tosen[maxi]+1)
print(Hikaku) # 確認のため
for k in range(4):
print(Tomei[k],":",Tosen[k],"名")
思い通りに動いてくれたので、気持ち良かった。
4行目に配列Hikakuの定義を追加した。
コードの中で、18行目の途中から色が変わってしまう。
Hikaku[maxi] = Tokuhyo[maxi] // (Tosen[maxi] + 1 )
ここでダブルスラッシュ(//)は小数点以下を切り捨てる割り算をあらわす演算子だ。
最初に解いた時はいくつか間違えてしまったが、再度問題文を読んだら正解にたどり着けた。読解力をもっと養わなくては、と思った。
データサイエンス
第3問は図1の読み取りが肝心だ。この統計処理ソフトウェアは具体的にあるのだろうか。縦軸と横軸が何なのか把握することが大切で、図1の散布図Aの相関係数は「あ」、散布図Bの相関係数は「い」、散布図Cの相関係数は「う」と表されている図は初めて見るものだった。
図の読み取りは、数学の知識が要求される。問2の得点増加数は回帰直線の傾きをもとに計算した。問4のクロス集計表は今までの情報の教科書には載っていないが、文部科学省の高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材 第4章 情報通信ネットワークとデータの活用・巻末に載っている。新しい教科書には掲載されるのだろう。順序立てて考えていけば、正解に結びつく問題だと感じた。
春休み中に、情報関係基礎の過去の問題を解き直そうと思った。
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